
先日アップした7月5日(日)ライブ告知動画の中で紹介した、「モスクワ郊外の夕べ」に特徴的な「〜したり、しなかったり」のフレーズは、作詞家のミハイル・マトゥソフスキーが、有名な民謡歌手のリディア・ルスラノワ(上写真)が歌っていたボルガの囃子唄(はやしうた)からヒントを得たという件。
どの歌なのか苦労してかなり探しまして(何に労力使っとんじゃ😆)、1曲見つけました。ボルガ川中流域の町サマラに伝わる「ああ、小さな町サマラよ」という作者不明の民謡の中に、「〜したり、しなかったり」のフレーズが見られます。下に掲載する歌詞の下にそのルスラノワさんの歌唱音源の動画を、歌詞の上にローザ・バグラノワさんの1947年クレムリンにおける歌唱の貴重な映像を埋め込みます。
下の解説によると、サマラの町では19世紀終わり頃からお祭りのときに、アコーディオンでこの「〜したりしなかったり」を明るいメロディーに乗せ歌って踊るのが流行ったようですね。抑えることのできない激情が効果的に表現されています。それが時を経て、しっとりしたメロディーに乗り揺れ動く恋心を歌う歌謡曲となり、世界へと広がった。なんと悠久の時を感じさせるストーリーでしょう。面白いですね〜
【最も探求心旺盛な民俗音楽研究者でさえ、雄大なヴォルガ川のほとり、ジグリ山脈の近くの活気あふれる歌「小さな町サマラ」が初めて響き渡った正確な時期を特定することはできません。しかし、サマラ民謡を研究する専門家たちは、この曲はおそらく19世紀末から20世紀初頭にかけて、都市部で民謡が盛んになった時期に生まれたと考えています。ロシアにおけるアコーディオンの登場は、こうした民俗音楽の活発な発展に不可欠な要素でした。
外国から持ち込まれたこの素晴らしい楽器は、メロディーを奏でたり伴奏をしたりすることができ、すぐに納税階級である農民や町民の尊敬を集めました。時が経つにつれ、アコーディオンはロシア人に大変愛されるようになり、アコーディオンなしで祝祭日を祝うことはなくなりました。アコーディオンは、心からの歌を歌ったり踊ったりする楽しい役割を果たすだけでなく、即興の遊び心のある小曲を演奏する際にも役立ちました。19世紀後半に生まれたこの新しい民謡ジャンルは、国の中央部、北部、東部、そしてヴォルガ地方で急速に人気を博しました。愛や日常生活をテーマにしたこれらのユーモラスで短い歌は、サマラの若者たちの間で人気でした。彼らはパーティーに集まったり、アコーディオンや7弦ギターを持って小舟でジグリ丘陵へ出かけたりして、小曲を作曲して歌い、自分たちなりの方法で「はやし言葉」と呼んで楽しんでいました。
サマラのアコーディオンは、独特の響きとベルの音色を持つ、他に類を見ない楽器でした。この人気の楽器は、サラトフの音楽家ニコライ・カレリンによって作られました。サマラの人々がアコーディオンで演奏した旋律もまた、非常に独創的でした。遊び心のある、中ヴォルガ地方特有のメロディーが特徴で、それぞれに個性的な特徴がありました。この独特な演奏スタイルは、天賦の才を持つ盲目のアコーディオン奏者、ミハイル・ウガロフによって有名になりました。彼の作品は、卓越したフィンガーピッキングで彩られ、「ウガロフ旋律」として知られ、才能ある独学の音楽家たちによってすぐに取り入れられました。おそらく、ある無名の作者がこれらの旋律の一つにシンプルな歌詞をつけ、「サマラの町」という歌に仕立て上げ、それが後にロシア全土で有名になったのでしょう。出展】
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「ああ、小さな町サマラよ」
プラトークは沈んだり沈まなかったり、
ゆっくりと浮かんでいる
愛しい人は愛したり愛さなかったり、
ただ時だけが道を示す
ああ、小さな町サマラよ、
私は落ち着かない、
私は落ち着かない、
私を落ち着かせて!
何度、私は
愛する人を捨てて忘れようとしただろう
私は疲れ果て、苦悩している、
でも私は愛を捨てられなかった
ああ、小さな町サマラよ、
私は落ち着かない、
私は落ち着かない、
私を落ち着かせて!
愛する人は「さよなら」と言う
私の心は燃え上がる
そして私は切望し、苦しむ、
いつも同じこと、彼のことばかり考えている
ああ、小さな町サマラよ、
私は落ち着かない、
私は落ち着かない、
私を落ち着かせて!
"Ах, Самара городок."
Платок тонет и не тонет,
Потихонечку плывет.
Милый любит и не любит
Только времечко ведет.
Ах, Самара-городок,
Беспокойная я
Беспокойная я,
Успокой ты меня!
Сколько раз я собиралась
Бросить милого, забыть.
Истомилась исстрадалась,
Но не бросила любить.
Ах, Самара-городок,
Беспокойная я
Беспокойная я,
Успокой ты меня!
Милый скажет: "До свиданья",
Сердце вскинется огнем -
И тоскует и томится
Все о том же, все о нем.
Ах, Самара-городок,
Беспокойная я
Беспокойная я,
Успокой ты меня!

