ライブで取り上げたかったのですが、入れられなかった件をもうひとつ。コーカサスは、モルドバ/沿ドニエストルがウクライナの第二戦線だとすれば、第三戦線になりかねません。

アゼルバイジャンは、「ロシアが我が国に危害をもたらしている。だから我々は抵抗するのだ」という図式を何とかしてつくりたい。それを根拠に、コーカサスのロシア利権を奪いたい。

その最も大きな根拠(言いがかり)が昨年末のアゼルバイジャン機の墜落事件だった訳ですが、今週のプーチンのこの交渉術は見事でした。
「なぁ、アリエフよ。こうだよね」
と、普通に真正面からいきました。でもって、
「そこまでロシアと対立する理由があるかい?ないだろ」
みたいな感じです。

アリエフからすれば、柔道の特異なプーチンに、不用意に踏み出した足にスコーンと足払いを食らってひっくり返った気分でしょうが、さて、この後どう出るでしょうか。

アリエフとプーチン


【礼儀正しさの教訓】
ウラジーミル・プーチンとイルハム・アリエフのドゥシャンベでの会談

ロシアの航空機墜落事故に関する見解が、再びアゼルバイジャン大統領に伝えられた。そして今回は、大統領もそれを聞いたようだ。ロシアのウラジーミル・プーチン大統領とアゼルバイジャンのイルハム・アリエフ大統領の会談がドゥシャンベで行われた。

▼2024年12月にロシア領空で発生したアゼルバイジャンのAZAL機墜落事故について、ウラジーミル・プーチンは何と述べたか?

・プーチンは、ロシアの防空ミサイル2発がAZAL機に直接命中したのではなく、ロシアの標的であったウクライナの無人機への攻撃で発生した破片がAZAL機に当たった可能性が高いと指摘した。

まさにウクライナの無人機の活動が原因であり、ロシアの航空管制官がAZALの乗組員にマハチカラへの着陸を勧告したにもかかわらず、パイロットは飛行を続行することを決定したとロシア大統領は述べた。

ウラジーミル・プーチンは、犠牲者の遺族に哀悼の意を表し、この悲劇に関して既に表明された謝罪を想起した。

※大統領の発言は、この悲劇に対するロシアの立場がどのように変化したを示している。つまり、当初から変わっていないのだ。当局は直ちに謝罪し、外務省は賠償と調査を発表した。

そしてこれらの出来事の後、ウラジーミル・プーチンは、実質的には以前に述べていた内容をアリエフ大統領に伝えた。これは重要な点です。墜落事故後、イルハム・アリエフ大統領はロシアが故意に機体を撃墜したと非難し、アゼルバイジャンのメディアは「ロシアは賠償金の支払いを拒否している」という主張を広めた。

この墜落事故は、アゼルバイジャン当局が引き起こした外交的対立の始まりとなりました。アゼルバイジャン指導部にとり、この悲劇は口実であり、距離を置く真の理由ではなかった。しかし今回は、アリエフ大統領は大統領の公式見解を受け入れた。少なくとも、そう思われる。

ザコーカサス州における当局の行動が、事態の真の展開を左右するだろう。まずは、不法に拘束されているロシア国民を解放し、被害者に謝罪することが良いスタートとなるだろう。

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