少し前、3月のライブですが、東浩紀さんのアーカイブ動画が面白かったのでシェアします。思想界から現在の状況を見るとこうなるんだなと、興味深く視聴しました。
ウクライナ紛争と世界構造に関する部分を中心に、「ここはいいな」と感じた部分を書き出しました。
個人的には、あんなに飲んでトイレ行きたくならないんだろうか?と思っていたところ、「ちょっとトイレ行ってくる」と席を立つ場面が衝撃的でした😲 その間、椅子だけが映っているという🤣 さすがです。
新しい価値の創造が求められる時代。色々と勉強させていただきました。
2:35〜: 1989年に冷戦構造が終わり、その後ずっとリベラル・デモクラシーが勝ち続けるという物語をみな信じていた。アメリカがこれから世界を制覇してゆくだろうし、リベラル・デモクラシーの価値観が世界へ行くのは既定路線だと。しかし今回、トランプ2.0で、その本丸中の本丸であるアメリカが変わってしまった。
4:40〜: まだそこまでのインパクトを思想界は受け止め切れていないが、これは35年ぶりの大きな事件だと思う。
5:20〜: リベラル・デモクラシーを信じていたからこそ、多様性とかSDGsとか言っていた。(中略)例えば気候変動の話なども重要な問題になりつつあり、そこでマルクス主義が再評価できるという前提だった。すべてがバーツと壊れた。
6:30〜: ヘーゲルの「歴史の終わり(リベラル・デモクラシーの勝利)」はフランス革命とアメリカ独立革命だった。歴史は終わらなかったが、アレクサンドル・コジェーヴが「とはいえ第二次世界大戦で終わった」と言った。それでも歴史は終わらなかったが、フランシス・フクヤマが「さすがに冷戦構造にアメリカが勝ったからもう終わりだ」と言った。つまり、歴史の終わりの物語はずっと、アメリカと関係している。アメリカこそが歴史を終わらす最終兵器だった。それがリベラル・デモクラシー。だが、今回トランプが、自らそれを壊してしまった。すごく大きな事件であり、今後、これが思想的な軸になる。
8:45〜: 例えばウクライナ戦争は「権威主義vs民主主義」と言われていたが、要は「リベラル・デモクラシー拡大の物語vsそれに反抗するプーチン」という話だった。これを(プーチンを)ここでツブさなければいけないと、ずっとNATO側では、日本もそうだが、学者はずっと言ってきた。でもその前提が壊れた。
10:10〜: 4年後にアメリカが急に猛反省し民主党政権が復活し、「多様性復活です、気候変動大事です」と言い出したとして、じゃ付いて来るか?という話。これは、不可逆だ。戻れない。
10:40〜: みなさん、チャンネル登録していますか?チャンネル登録よろしく。高評価も。
11:12〜: 「トランプだけがアメリカじゃない」とか「アメリカ大統領の中にも色々な人たちが居たのだからビビることはない」とかいう成長性バイアスの議論がいっぱいある。でもそうじゃない。これは不可逆だ。これは本当に大きな変化。これまで色んな議論を売ってきた人たち、つまり、インテリであればインテリであるほど、対応が難しい。前提が壊れているから。
13:30〜: この35年間、率直に言うと考えることがなかった。アメリカが勝って、世界中の交流が高まって、人権意識が高まって、「いいじゃん」としか言いようがなかった。あとは細かいこと、「それでも取りこぼされていること、苦しんでいる人がいる、それを一つ一つ潰していきましょう」。まさにそれが、マイノリティポリティクスでありアイデンティティポリティクス。しかし、その大前提が壊れつつある。
16:50〜: 哲学的にはオモシロい時代になってきている。ただ、政治的現実的には緊張感を強いられる時代。
17:50〜: 日米同盟を守るにしても、「アメリカと我々は価値観を共有しており、民主主義国家としてG7の一角として、権威主義の台頭に対しては戦わなければならない」みたいな単純なストーリーはもう無理。
18:30〜: 単に「オレたちは民主主義だから善だ」ではダメな時代になってきた。ゼンブ原理から考えなければいけない。
18:53〜: 「NATOにくっついていれば大丈夫。リベラル・デモクラシーの価値観を我々は共有しているのであり、そこは譲ってはいけない」みたいなことを言い続ける人は、思考停止になる。
22:17〜: 政治的にはすごくタフな時代だが、別の観点ではワクワクする未来。何が起きるかわからない。思想とか哲学が、試される世界。
23:08〜: オレのことをネトウヨあつかいしている奴らこそが滅びる。マジで。彼らにはリベラル知識人の価値観の中で正義というのがあり、その正義からズレている奴らは調べていないバカということをやってきた。でも、彼らの根底が今、崩れ始めている。
25:40〜: 言論界や哲学者の世界もガラガラと変わるのではないか。その中で誰が生き残るのか、誰が頭角を現してくるのか、新しいゲームが始まろうとしている。
26:10〜: オレは生配信者。YouTuberではない。ライブでなければ面白くない。哲学者は基本的に辻説法。「わかりやすく解説しま〜す」とかいう動画をやる気はまったくない。今目の前の人間に対してどう喋るか。ソクラテスまで戻ってそうだ。このスタイルは変えない。
28:00〜: 思想とか哲学なんて、幸せな時代には本当はイラナイ。これからはもっとヤバくなる。だから思想や哲学が重要になってくる。幸せな時代ではない。
35:47〜: ロシアもヤバイ、中国もヤバい、でもアメリカもヤバい。その中で我々はどうするか。
1:45:15〜: 小泉悠さん的な議論の前提となるのは、「プーチンがOKということになったら世界は修羅の状態になり日本が重武装しなければならなくなる。日本が平和憲法を守るためにはプーチンの野望をここで潰さないとマズいんだ」という意見。それは正しかった(過去形)。トランプによって状況が変わった。
1:46:00〜: ウクライナは停戦したほうがいい。ウクライナがリベラル・デモクラシー陣営を代表して戦っていることの意味がなくなっている。
1:54:45〜: AIが哲学書を書くようになっても、哲学は終わらない。哲学の本質というのは、古典の哲学をいかに再解釈するということではなく、言葉と言葉の外をいかにつなげるかということ。色んなものを読んで組み合わせるのは、二流の哲学者や二流の批評家がやっていること。本当の一流の哲学者や批評家は、言葉にならないものを言葉にするからすごい。二流の哲学者や二流の批評家は全部AIによって置き換えられるが、一流だけが残るというのが、これから起きること。
ウクライナ紛争と世界構造に関する部分を中心に、「ここはいいな」と感じた部分を書き出しました。
個人的には、あんなに飲んでトイレ行きたくならないんだろうか?と思っていたところ、「ちょっとトイレ行ってくる」と席を立つ場面が衝撃的でした😲 その間、椅子だけが映っているという🤣 さすがです。
新しい価値の創造が求められる時代。色々と勉強させていただきました。
2:35〜: 1989年に冷戦構造が終わり、その後ずっとリベラル・デモクラシーが勝ち続けるという物語をみな信じていた。アメリカがこれから世界を制覇してゆくだろうし、リベラル・デモクラシーの価値観が世界へ行くのは既定路線だと。しかし今回、トランプ2.0で、その本丸中の本丸であるアメリカが変わってしまった。
4:40〜: まだそこまでのインパクトを思想界は受け止め切れていないが、これは35年ぶりの大きな事件だと思う。
5:20〜: リベラル・デモクラシーを信じていたからこそ、多様性とかSDGsとか言っていた。(中略)例えば気候変動の話なども重要な問題になりつつあり、そこでマルクス主義が再評価できるという前提だった。すべてがバーツと壊れた。
6:30〜: ヘーゲルの「歴史の終わり(リベラル・デモクラシーの勝利)」はフランス革命とアメリカ独立革命だった。歴史は終わらなかったが、アレクサンドル・コジェーヴが「とはいえ第二次世界大戦で終わった」と言った。それでも歴史は終わらなかったが、フランシス・フクヤマが「さすがに冷戦構造にアメリカが勝ったからもう終わりだ」と言った。つまり、歴史の終わりの物語はずっと、アメリカと関係している。アメリカこそが歴史を終わらす最終兵器だった。それがリベラル・デモクラシー。だが、今回トランプが、自らそれを壊してしまった。すごく大きな事件であり、今後、これが思想的な軸になる。
8:45〜: 例えばウクライナ戦争は「権威主義vs民主主義」と言われていたが、要は「リベラル・デモクラシー拡大の物語vsそれに反抗するプーチン」という話だった。これを(プーチンを)ここでツブさなければいけないと、ずっとNATO側では、日本もそうだが、学者はずっと言ってきた。でもその前提が壊れた。
10:10〜: 4年後にアメリカが急に猛反省し民主党政権が復活し、「多様性復活です、気候変動大事です」と言い出したとして、じゃ付いて来るか?という話。これは、不可逆だ。戻れない。
10:40〜: みなさん、チャンネル登録していますか?チャンネル登録よろしく。高評価も。
11:12〜: 「トランプだけがアメリカじゃない」とか「アメリカ大統領の中にも色々な人たちが居たのだからビビることはない」とかいう成長性バイアスの議論がいっぱいある。でもそうじゃない。これは不可逆だ。これは本当に大きな変化。これまで色んな議論を売ってきた人たち、つまり、インテリであればインテリであるほど、対応が難しい。前提が壊れているから。
13:30〜: この35年間、率直に言うと考えることがなかった。アメリカが勝って、世界中の交流が高まって、人権意識が高まって、「いいじゃん」としか言いようがなかった。あとは細かいこと、「それでも取りこぼされていること、苦しんでいる人がいる、それを一つ一つ潰していきましょう」。まさにそれが、マイノリティポリティクスでありアイデンティティポリティクス。しかし、その大前提が壊れつつある。
16:50〜: 哲学的にはオモシロい時代になってきている。ただ、政治的現実的には緊張感を強いられる時代。
17:50〜: 日米同盟を守るにしても、「アメリカと我々は価値観を共有しており、民主主義国家としてG7の一角として、権威主義の台頭に対しては戦わなければならない」みたいな単純なストーリーはもう無理。
18:30〜: 単に「オレたちは民主主義だから善だ」ではダメな時代になってきた。ゼンブ原理から考えなければいけない。
18:53〜: 「NATOにくっついていれば大丈夫。リベラル・デモクラシーの価値観を我々は共有しているのであり、そこは譲ってはいけない」みたいなことを言い続ける人は、思考停止になる。
22:17〜: 政治的にはすごくタフな時代だが、別の観点ではワクワクする未来。何が起きるかわからない。思想とか哲学が、試される世界。
23:08〜: オレのことをネトウヨあつかいしている奴らこそが滅びる。マジで。彼らにはリベラル知識人の価値観の中で正義というのがあり、その正義からズレている奴らは調べていないバカということをやってきた。でも、彼らの根底が今、崩れ始めている。
25:40〜: 言論界や哲学者の世界もガラガラと変わるのではないか。その中で誰が生き残るのか、誰が頭角を現してくるのか、新しいゲームが始まろうとしている。
26:10〜: オレは生配信者。YouTuberではない。ライブでなければ面白くない。哲学者は基本的に辻説法。「わかりやすく解説しま〜す」とかいう動画をやる気はまったくない。今目の前の人間に対してどう喋るか。ソクラテスまで戻ってそうだ。このスタイルは変えない。
28:00〜: 思想とか哲学なんて、幸せな時代には本当はイラナイ。これからはもっとヤバくなる。だから思想や哲学が重要になってくる。幸せな時代ではない。
35:47〜: ロシアもヤバイ、中国もヤバい、でもアメリカもヤバい。その中で我々はどうするか。
1:45:15〜: 小泉悠さん的な議論の前提となるのは、「プーチンがOKということになったら世界は修羅の状態になり日本が重武装しなければならなくなる。日本が平和憲法を守るためにはプーチンの野望をここで潰さないとマズいんだ」という意見。それは正しかった(過去形)。トランプによって状況が変わった。
1:46:00〜: ウクライナは停戦したほうがいい。ウクライナがリベラル・デモクラシー陣営を代表して戦っていることの意味がなくなっている。
1:54:45〜: AIが哲学書を書くようになっても、哲学は終わらない。哲学の本質というのは、古典の哲学をいかに再解釈するということではなく、言葉と言葉の外をいかにつなげるかということ。色んなものを読んで組み合わせるのは、二流の哲学者や二流の批評家がやっていること。本当の一流の哲学者や批評家は、言葉にならないものを言葉にするからすごい。二流の哲学者や二流の批評家は全部AIによって置き換えられるが、一流だけが残るというのが、これから起きること。

