3月23日(日)ライブにご参加いただきました皆様、アーカイブでご覧の皆様、どうもありがとうございます。ショーロホフの「静かなドン」の世界をぜひ知ってほしかったので、この3回はいつもに増して長時間になってしまいました。お付き合いいただき、ありがとうございました。

「これはブログに回します」と申し上げたテーマについて、投稿します。

「ウクライナの電力とエネルギー関連の会社を米国が取得する」というトランプ構想は、突拍子のない斬新なアイデアのように映ると思いますが、実は旧ソ連時代時代から見て来た我々の世代のビジネスマンにとっては、90年代を彷彿とさせる風景です。

1991年のソ連崩壊の前後から暫く、旧ソ連地域はある意味「戦争に敗けた」のと同じような状況にありました。製造業やエネルギー関連企業は、老朽化した設備と従業員を抱え、世界市場における競合に晒される立場にイキナリ立たされた。何かをしなければならないが、何をしたらいいのかわからない。そのような状況にありました。

石油/ガス等のエネルギー分野に関して言えば、特に中央アジアやコーカサスに、米国を中心とするメジャー企業が「我々にお任せください」とばかりに、乗り込んで来ました。まぁ、ソ連崩壊はそのために仕掛けられたのですが。この時の風景と、トランプさんが今やっていることが、重なって見えます。

大きな米国資本が入って行くということは、そこに人の流れが出来て、文化交流が行われるようになり、教育が入って来て、さらには必然的にリベラルな価値観が入ってきます。それが国の体制を揺さぶり始める。というか、敢えてそれが仕掛けられる。中央アジアやコーカサスに、ロシアにとり面倒な状況がつくりだされたのは、現在の状況を見れば明らかです。

この辺り、プーチンがどう見ているのかな?というのは、興味深いところです。「中央アジアやコーカサスと、色々ありながらも上手く付き合えている。この程度のリスクならコントロールできる。ウクライナに多少の火種が残っても、心配はない」と自信を持っているのか。

あるいは、「リベラルな価値観」と「それを利用した西側戦略のビジネスモデル自体」を、トランプとプーチンが組んで滅ぼすという話なら、それも面白いとは思います。

カスピ海