今年最後の投稿となりますこのシリーズ、世界的な大ヒット曲「百万本のバラ」で締め括ります。
日本でも多くの歌手がカバーしていますので、楽曲自体は皆様ご存じのことと思います。特に有名なのは、加藤登紀子さんですね。
楽曲の成り立ちですが、何と元々は「マーラが与えたもの」という、ラトビアの歌謡曲。悲しい物語です。3コーラスから成り、内容は:
1コーラス目:「子供の頃、悲しいことがあるとお母さんにすがった。お母さんは『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と言ったもの。」
2コーラス目:「時が経ち、母は亡くなった。今も悲しいことがあると、あの時のように『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と口にする。」
3コーラス目:「辛い日々の暮らしの中、娘が口にした言葉を聴いて驚いた。『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と。」
これは、数百年に渡り、大国の支配のもとで抑圧されてきたラトビアの悲哀を歌い込んだものとされています。その「大国」とは、ポーランドでありスウェーデンでありナチス・ドイツでもある訳なのですが、何といっても最も人々の記憶に新しく心の重しになっているのが、ソ連/ロシアということになります。
そして、この詩を失恋ソングに代えてロシアの歌謡界に送ったのが、12月11日の記事でご紹介した、反体制の詩人、アンドレイ・ヴォズネセンスキー。かつてチェコスロヴァキアへのソ連侵攻(プラハの春)を批判しモスクワを追放されグルジアへ逃れた際に知った、グルジアの画家ピロスマ二の人生を、この曲に乗せて描き込みます。そしてアーラ・プガチョワの歌唱で1982年にレコード化されるや、瞬く間に大ヒット。時は1985年にゴルバチョフが共産党書記長に就任する前夜。新しい時代への期待をソ連国民が募らせた、その象徴とも言える歌になりました。ソ連が崩壊するまで、ロングヒットを記録します。
と、いう経緯を見てゆくと、この楽曲を背負ったアーラ・プガチョワが激しくプーチンを批判するのも理解できます。彼女もまた、反体制アーティスト。もちろん、西側はソ連時代から、ソ連の国民感情を揺るがすために反体制の芸術家たちを利用してきました。彼ら/彼女たちは騙されたのでしょうか?見解の分かれるところです。
(ぜひ他の楽曲もお楽しみください。旧ソ連音楽関係の記事はこちらをクリック。)
「100万本のバラ」 アーラ・プガチョワ
一人の画家が住んでいた
家とキャンバスを持っていた
彼は女優に恋をした
彼女は花が好きだった
彼は家を売り
絵画も血も売って
すべてのお金で買ったのだった
花を、まるで海のように
(×2)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
朝、きみは窓のそばに立ち
気がおかしくなってしまうだろうか?
夢の続きを見ているみたいと
広場は花でいっぱい
そして気を取り戻す:
何処かのお金持ちがふざけているのかしら?と
窓の下では息絶え絶えの
貧しい画家が立っている
(×2)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
出会いは短かった
彼女は夜、汽車で去った
でも、彼女の心には生涯
狂ったバラの歌が残った
画家はずっと独りで生きた
貧困の暮らしの日々を
でも、彼の人生には
花一面の広場があった
(×4)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
"Миллион роз" Миллион алых роз
Жил-был художник один,
Домик имел и холсты,
Но он актрису любил,
Ту, что любила цветы.
Он тогда продал свой дом,
Продал картины и кров.
И на все деньги купил
Целое море цветов.
(×2)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.
Утром ты встанешь у окна.
Может сошла ты с ума?
Как продолжение сна
Площадь цветами полна.
Похолодеет душа:
Что за богач здесь чудит?
А под окном, чуть дыша,
Бедный художник стоит.
(×2)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.
Встреча была коротка,
В ночь её поезд увёз,
Но в её жизни была
Песня безумная роз.
Прожил художник один,
Много он бед перенёс,
Но в его жизни была
Целая площадь цветов.
(×4)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.
日本でも多くの歌手がカバーしていますので、楽曲自体は皆様ご存じのことと思います。特に有名なのは、加藤登紀子さんですね。
楽曲の成り立ちですが、何と元々は「マーラが与えたもの」という、ラトビアの歌謡曲。悲しい物語です。3コーラスから成り、内容は:
1コーラス目:「子供の頃、悲しいことがあるとお母さんにすがった。お母さんは『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と言ったもの。」
2コーラス目:「時が経ち、母は亡くなった。今も悲しいことがあると、あの時のように『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と口にする。」
3コーラス目:「辛い日々の暮らしの中、娘が口にした言葉を聴いて驚いた。『マーラは娘に命を与えたけど、幸せは与え忘れたの』と。」
これは、数百年に渡り、大国の支配のもとで抑圧されてきたラトビアの悲哀を歌い込んだものとされています。その「大国」とは、ポーランドでありスウェーデンでありナチス・ドイツでもある訳なのですが、何といっても最も人々の記憶に新しく心の重しになっているのが、ソ連/ロシアということになります。
そして、この詩を失恋ソングに代えてロシアの歌謡界に送ったのが、12月11日の記事でご紹介した、反体制の詩人、アンドレイ・ヴォズネセンスキー。かつてチェコスロヴァキアへのソ連侵攻(プラハの春)を批判しモスクワを追放されグルジアへ逃れた際に知った、グルジアの画家ピロスマ二の人生を、この曲に乗せて描き込みます。そしてアーラ・プガチョワの歌唱で1982年にレコード化されるや、瞬く間に大ヒット。時は1985年にゴルバチョフが共産党書記長に就任する前夜。新しい時代への期待をソ連国民が募らせた、その象徴とも言える歌になりました。ソ連が崩壊するまで、ロングヒットを記録します。
と、いう経緯を見てゆくと、この楽曲を背負ったアーラ・プガチョワが激しくプーチンを批判するのも理解できます。彼女もまた、反体制アーティスト。もちろん、西側はソ連時代から、ソ連の国民感情を揺るがすために反体制の芸術家たちを利用してきました。彼ら/彼女たちは騙されたのでしょうか?見解の分かれるところです。
(ぜひ他の楽曲もお楽しみください。旧ソ連音楽関係の記事はこちらをクリック。)
「100万本のバラ」 アーラ・プガチョワ
一人の画家が住んでいた
家とキャンバスを持っていた
彼は女優に恋をした
彼女は花が好きだった
彼は家を売り
絵画も血も売って
すべてのお金で買ったのだった
花を、まるで海のように
(×2)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
朝、きみは窓のそばに立ち
気がおかしくなってしまうだろうか?
夢の続きを見ているみたいと
広場は花でいっぱい
そして気を取り戻す:
何処かのお金持ちがふざけているのかしら?と
窓の下では息絶え絶えの
貧しい画家が立っている
(×2)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
出会いは短かった
彼女は夜、汽車で去った
でも、彼女の心には生涯
狂ったバラの歌が残った
画家はずっと独りで生きた
貧困の暮らしの日々を
でも、彼の人生には
花一面の広場があった
(×4)
100万本、100万本、100万本の赤いバラを
窓から、窓から、窓から君は見る
恋する、恋する、真剣に恋する人に
すべての命を花に変えました
"Миллион роз" Миллион алых роз
Жил-был художник один,
Домик имел и холсты,
Но он актрису любил,
Ту, что любила цветы.
Он тогда продал свой дом,
Продал картины и кров.
И на все деньги купил
Целое море цветов.
(×2)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.
Утром ты встанешь у окна.
Может сошла ты с ума?
Как продолжение сна
Площадь цветами полна.
Похолодеет душа:
Что за богач здесь чудит?
А под окном, чуть дыша,
Бедный художник стоит.
(×2)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.
Встреча была коротка,
В ночь её поезд увёз,
Но в её жизни была
Песня безумная роз.
Прожил художник один,
Много он бед перенёс,
Но в его жизни была
Целая площадь цветов.
(×4)
Миллион, миллион, миллион алых роз
Из окна, из окна, из окна видишь ты.
Кто влюблён, кто влюблён, кто влюблён и всерьёз,
Свою жизнь для тебя превратит в цветы.


体制擁護派と反体制派の勢力はどんな社会にも必ず同時に存在する。彼らには思想がありその実現のために活動する。その為に支援が必要。支援することによって利用したい勢力もいる。「騙された」というのは、後になって大衆(国民)が言うセリフ。「自分は騙された」しかし、大衆は動乱の最中は自ら進んで嬉々として参加している。