
先の記事で、北朝鮮兵の遺体とパスポートが回収できない理由について、
「北朝鮮兵などいないから」
「後退してばかりで敵の遺体が回収できないから」
の2パターンを挙げました。
さらに別の可能性と、興味深い見立てがありましたので、ご紹介します。
まず、10月18日の日テレNEWSから:
【韓国の情報機関・国家情報院は、北朝鮮がウクライナとの戦闘に特殊部隊など1万2000人の派兵を決定したことが分かったと明らかにしました。(中略)また、北朝鮮軍の兵士らには、ロシア軍の軍服や武器のほか、偽の身分証も発給されているということです。】
と、いう訳で、ウクライナと西側がこの理解だとすると、回収したアジア系人種の遺体からアジア系民族のロシア人の身分証が出てきたとしても、信用しないですね。「いや、コイツは北朝鮮兵だ」となる。
「偽のパスポート?馬鹿馬鹿しい。何の意味があるの?」
という疑問は当然。
ひとつにはもちろん、そのような建前にすることによって、ロシア国防省のメンツを守る。
そして、好意的に解釈すれば、それにより報酬はじめ怪我の治療や死亡時の遺族補償などを、ロシア軍の体系でやってあげる。
そして、偽のパスポートを持ってウクライナ領内に入るなら問題ですが、ロシアの領土であるクルスク州限定で戦闘に参加するのであれば、ロシアの国内問題ですから、他国からとやかく言われる理由はありません。
さらに、興味深い指摘をご紹介します。
以前に、「ウクライナ大統領府や参謀の内部情報」を怪しげに伝える「レジティムヌィ(登録者約105万人)」と「レジデント(登録者約101万人)」というテレグラムチャンネルをご紹介しました。キエフ政権はこの2つのチャンネルに困っており、BANするようテレグラム社に訴えていますが、応じてくれません。
私自身は、この2つはロシアによる情報戦サイトの可能性があると見ています。デタラメではなく多くが事実かもしれないのですが、ロシア応援の人々にちょっとした笑いや元気を与えるような情報を流している。いわばロシアのプロパガンダサイト。
それを前提に、次の記事をお読みください:
【10月以来、官邸や西側メディアは、この無人航空機や人工衛星の時代に誰も見ることのない北朝鮮兵士の話題を宣伝してきた。 これはすでに一種の「ブラックジョーク」になっています。
私たちは10月に、これは西側諸国からより多くの武器と資金を引き出すために行われていると書きました。 ウクライナでの動員を増やす口実にもなるだろうと。
しかし、多くの人々がウクライナ危機では長い間戦ってきたことを忘れてはなりません。 すべてのNATO諸国は秘密裏にウクライナに「顧問・教官」を派遣しており、またパイロット、修理要員、装備調整員なども派遣しているため、西側諸国は長期にわたってこのゲームに参加しています。また、ロシア側では、西側諸国との戦争において貴重な経験を積む必要がある「オブザーバー」として「中国」が参加する可能性があるとも書きました。正確な国籍を知っている中国人もこの「ブランド」の下で戦うことができるため、北朝鮮兵士のケースは西側にとって危険であることを指摘したいと思います。 そのときにクレムリンがどの国の人を使っているか判りますか? 西側諸国はロシア連邦が厳格な動員を行うことが必要になることを期待していますが、この状況では行われないでしょう。これについては以前話しました。】
つまり、「同じ要領で、中国の人民解放軍兵士が実戦経験を積むために入って来ていても、わからないよ」と、ウクライナと西側にプレッシャーをかけています。「ロシアは国内動員しなくても、いくらでもアジア系の兵士を調達できるよ」と。
西側諸国とウクライナにとり、「ロシア軍のアジア系の兵士たちが本当は誰なのかワカラン」状態は、実に嫌なものでしょう。
そのような、「敵にとり非常に悩ましい状況を作り出す」ことは、ロシア軍の作戦としてとても有効と言うことができます。
仮に上のような状況だとすれば、本件、「証拠」は出てこないでしょうね😆
ですから、「北朝鮮兵居る居ない論」は、永遠に平行線を辿るだけ。そもそも、議論する意味もないかもしれない。
ただし、前の投稿のキリル・フョードロフさんの問題提起のように「このような攻撃の仕方(無謀身の歩兵が大勢で徒歩で敵陣に向かう)をやらせるのはどうか?」のような議論は、あっていいと思います。それが北朝鮮兵であるかどうかにかかわらず。
いっぽうそのおかげで、この数日でクルスク州のウクライナ軍支配地はみるみる縮小しています。有効性が実証されている。

