810海兵旅団

(第810海兵旅団と北朝鮮兵が写っているとされる写真。出展

15日のライブの北朝鮮兵に関する部分ですが、趣旨が上手く伝わらなかったかもしれませんので、簡単に整理させていただきます。

最初に念のためですが、私自身は北朝鮮兵が存在するか否かについては、フィフティxフィフティで見ています。そして、「ゼッタイ居る」という人や「ゼッタイ居ない」という人と議論するつもりはありません。「あなたはそれを信じるんですね」というだけ。秒で終わりです。

伝えたかったのは、存在すると確信を持っているロシアの軍事記者らが、ロシア国防省の隠ぺいと戦うべきだと考え勇気を出して主張している・・・そのドラマでした。と、言えばお解りいただけるでしょうか? つまり、真実がどうかではなく、彼らの問題意識と情熱を評価したかった、そして知ってほしかったのでした。

さて、「ロシア軍が2か月かけても落とせなかった集落を、1日の準備と2時間半の襲撃で解放した」という、北朝鮮部隊によるプリョホボの戦いをスクープしたのは、ロマノフさんという軍事記者です。どんな方かというのが現れている記事を、下にご紹介します。

ドローン研究所にて【ロシアのクルスク州。私は折に触れ、ガガリングの研究室の1つを訪問しました。彼らは、FPVドローンの効率を高めるさまざまな技術的手段 (詳しい人は「キリギリス」ドローンをご存じでしょう) やFPVからの保護具について、注目されています。出展

つまり、単純に現地情報を人から聞いて書くだけではなく、クルスク州の戦地にも足を運んで、具体的にどんな技術がロシア軍に有益なのか、どんなものが足りないのか(例えば「この種類のバッテリーが足りない、医療用具が必要だ」等)、ロシア軍の成果がより上がるためのことを熱心に書いて発信しています。

そして12月12日、あの衝撃的な記事を世に放ったのでした。以下です:

プリョホボの戦い【ロシア、クルスク州、スジャ地区、プリョホボ。
同集落は、ロシア軍の管理下に入った。
同集落は、北朝鮮特殊部隊のみで占領した。 2時間以内に。彼らはハリケーンのように進み続けた。捕虜は一人もとらなかった。敵は300人以上の兵力を失った。
現在、*2つの旅団が栄光を分けようとしている - 北朝鮮のスペシャリストによって解放された集落に最初に入ったのは誰だったのか。出展
(*第810海兵旅団と嘘をつくのか、北朝鮮部隊であることを明らかにするのか)









さらに驚いたことに、ライブでもお話ししたオレグ・ツァリョフさんが、上の記事は事実だと太鼓判を押したのです。

オレグ【確認します。それはすべて本当です(上のロマノフ氏の記事へのリンク) 。私たちの友人たちは再び自分自身を証明しました。ただ、彼らは自分たちを特殊部隊ではなく支部大隊と呼んでいます。彼らは軽い武器だけを持っています。出展

オレグ・ツァリョフさんは元ウクライナの国会議員で、大統領候補になるかという時期に丁度2014年の混乱が訪れ、ドンバス側について戦うことになった方。ドネツクとルガンスクの独立に尽力し、2つの人民共和国からなるノボロシア連邦の議長までされました。重要な政治家としての立場もありますので、デタラメを言う人ではないと私は理解しています。



ペスコフロシアのメディア界もざわつき、ぺスコフ報道官へ「北朝鮮兵は居るのか」の質問がされますが、同氏はこれを国防省に振りました。
【ドミトリー・ペスコフ氏は記者団に対し、北朝鮮兵士に関する質問はロシア国防省に問い合わせるべきだと述べた。出展

そしてロシア国防省は・・・中々に渋いようです。ロマノフさんによれば:

【この記事(上の記事)に対する参謀本部の反応をご存知ですか?
ゲラシモフ参謀総長は、今後の作戦における北朝鮮軍の軍人の使用を禁止しました。今、北朝鮮部隊は再び隠蔽されつつあります。
つまり、ゲラシモフと参謀にとって、(相互防衛に関する合意が存在しているのに)攻撃行動の有効性や効率性よりも、メディア(対マスコミ対策)が重要なのです。
兵士たちの命を保護することについては、私はもう黙ります。出展

つまり、「最強の北朝鮮の友人が手伝ってくれると言っているのだから、すべてオープンにして、ありがたくお願いすべきだ」と言っている訳です。そのほうが仕事が早いと。

難しくはあります。「ロシア兵の損失を減らすために、最も危険な任務を北朝鮮兵にやらせるのか?」という疑問は、浮上しそうな気がします。また、考えてみると「アフマト」や「ピャトナシュカ」ですら、国防省は表立って発表はしません。すべてロシア軍部隊の成果として、集落解放や相手に与えた損失を発表しています。

最後にもう一つ、ロマノフさんの最新記事より:

北朝鮮兵か【2024年12月6日、
ロシアクルスク州のスジャ地区、プリョホボ。
「反対側からの眺め。」
敵は北朝鮮特殊作戦部隊による集落襲撃の映像を積極的に公開しています(右スクリーンショット)。
どんな真実も必ず明らかになります。ほとんどの場合、それは嘘つきにとり最も不都合な瞬間に明らかになります。真実をすぐに伝えることが、敵の武装を解除することになるのです。少なくとも情報分野では。】

ロマノフさんは、「黙っていると嘘をついていることになる。バレたときに責められる」「明らかにしたほうが、ウクライナ側はそれをネタに使えなくなる。相手の政治手段を削ぐことができる」と主張しています。

最後に、話は飛びますが、よくある「回収した北朝鮮兵の遺体からパスポートのひとつも出てこないのか?」の疑問については、私見ですが可能性は2つ。
1.北朝鮮兵なんて居ないから出てこない。
2.ウクライナ軍は直近の戦闘では後退してばかりで、敵の遺体が回収できない。
どちらかだろうなと思います。

以上、「馬鹿馬鹿しい」と思うか、「真実がどれかはワカラナイが、中々熱いじゃないか。面白かった」と思うかは、その人次第です。

私自身は、冒頭に述べた通りフィフティxフィフティです。ロマノフさんは頑張って動いて取材しているし、オレグ・ツァリョフさんは信用できる人だと思っていますが、それが自分の思い込みである可能性もあります。彼らも時々間違うのかもしれませんし、あるいは嘘を言うのかもしれません。

尚、混同するといけないので補足しておきます。15日ライブでは上のロマノフさんではなくまた別の軍事ブロガー、アナトリー・ラドフさんの記事を中心にお届けしました。まだの方はぜひアーカイブでご覧ください。