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実は現在、特別軍事作戦の映像と合わせ、日本の人々がロシアの歌を日常的に耳にしている極めて稀な状況にあります。大変に不謹慎ではありますが、R-POPやロシア歌謡をご紹介できる、またとない機会です。ロシアでYouTubeが生きている間に、出来る限りご紹介できたらと思います。企画倒れになってしまったらすみません😆

さて、以下に「ロシアのボブ・ディラン」的な存在であるウラジーミル・ヴィソツキーの「奴は戦闘から戻らなかった」という楽曲をご紹介します。ヴィソツキーの話を始めると、どこからどう語ればよいか悩んでしまいますので、また別の機会に。あるいはそれも不要かも。何の先入観も持たずに、渋く深みある重厚な歌声をお聴きください。



「奴は戦闘から戻らなかった」

なぜどこかが違うのか ほとんどいつもと同じなのに
空は今日も青い
森も 空気も 水も同じ
ただ、奴が戦闘から戻らなかった
ただ、奴が戦闘から戻らなかった

俺にはわからない 俺たちどちらが正しかったのか
夜通し語りあったもんだが
これほど奴の存在を感じたことはない 奴が戦闘から戻らなかった今ほど
これほど奴の存在を感じたことはない 奴が戦闘から戻らなかった今ほど

拍子が抜けたように黙り込んだ リズム通りに歌やしなかった
いつもそれは違うとばかり言った
俺を寝かせてはくれなかった そして早起きだった きのう戦闘から戻らなかった
俺を寝かせてはくれなかった そして早起きだった きのう戦闘から戻らなかった

今は空虚になったなんて そんなことを言うつもりはない
突然俺にはわかったんだ 俺たちは二人でひとつだったと
俺にとっちゃ 焚火が風で吹き消されたようなもんだ 奴が戦闘から戻らなかったのは
俺にとっちゃ 焚火が風で吹き消されたようなもんだ 奴が戦闘から戻らなかったのは

急に解き放たれたように 大地が春に覆われる
間違って俺は叫んでしまった
「友よ、休もうぜ 一服しよう」 だが答えはない 奴はきのう戦闘から戻らなかった
「友よ、休もうぜ 一服しよう」 だが答えはない 奴はきのう戦闘から戻らなかった

我々の死者たちは 我々を不幸にさせない
我々の戦死者たちは 番兵のようなもの
空は水に映るがごとく森に照り映え 木々は青くそびえ立つ
空は水に映るがごとく森に照り映え 木々は青くそびえ立つ

塹壕は俺たち二人にゃ十分の広さだった
時間は俺たち二人のために流れていた
今はすべてが俺ひとりのもの そして俺には思えるのだ
              戦闘から戻らなかったのは俺ではないかと
今はすべてが俺ひとりのもの そして俺には思えるのだ
              戦闘から戻らなかったのは俺ではないかと