昨日10月11日、将棋界に2つの大きな出来事がありました。一つは期待の新人、砂原奏(すなはらかなで)女流2級がデビューから2連勝を果たすという快挙。もうひとつは、藤井聡太七冠が王座戦に勝利し八冠を達成した件です。
特に砂原女流は、今回の対戦相手が女流名人や女流王位、女王など数々のタイトルを獲得された矢内理絵子女流五段。女流棋界のレジェンドに新人がまさか勝利するとは。激震が走りました。
内容についても、初戦は慣れない持ち時間に戸惑ったか(プロの持ち時間はアマチュアより長い)終盤にピンチを招く場面がありましたが、二戦目はペース配分もきっちり修正し安定感が増しました。ごく短期間にこれほどの進化を遂げるとは。底が知れません。
下図は47手目に先手(手前側)の砂原女流が▲5五歩と突いて、将棋盤のど真ん中で宣戦布告をした場面。将棋がわからない人にも、陣形の美しさと駒の勢いは感じていただけるでしょう。この数手後に昼食休憩。砂原女流は豚生姜焼き弁当を注文。激しい戦を前にガッツリ腹ごしらえをする姿にも、スター性を感じさせます。

さて、もうひとつの話題。藤井聡太八冠誕生について。前人未到の偉業に日本中が沸き返っているかに見えますが。。。
もし皆様の身の周りに、道場で指されているような将棋のお強い方がいらっしゃったとしたら、皆様が「ホントよかったですよね!」と話しかけたなら、ちと戸惑いを見せるはずです。
将棋そのものは、完全に永瀬拓矢王座が勝っていました。下図は負けを覚悟した後手の藤井七冠が△5五銀と指して下駄を預けたところです。先手(手前側)の永瀬王座は、ここで▲4二金と打てば勝ちでした。以下、△同金▲同成銀△同玉▲5二飛から、詰みもありますし安全勝ちの順もあります。

この順を見つけるのがどれほどの難易度なのかと聞かれれば、これについて私が何か言うのは恐れ多いですが、少なくとも永瀬王座なら通常は数秒とかからずに見えることは間違いありません。この後に何度も頭を搔きむしる永瀬王座の姿は、将棋を熱心にやっているかやったことのある人にとっては、身震いに包まれるものでした。
個人的に、藤井聡太七冠(新八冠)と永瀬拓矢王座と、どちらのほうがより好きということはありません。しかしながら、身勝手に率直な気持ちを述べますと、この将棋には永瀬王座に勝利してもらい、五番勝負の五局目最終戦が見たかったです。
壮絶な人間ドラマを見せてくれた、永瀬王座を讃えたいと思います。そして、藤井新八冠、おめでとうございます。
特に砂原女流は、今回の対戦相手が女流名人や女流王位、女王など数々のタイトルを獲得された矢内理絵子女流五段。女流棋界のレジェンドに新人がまさか勝利するとは。激震が走りました。
内容についても、初戦は慣れない持ち時間に戸惑ったか(プロの持ち時間はアマチュアより長い)終盤にピンチを招く場面がありましたが、二戦目はペース配分もきっちり修正し安定感が増しました。ごく短期間にこれほどの進化を遂げるとは。底が知れません。
下図は47手目に先手(手前側)の砂原女流が▲5五歩と突いて、将棋盤のど真ん中で宣戦布告をした場面。将棋がわからない人にも、陣形の美しさと駒の勢いは感じていただけるでしょう。この数手後に昼食休憩。砂原女流は豚生姜焼き弁当を注文。激しい戦を前にガッツリ腹ごしらえをする姿にも、スター性を感じさせます。

さて、もうひとつの話題。藤井聡太八冠誕生について。前人未到の偉業に日本中が沸き返っているかに見えますが。。。
もし皆様の身の周りに、道場で指されているような将棋のお強い方がいらっしゃったとしたら、皆様が「ホントよかったですよね!」と話しかけたなら、ちと戸惑いを見せるはずです。
将棋そのものは、完全に永瀬拓矢王座が勝っていました。下図は負けを覚悟した後手の藤井七冠が△5五銀と指して下駄を預けたところです。先手(手前側)の永瀬王座は、ここで▲4二金と打てば勝ちでした。以下、△同金▲同成銀△同玉▲5二飛から、詰みもありますし安全勝ちの順もあります。

この順を見つけるのがどれほどの難易度なのかと聞かれれば、これについて私が何か言うのは恐れ多いですが、少なくとも永瀬王座なら通常は数秒とかからずに見えることは間違いありません。この後に何度も頭を搔きむしる永瀬王座の姿は、将棋を熱心にやっているかやったことのある人にとっては、身震いに包まれるものでした。
個人的に、藤井聡太七冠(新八冠)と永瀬拓矢王座と、どちらのほうがより好きということはありません。しかしながら、身勝手に率直な気持ちを述べますと、この将棋には永瀬王座に勝利してもらい、五番勝負の五局目最終戦が見たかったです。
壮絶な人間ドラマを見せてくれた、永瀬王座を讃えたいと思います。そして、藤井新八冠、おめでとうございます。