米英の軍の動きは、政治の動きとはやや違うようです。あるいは、停戦の条件を少しでもよくするためにも、最善を追及ということかもしれません。

8月22日のニューヨークタイムズ記事と、それを受けてのウクライナメディア「ジアログ(対話)」の記事です。

時既に遅しの感はありますが、「バフムート(クレシェエフカ周辺)でアフマトに無駄にケンカ売ってる奴らを南部に回せ!」という話なら、部分的にはまぁ解らなくはないです。命の無駄遣いはもうやめてほしいですが。

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(8月22日 ニューヨーク・タイムズ)
【米当局、ウクライナの苦戦は戦術的ミスのせいだと非難】

複数の米当局者によると、ウクライナの厳しい反撃がロシアの堅固な防衛を突破するのに苦労しているのは主に、最高の戦闘部隊の一部を含む部隊が不適切な場所に配置されていることが多すぎるためだという。

ウクライナの司令官らは、攻撃の目標として掲げられていた、ロシアと占領下のクリミア半島の間のいわゆる陸橋を遮断するために火力を集中させるのではなく、軍隊を東と南にほぼ均等に分割した。

米当局者はウクライナ側に戦術を見直すよう助言した。あるアメリカ当局者は、劇的な行動がなければ反撃のペースが変わる可能性は低いと述べた。3か月が経ち、犠牲者が増加する中、ウクライナ人がこの勧告を心に留めている可能性がある兆候が見られる。

今月のテレビ電話会議で、西側軍高官らはウクライナ軍最高司令官ヴァレリー・ザルジニーに対し、主要戦線の1つに集中するよう促した。電話会議で説明を受けた当局者2人によると、ザルジニ将軍も同意したという。


(8月23日 ウクライナメディア「ジアログ」)
【ザルジニー氏、ミリ氏とラダキン氏の反撃戦術変更の提案に同意 NYT】
〜西側諸国では、ウクライナ軍部隊が対立線に沿って分散しすぎていると考えている〜

8月10日のヴァレリー・ザルジニー ウクライナ国軍司令官とのビデオ会議で、米国のマーク・ミリー統合参謀本部議長と英国のトニー・ラダキン参謀総長は、ウクライナ軍司令官に対し、現在の反転攻勢の一環として戦力を一方向に集中させるよう促した。ウクライナ軍最高司令官はこの提案に同意した。これはニューヨーク・タイムズ紙が匿名の情報筋の話として報じた。

この記事には、ウクライナ軍の部隊が前線全体に分散しすぎていると信じるアメリカの軍事アナリストの意見が含まれている。彼らは、「最も訓練された部隊を含む多数の部隊が『間違った場所を攻撃している』ため、国防軍はよく準備されたロシアの要塞を突破することができない」と考えている。

記事によると、反撃の主な目的は南部のロシア軍の補給線を断ち切り、併合されたクリミアへのロシアの陸路を遮断することだという。しかし、ウクライナ軍司令部は南部戦線と東部戦線に兵力をほぼ均等に配分した。

特にバフムートについて言及されており、アメリカ人ジャーナリストによると、ウクライナ軍はメリトポリ付近よりも多くの兵士を配備している。

アナリストらによると、戦術が根本的に変更された場合、ウクライナ軍の反撃ペースは急激に速まる可能性がある。

これに先立ちミリー将軍は、ロシア軍からウクライナを完全に解放するには多大な努力が必要だと述べた。 同氏によれば、ウクライナ軍の反撃は非常に困難な戦いだという。

一方、国防総省のパトリック・ライダー議長は、ウクライナ軍の攻撃行動はまだ終わっていないため、その結果を総括するのは時期尚早であると強調した。

著者: アルテム・マリノフスキー