10月30日のライブにご参加くださった皆様、アーカイブでご視聴いただいた皆様、どうもありがとうございます。最期に触れた電力インフラへの打撃について、少し補足します。

「ロシアは負けない」という軍事専門家の主張の背景には、「まだ使用されていない強力な武器や、まだ採用されていない有力な作戦の存在」があります。

その「作戦」について。一つは、最近ようやく少しずつ進められているウクライナの電力インフラへの攻撃。軍事専門家たちは特に、750kV変電所(高圧線で遠くの地域へ電気を送るための変電所)への攻撃をかなり以前から提案していました。兵器/兵員の輸送・使用・兵員の生活に大いに影響を与えます。

もう一つの有力な「作戦」。ウクライナには中央から東側に蛇行し北から南へ大きな「ドニエプル川」が流れています。この川にかかる橋をことごとく巡航ミサイルで破壊する。実際、ウクライナ軍はへルソンでロシア軍の補給を断つために一発2000万円もするハイマース砲弾を惜しげもなく降らせました。なぜロシアはやらないのか?というのが軍事専門家たちの主張。もしロシア軍がこれを実行すれば、ハリコフやドンバス、ザポリージャなど東部に展開しているウクライナ軍とNATO傭兵軍団は、いわば全体が孤立します。「ロシア圧勝が見えている」ではないかと。「なぜですか!なぜやらないのですか!?」。

しかし、電力設備にせよ橋にせよ、一気に叩いてしまうと一般のウクライナ国民の生活が途端に壊れます。「食料も燃料も入って来ないし電気もない」では、生きてゆけない。ですからプーチンは中々やらない訳ですが、現場からすれば「そのためにロシア兵やロシアおよび親ロシアの人々の命が奪われているじゃないか」。

これはもう、最高司令官がどんな「人物」かに掛かっています。痛みをグッとこらえて、「考えあってのことだろう。この人について行こう」と思える人物かどうか。プーチンでなければ持たない局面です。
ただし、キエフ政権がいよいよ看過できない手段を用いた場合には実行に移すでしょう。

ドニエプル川