ニコ動に「緊急事態条項」に危機感を抱いている方のコメントがありました。国民にあまり周知されずに議論が進んでいることを拡散してほしいとのことです。
確かに、そうですね。憲法は国民が国家権力を縛るものなので、理屈上は政治家が議論するのではなく国民の側が議論しないといけない。過去に憲法に緊急事態条項がないことが理由で出来なかったことは何なのか?欧米の憲法との比較など、具体的に検討する必要があります。漠然と
「コロナでバタバタしたよね。あったほうがいいよね」
と、雰囲気で納得させられては危うい。
自分自身の整理のため、幾つかのサイトから重要部分を抜粋引用し箇条書きで整理ます。
二宮淳悟弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会)
・憲法は法律などと異なり、国民に何かを命令するのではなく、国の権力者に対し、「人権を保障しなさい」と求めるものです。
・災害時に何より大事なのは、被災地を熟知している現場の判断を優先する、つまり現場に権限を与えることです。たとえば地方で災害が起きて道路が封鎖された時に、どのルートを通って物資を運べばいいか、その判断は現場の地理を知り尽くした人にしかできません。
現場にいない中央の政治家に強力な権限を与えても、被害状況を正確に把握できずまともな判断ができません。
・緊急事態条項は不要なだけではなく、危険なものです。12年に自民党が出した憲法改正草案によれば、いったん「緊急事態」とすれば、内閣が、法律と同じ効力を持つ政令を作れるようになります。その際、憲法による人権保障の制約は弱まり、国会での承認は事後でよいとされています。いわば国会での議論なく首相が自由に法律を作り、国民はそれに従わなくてはならなくなります。
(原の視点:現在バイデンが行っていることが法的に正当化される)
・日本の災害時の法制度は、他国に比べても非常に精緻に整備されています。重要なのはそれを最大限に生かし、平時からの備えを作ることです。「いざという時は首相に強力な権限を」というのは、何の対策にもなりません。
(原の視点:二宮弁護士は改憲慎重派のようで改憲派の人は記事の内容に同意できない部分もあるでしょうが、個人的には上記の部分はその通りだと思います)
大林啓吾教授(千葉大学教授・『コロナの憲法学』著者)
・じつは欧米では緊急事態条項が憲法にあろうがなかろうがロックダウンなどの強制的な対策を実施しています。欧米の法体系は、アメリカやイギリスなどのコモンロー系の国と、ドイツやフランスなどの大陸法系の国に大別できるのですが、コモンロー系の国はそもそも憲法の中に緊急事態条項を持っていません。持っていないにもかかわらず、たとえばアメリカでは州や地方自治体がかなり強いロックダウンを実施しました。
・一方、ドイツやフランスなどの大陸法系の国は憲法の中に緊急事態条項があるのですが、ロックダウンをやる際には基本的に個別の法律が必要で、その法律に基づいて実施するという形になっています。
・結局、どちらの法体系の国でも、法律が必要だということは変わらないわけです。日本も同じで、ロックダウンが必要だとなれば、まず法律を作る必要があります。そして、それは必ずしも憲法改正に直結しません。ただし、その法律が憲法に適合しないような内容であり、それでもなおロックダウンが必要ということになれば、憲法改正も視野に入ってきます。
(原の視点:「コロナ特措法」は合憲なのかどうか。違憲であればそこではじめて憲法を改正したほうがよいかどうかの議論となります。個人的には下のグローバル・ダイニング裁判に注目しています。コロナ特措法が合憲かというのがひとつ、さらにコロナ特措法の下ですら東京都のとった飲食店への営業規制は根拠がなく違法ではないかというのがひとつ。今後の展開に注目です)
弁護団の対談は以下。
最後に原の視点ですが、パンデミックを理由にこの議論が進むのであれば、そもそも日本が「コロナ禍もどき」において緊急事態だったことがあるのか? 熱から覚めないと冷静な議論にならない。
問題は、真に緊急事態なのではないのにメディア・マスコミ主導で「緊急事態のような空気」が国民の中で醸成されてしまい、政治家がそれに乗っかる構造。今回のパンデミックのようなケースにおいて、特に公共の電波を使うテレビ局に片方に軸足を置くのではなくフェアに両論併記の報道をさせるような方策を考えるべきだと思います。
下のコロナ報道に疑問を持ちテレビ局をやめた方のインタビューは参考になります。編集長は自己暗示にかかっちゃってるんでしょうね。「視聴率が上がるシナリオが真実のはずだ」と。自分に都合のいいように。そんな人が日本を動かしている構造になってしまっている。
もう一つは、医療制度改革。憲法を変えるまでしないとそれができないのか? 憲法なんか変えなくても、いざというときに医療体制をパンデミック仕様にできないのかどうか。メディアが神様のようにあがめてきた専門家が、実は医療ひっ迫の元凶だったかもしれない。
それとも、メディアは医療がひっ迫したほうが視聴率が上がって都合がよいのでしょうか?
確かに、そうですね。憲法は国民が国家権力を縛るものなので、理屈上は政治家が議論するのではなく国民の側が議論しないといけない。過去に憲法に緊急事態条項がないことが理由で出来なかったことは何なのか?欧米の憲法との比較など、具体的に検討する必要があります。漠然と
「コロナでバタバタしたよね。あったほうがいいよね」
と、雰囲気で納得させられては危うい。
自分自身の整理のため、幾つかのサイトから重要部分を抜粋引用し箇条書きで整理ます。
二宮淳悟弁護士(明日の自由を守る若手弁護士の会)
・憲法は法律などと異なり、国民に何かを命令するのではなく、国の権力者に対し、「人権を保障しなさい」と求めるものです。
・災害時に何より大事なのは、被災地を熟知している現場の判断を優先する、つまり現場に権限を与えることです。たとえば地方で災害が起きて道路が封鎖された時に、どのルートを通って物資を運べばいいか、その判断は現場の地理を知り尽くした人にしかできません。
現場にいない中央の政治家に強力な権限を与えても、被害状況を正確に把握できずまともな判断ができません。
・緊急事態条項は不要なだけではなく、危険なものです。12年に自民党が出した憲法改正草案によれば、いったん「緊急事態」とすれば、内閣が、法律と同じ効力を持つ政令を作れるようになります。その際、憲法による人権保障の制約は弱まり、国会での承認は事後でよいとされています。いわば国会での議論なく首相が自由に法律を作り、国民はそれに従わなくてはならなくなります。
(原の視点:現在バイデンが行っていることが法的に正当化される)
・日本の災害時の法制度は、他国に比べても非常に精緻に整備されています。重要なのはそれを最大限に生かし、平時からの備えを作ることです。「いざという時は首相に強力な権限を」というのは、何の対策にもなりません。
(原の視点:二宮弁護士は改憲慎重派のようで改憲派の人は記事の内容に同意できない部分もあるでしょうが、個人的には上記の部分はその通りだと思います)
大林啓吾教授(千葉大学教授・『コロナの憲法学』著者)
・じつは欧米では緊急事態条項が憲法にあろうがなかろうがロックダウンなどの強制的な対策を実施しています。欧米の法体系は、アメリカやイギリスなどのコモンロー系の国と、ドイツやフランスなどの大陸法系の国に大別できるのですが、コモンロー系の国はそもそも憲法の中に緊急事態条項を持っていません。持っていないにもかかわらず、たとえばアメリカでは州や地方自治体がかなり強いロックダウンを実施しました。
・一方、ドイツやフランスなどの大陸法系の国は憲法の中に緊急事態条項があるのですが、ロックダウンをやる際には基本的に個別の法律が必要で、その法律に基づいて実施するという形になっています。
・結局、どちらの法体系の国でも、法律が必要だということは変わらないわけです。日本も同じで、ロックダウンが必要だとなれば、まず法律を作る必要があります。そして、それは必ずしも憲法改正に直結しません。ただし、その法律が憲法に適合しないような内容であり、それでもなおロックダウンが必要ということになれば、憲法改正も視野に入ってきます。
(原の視点:「コロナ特措法」は合憲なのかどうか。違憲であればそこではじめて憲法を改正したほうがよいかどうかの議論となります。個人的には下のグローバル・ダイニング裁判に注目しています。コロナ特措法が合憲かというのがひとつ、さらにコロナ特措法の下ですら東京都のとった飲食店への営業規制は根拠がなく違法ではないかというのがひとつ。今後の展開に注目です)
弁護団の対談は以下。
最後に原の視点ですが、パンデミックを理由にこの議論が進むのであれば、そもそも日本が「コロナ禍もどき」において緊急事態だったことがあるのか? 熱から覚めないと冷静な議論にならない。
問題は、真に緊急事態なのではないのにメディア・マスコミ主導で「緊急事態のような空気」が国民の中で醸成されてしまい、政治家がそれに乗っかる構造。今回のパンデミックのようなケースにおいて、特に公共の電波を使うテレビ局に片方に軸足を置くのではなくフェアに両論併記の報道をさせるような方策を考えるべきだと思います。
下のコロナ報道に疑問を持ちテレビ局をやめた方のインタビューは参考になります。編集長は自己暗示にかかっちゃってるんでしょうね。「視聴率が上がるシナリオが真実のはずだ」と。自分に都合のいいように。そんな人が日本を動かしている構造になってしまっている。
もう一つは、医療制度改革。憲法を変えるまでしないとそれができないのか? 憲法なんか変えなくても、いざというときに医療体制をパンデミック仕様にできないのかどうか。メディアが神様のようにあがめてきた専門家が、実は医療ひっ迫の元凶だったかもしれない。
それとも、メディアは医療がひっ迫したほうが視聴率が上がって都合がよいのでしょうか?