YouTube配信停止ペナルティの機会に、新しい試行錯誤やインプットをしています。情報提供が少なくなっており、すみません。

インプットについては、ヨーロッパのワクチン義務抵抗運動の状況に注目しています。SNSでは連日、プロテストのスゴイ人波の映像が拡散されています。
「自由を主張する人たちがこんなに居るんだぞっ!メディアはなぜ報道しないんだ?!」
と、心強くもあり腹立たしくもあり。

ですが、個人的な経験から、ちと一旦落ち着いて状況を確認したいと思っています。海外勤務時代に、内戦や民族運動の激化といった場面を幾度も体験したのですが、日本でテレビに映し出されている過激な映像はいかにも大変なことが起きている風だが現地ではそーでもないことがよくありました。

確かに数千とか数万という人々がある街に集まればスゴイ絵になりますが、果たしてそれは国民から広く支持を受けているものなのかどうか。受けているとすれば、その声を代表してくれる有力な政党があるのかどうか。次の選挙で政権を脅かすほどの圧になっているのか。

とりあえず、議院内閣制の総本山イギリス。なんだか高校生に戻って社会の勉強みたいですが、二院制でほぼ二大政党制。
上院:定数785名。うち現在、保守党244、労働党176、自由民主党91など。
下院:定数650名。うち現在、保守党365、労働党202、スコットランド国民党47、自由民主党11など。

下の記事によれば地方によってもちがい、スコットランドとウェールズでは早くからワクパスは導入された。ということはスコットランド国民党は全土でのワクパスにも賛成でしょうね。逆に、自由民主党はナイトクラブなどの声を代表していて、導入反対の立場。



下の記事によれば、先週14日に下院で可決された大型イベントへのワクパス導入について「与党・保守党から99人が反対票を投じ、ボリス・ジョンソン政権下では最大の造反となった。ただし、最大野党・労働党から支持を得たため、政府案は可決された」とあります。99人の造反ということは、保守党で賛成したのは266人。650人の過半数325人に足りませんが、労働党とスコットランド国民党の協力を得て成立した。



しかし、かなり大きなイベントやナイトクラブが対象のようで、普通に小ぢんまりと暮らしている分にはまだ、ワクパスは必須ではなさそうです。与党保守党も大きく割れる位ですから、あまりムチャはできないでしょう。イギリスはドイツほど過激な方向にはいかなさそうかなという印象です。

注目は、労働党サー・キア・スターマー党首の「すでに損なわれている首相の権威に、さらに大きな打撃が加わった」というコメントと、造反したサー・ジョフリー・クリフトン=ブラウン議員の「来年にもジョンソン首相に対する不信任案が提出される可能性が出てきたことを意味する」というコメント。
つまり、今回ワクパス導入決議で反目した「保守党造反組+自由民主党」と「労働党・スコットランド国民党」が次は「内閣不信任案」で手を組むということですかね? あるいは「組んじゃうよ」とプレッシャーをかけると。

こう見て来ると、イギリスにおけるプロテスト運動は、与党保守党から理解ある議員を引き剝がし味方につける上で、かなり有効に機能するように見えます。ガンバレ!

余談ですが、イギリス自由民主党は「リベラル」を掲げていますが、ワクパス導入反対。「おや?」と一瞬思ってしまった自分が可笑しい。そうですよね、本来はリベラルこそ人権にうるさくなければいけない。またとないアピールのチャンスかもしれません。

英国ワクパス