映画「めぐみへの誓い」が公開されており、池袋で今週の木曜日まで上映されているようですので明日、観に行ってみたいと予定しています。その前に、これを書いておきたいと思いました。
「めぐみへの誓い」は「日本人が描いた初めての映画」で話題になっています。実は2006年に「日本人が描いたのではない」映画が話題となり、私はそれを観に行きました。
シンプルに「めぐみ」というタイトルの映画です。邦題では「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」と付け足されています。監督はアメリカ人ジャーナリストのクリス・シェリダンさんとカナダ人キャスターのパティ・キム夫妻でした。改めてパンフレットを読み返しています。書き始めると書き尽くせなくなる出来事の数々。貴重な資料です。

不謹慎で大変申し訳ございません。私が観に行った理由ですが、当時「拉致問題」とはまったく別の、映像業界の流れがありました。
私がそれを観に行った理由は主にそれが「VX-2000」というSONYのハンディカムで撮られた映画だったこと。カメラ雑誌で大きく取り扱われていました。
2000年代はDV(デジタルビデオ)の全盛期で「8ミリ・16ミリフィルムから進化しつつフィルムのよさを残しながら撮影・編集がしやすい」カメラを各メーカーが工夫していました。クリエーターと、映像の愛好家と、メーカーが、三位一体で良い製品や作品を作り出すことが出来た、最後の時代だったと思います。「32ミリフィルムに劣らないクオリティの映画だってアマチュアが撮れる」一般ユーザー向けのカメラに、各メーカーがチャレンジしていた。
その最高峰の1つが、SONY VX2000でした。当時、なけなしの金をはたいて購入しました。

「めぐみ」は、このVX2000を使用して撮影された映画でした。これ1台でずっと、横田夫妻にカメラを向け続けた。

私がVX2000を取得した目的は、実は音楽を切り口にしたメディアつくりでした。大手メディアが取り上げたアーティストだけが売れるが、実は巷に名もなき優れたアーティストたちがたくさん居る。インターネットの発達で彼らが報われる時代が来るのではないか。このカメラを手に、夜な夜な首都圏のライブハウスを巡り若いバンドやアーティストたちの映像を収めては動画配信サイトで紹介していました。
そして、YouTubeの時代がやって来た。私はお払い箱となったのでした。
というのは愚痴ですので余談ですが、「めぐみ」は脚色なく淡々としているだけに真に迫って来るドキュメンタリーでした。VX2000は、昭和の時代を想わせるノスタルジックな絵をスクリーンに映し出してくれました。「こんな実力があるカメラなんだ」と心強く思いました。
最も心に残っているのは、フォークシンガーの感性に深く刺さった場面。めぐみさんが学校の合唱コンクールで「流浪の民」の独唱の部分を歌ったのがカセットテープに収められていて、それが大切に回されました。上手です。とても上手。高く伸びのある切ない声。その後の運命を知って聴く者としては、凍り付くような感情を覚えました。

「めぐみへの誓い」は「日本人が描いた初めての映画」で話題になっています。実は2006年に「日本人が描いたのではない」映画が話題となり、私はそれを観に行きました。
シンプルに「めぐみ」というタイトルの映画です。邦題では「めぐみ 引き裂かれた家族の30年」と付け足されています。監督はアメリカ人ジャーナリストのクリス・シェリダンさんとカナダ人キャスターのパティ・キム夫妻でした。改めてパンフレットを読み返しています。書き始めると書き尽くせなくなる出来事の数々。貴重な資料です。

不謹慎で大変申し訳ございません。私が観に行った理由ですが、当時「拉致問題」とはまったく別の、映像業界の流れがありました。
私がそれを観に行った理由は主にそれが「VX-2000」というSONYのハンディカムで撮られた映画だったこと。カメラ雑誌で大きく取り扱われていました。
2000年代はDV(デジタルビデオ)の全盛期で「8ミリ・16ミリフィルムから進化しつつフィルムのよさを残しながら撮影・編集がしやすい」カメラを各メーカーが工夫していました。クリエーターと、映像の愛好家と、メーカーが、三位一体で良い製品や作品を作り出すことが出来た、最後の時代だったと思います。「32ミリフィルムに劣らないクオリティの映画だってアマチュアが撮れる」一般ユーザー向けのカメラに、各メーカーがチャレンジしていた。
その最高峰の1つが、SONY VX2000でした。当時、なけなしの金をはたいて購入しました。

「めぐみ」は、このVX2000を使用して撮影された映画でした。これ1台でずっと、横田夫妻にカメラを向け続けた。

私がVX2000を取得した目的は、実は音楽を切り口にしたメディアつくりでした。大手メディアが取り上げたアーティストだけが売れるが、実は巷に名もなき優れたアーティストたちがたくさん居る。インターネットの発達で彼らが報われる時代が来るのではないか。このカメラを手に、夜な夜な首都圏のライブハウスを巡り若いバンドやアーティストたちの映像を収めては動画配信サイトで紹介していました。
そして、YouTubeの時代がやって来た。私はお払い箱となったのでした。
というのは愚痴ですので余談ですが、「めぐみ」は脚色なく淡々としているだけに真に迫って来るドキュメンタリーでした。VX2000は、昭和の時代を想わせるノスタルジックな絵をスクリーンに映し出してくれました。「こんな実力があるカメラなんだ」と心強く思いました。
最も心に残っているのは、フォークシンガーの感性に深く刺さった場面。めぐみさんが学校の合唱コンクールで「流浪の民」の独唱の部分を歌ったのがカセットテープに収められていて、それが大切に回されました。上手です。とても上手。高く伸びのある切ない声。その後の運命を知って聴く者としては、凍り付くような感情を覚えました。
