今年4月、WTOは福島第一原発事故を理由に日本の水産物を輸入規制をしている韓国の措置を違反とする小委員会の決定を覆し、日本は敗訴となりました。
 
WTOは根拠なく特定の国の産品を規制することを禁じており、日本の主張は「科学的に安全が証明されており、韓国の輸入規制は不当」というもの。しかし、認められませんでした。
 
敗訴の理由ですが、数値的に放射能に関する基準を満たしていたとしても「自国に流通する食品のリスクを減らしたい」とする韓国の主張を十分に議論していないとされました。個人的な印象ですが、議論すると言っても韓国がそう言えば平行線にならざるを得ない気がする。
 
つまり実質、WTO判断なら「放射能に関しては安全基準に関わらず国の主権が尊重される」ことになります。「そんなバカな。韓国で流通している食品のほうが放射能数値が高いものがあるではないか」という議論もされているようですが、原発事故が理由だとそれが通らないってことですね。
 
これを国内でやる話になります。放射能の話ではない。人権問題。
 
世界では23か国が原発事故を理由に日本の食品の輸入停止もしくは規制をしていることからも、まして日本国内に住む我々は食材の産地を選ぶ権利は当然有しているでしょう。
「基準値以下でも検出されてなくても、原発事故があった近くの食品は避けたい」
という人が居れば、基準や数値に関わらずそれが尊重されるべき。年月をかけ千葉産で合意形成がされてきた給食のお米を「事前に市民に十分周知し合意形成をすることなく」勝手に変えてよいはずがありません。
 
さて、引き受けてくださる方が「こんなタイヘンなこととは思わなかった」と後で悔やまれると気の毒ですので色々と書いてきました。安全性の議論にしないほうがいいと、私は考えます。
これでいったん区切りにしたいと思います。