強いですねー、小学生とは思えないというのが正直な感想でした。昨日NHKで放送された、第44回さなる杯小学生将棋名人戦の準決勝・決勝。
特に印象に残った準決勝の祝井優希くん(東京)と炭埼俊毅くん(兵庫)の千日手指し直し対局から、2つの場面を。
下図は先手祝井くんの手番。△7九角と打たれた局面で、6八の金を受けないとイケナイですが▲7八金とかやっちゃうと3五の竜を抜かれてしまうので(それすら普通にやっちゃいそうですが)金の下に前に動ける駒を打つまでは、まぁ思いつくとして。でも普通、歩に手が伸びますよね。安い駒で済ませたい。
ところが▲6九歩だと△9九金と香を取られ次に△9七角成が生じてしまう。という訳で▲6九飛と祝井くんは飛車を打つのですがこれが最善手ですね。9九の香車をとらせない。しかも2九の馬とりにもなっていて、落ち着いて考えると馬をとれば金がとられるのですぐに馬を逃げなくてもいいっちゃいいんですが、秒読みで指されたら普通の人はパニック。いやぁ強い。30秒でそこまで読めるとは。
次は後手の炭埼くんの妙手。下図で手番は後手。持ち駒が乏しくて攻めが切れそうですよね。何かヒネリ出さないといけない訳ですが、どうします?
炭埼くんの着手は△5六歩。解説の都成五段も挙げた手で「いい勝負術」と誉めてていました。竜でとると△6五銀が竜にあたるので手番を渡さずにすむし、銀でとると玉が薄くなる。
こういう手って、どう教われば身につくという手じゃないんですよね。「普通の手じゃダメだから、何か怪しい手をヒネリ出せ」って言われたってどないせいっちゅう話。駒の動き上の最善手というよりは、心理的に相手を困らせるような手。たくさん指して感覚的に吸収していくしかないですが、でもたくさん指せばかならず吸収できるかといえば、そうではない。才能のあり・なしが分かれるところ。
4人の子たちの普段の生活や将棋へのとりくみの様子も取材で紹介されていました。印象にのこったのは、学童の棚に置かれていた入門者向けのスタディ将棋。使いこまれ、矢印つき駒は手垢で黒ずむほど。「これがきっかけだった」というシーンは、将棋を取り入れてくださっている全国の学校や学童の先生方にも見せたいと思いました。
特に印象に残った準決勝の祝井優希くん(東京)と炭埼俊毅くん(兵庫)の千日手指し直し対局から、2つの場面を。
下図は先手祝井くんの手番。△7九角と打たれた局面で、6八の金を受けないとイケナイですが▲7八金とかやっちゃうと3五の竜を抜かれてしまうので(それすら普通にやっちゃいそうですが)金の下に前に動ける駒を打つまでは、まぁ思いつくとして。でも普通、歩に手が伸びますよね。安い駒で済ませたい。
ところが▲6九歩だと△9九金と香を取られ次に△9七角成が生じてしまう。という訳で▲6九飛と祝井くんは飛車を打つのですがこれが最善手ですね。9九の香車をとらせない。しかも2九の馬とりにもなっていて、落ち着いて考えると馬をとれば金がとられるのですぐに馬を逃げなくてもいいっちゃいいんですが、秒読みで指されたら普通の人はパニック。いやぁ強い。30秒でそこまで読めるとは。
次は後手の炭埼くんの妙手。下図で手番は後手。持ち駒が乏しくて攻めが切れそうですよね。何かヒネリ出さないといけない訳ですが、どうします?
炭埼くんの着手は△5六歩。解説の都成五段も挙げた手で「いい勝負術」と誉めてていました。竜でとると△6五銀が竜にあたるので手番を渡さずにすむし、銀でとると玉が薄くなる。
こういう手って、どう教われば身につくという手じゃないんですよね。「普通の手じゃダメだから、何か怪しい手をヒネリ出せ」って言われたってどないせいっちゅう話。駒の動き上の最善手というよりは、心理的に相手を困らせるような手。たくさん指して感覚的に吸収していくしかないですが、でもたくさん指せばかならず吸収できるかといえば、そうではない。才能のあり・なしが分かれるところ。
4人の子たちの普段の生活や将棋へのとりくみの様子も取材で紹介されていました。印象にのこったのは、学童の棚に置かれていた入門者向けのスタディ将棋。使いこまれ、矢印つき駒は手垢で黒ずむほど。「これがきっかけだった」というシーンは、将棋を取り入れてくださっている全国の学校や学童の先生方にも見せたいと思いました。