地元にスター軍団があると人々が活力をもらい、応援する心で地域がまとまる。プロスポーツチームでというのもありますが、秋田の能代工業高校バスケ部のようなパターンもありますよね。町をあげて応援している。学校の部活でそうなっているところもある。

千葉でも各市町村で色々あると思いますが、音楽ではやはり習志野高校の吹奏楽部がパッと頭に浮かびます。地元の人々は近くで彼らが演奏するイベントがあると聞けば、行きたいと思うでしょう。マーチングバンドを生で見たことがあるのですが、もー訳がワカランくらいスゴイ。感動します。

行徳の東側でも、妙典中吹奏楽部の活躍でそれっぽくなった時期があります。

幸小学校の吹奏楽部を指導していた外部講師の先生が、幸小学校にとてもいい音楽の先生が着任したため妙典中の外部講師に回り、幸小〜妙典中のラインがうまく機能したこともあり妙典中吹奏楽部がコンクールで好成績を上げ続けた時期がありました。改めて確認したところ、平成18/19/22/23年と千葉県代表になっています。
コンクールで勝つための演奏とエンターテインメントとしての音楽が違うのが悩ましいと言われますが、妙中吹部はコンクールでも勝ち地域に住む我々もホントに楽しませてくれました。普通の中学部活の域をはるかに超えていた。幸小のイベントにゲスト出演したのを見たことがあるのですが、体育館の前から後ろから色んな楽器隊が楽しそうにスウィングしながら登場する演出で、会場を一気に明るく包み込みました。圧巻、見事でした。

この素晴らしい楽団をもっと地域に浸透させたいということで、イオン妙典店(当時は妙典サティ)での演奏会の手配や(台風で中止になってしまったのですが)動画での紹介(当時はまだ誰でも手軽に動画アップできる時代ではなかった)などお手伝いさせていただきました。CDもリリースされ、話題になりましたね。

さて、地域音楽史として綴るにはもうひと時代の時間の経過が必要かもしれませんが、これからの取り組みのためにも敢えて。校長の方針で「外部講師を廃し、部活は教員だけで運営する」となった訳です。
当時は私も、吹部ではないですが妙典中の保護者でしたから肌感覚として残っています。大騒ぎでした。吹部だけでなく、運動部でも外部講師による指導で好成績を上げていた部もありましたし。公立校はどうしても先生たちの移動がありますので、強豪として伝統を築くには長期的に指導してくださる外部講師の存在が不可欠。

今なら、それこそ市議会議員に陳情して動いてもらうくらい考えるかもしれない。吹部は100人規模の部員数が何代も続いている訳ですから、単純に部員と家族だけでも1000人単位では居る。それら人々の活力の源になっているとすれば、もはや立派な文化だ。
う〜ん、しかし市立中学では難しいかもしれません。確かに伝統が築かれ文化になりつつあったのですが、義務教育の中学生に地域を背負わせるのを制度化まではできない気がする。市立の「高校」なら習志野高校や市立船橋のように、市が戦略的に音楽やスポーツを強化することは考えられる。その高校を中心に、市内の中学も高いレベルにあるという形はあり得ますが。

そして、そうでなくともいずれは困難が訪れたことでしょう。当ブログでも度々話題にしてきました公立中学の部活が先生たちに重くのしかかっている問題。部活の時間が削られる方向性にある自治体が増えてきており、市川市もそのひとつのようです。それは方向性としては正しいと言わざるを得ない。中学部活で常勝軍団として長期安定を築き上げるのは、市川では難しい時代になっています。

しかし、コンクールの県代表になる程でないと地域の人々は応援してくれないのか?という点は、考えてみたい。地域の人々に楽しんでもらおうという演奏が伝わってくるようなものならば、応援してくれるはず。
これも部活動の時間短縮との絡みで難しいことではあります。コンクールの演奏を仕上げるのと、イベント向けの演目をつくるのと、両方は相当キツイでしょう。

そんな中、市川南高校の吹奏楽部はステキだなと注目しています。イオンのご担当の方によれば南高吹奏楽部と縁があり、年に2度2階サークルデッキ(連絡通路)で演奏会をしていただいているとのこと。YouTubeに動画があがっていますので紹介します。楽しいですよね。これは応援したい気持ちになります。南高サイトの吹奏楽部のページから引用しますと「『地域に根ざした部活』『地域の方々に喜んでいただける演奏』を目指して、日々活動しています」とのことで、エンターテインメントに比重を置く方針なのでしょう。
妙典橋が開通し南高と近くなったことですし、行徳・妙典の人々が楽しみにして見に行くようになればよいなと思います。