市川市政問題。長い記事が続いてすいません、赤レンガ、行徳野鳥観察舎ときましたのでこれを書いておかねば。
村越市長が結構お金がかかりそうな政策を強気に打ち出している背景ですが「財政調整基金」という、余ったお金があった年に積み立てる市の貯金のようなものがあり、市川市は現在170億円ちょっとあります。これを市民のためになる案件に「ご相談の上ですが、使っていきたい」としています。
「公民館の使用料を値上げするなどして、果たして市民の暮らしは豊かになったのか?余ってるお金があるなら市民のために使うか、あるいは減税して市民に還元すべき」が、村越市長の選挙中の主張でした。それは、部分的にはその通りです。
いっぽう法的に財政調整基金は、そう自由に使えるようにはなっていないんです。
まずは、地方自治法。読むのが面倒な人は、青い部分だけ見てください。
『第241条 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。
2 基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用しなければならない。
3 第一項の規定により特定の目的のために財産を取得し、又は資金を積み立てるための基金を設けた場合においては、当該目的のためでなければこれを処分することができない。』
そして、市川市では「市川市財政調整基金の設置、管理及び処分に関する条例」で次のように定めています。読むのが面倒な方のため、要は「経済ショック」「自然災害」のときおよび「運用・借金返済」です。それ以外に使ってはダメ。
『7条 基金は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、一般会計歳入歳出予算に計上してその全部又は一部を処分することができる。
(1) 経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合において当該不足額を埋めるための財源に充てるとき。
(2) 災害により生じた経費又は災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき。
(3) 緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。
(4) 長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得のための経費の財源に充てるとき。
(5) 償還期限を繰り上げて行う市債の償還の財源に充てるとき。』
ゼッタイ駄目なの?
前例があるか調べてみたところ、ひとつ、当てはまりそうな事例がありました。横浜市長選に立候補された伊藤ひろたかさんのブログ。8年ほど前ですね。横浜市が開港150周年記念事業を行うのに財調をとり崩し多額の資金を投入したのを厳しく糾弾されています。
伊藤さんが正しいかは、もう少し調べて勉強してみないと評価は難しい。「長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得のための経費」と言えるかどうか。港は横浜のシンボルで重要産業かつ観光資源でもありますから、事業の内容によっては目的にかなっているとこじつけることが可能なのかもしれません。そうでないならば、伊藤さんの言う通り地方自治法や条例に反して使ったのかもしれない。
さて、市川市のみなさん。
横浜市長の論法では「制度上ここにしか積み立てられないからそうしてきたが、本来こうした市の事業に使われるべきお金であった。だから問題ない」と。横浜市長はこの頃から既に現在の林文子さんですね。
もし村越市長が同じように「本来市民のために使われるべきであったお金が、財調に溜まってきた。つまり大久保前市長が本来の目的のために使わなかったことこそが問題なのであり、これを市民の要望が多い案件を実施するために取り崩すことは問題ない」という立場をとったら。どう判断しますか?オッケーでしょうか?
赤レンガや野鳥観察舎を何とかすると言ってくれているから村越市長を信じて応援した人も今一度、ルールはこうなっているというのを踏まえて、考えてみてほしい。
最後に個人的意見を述べます。
市民の暮らしや心が豊かになるために無駄なく税金を使おうという方針が正しいとしても、これからそうしようというのは解りますが、過去の分をとりもどすために今ルールを破るなんてことはできない。時の政権が勝手な事をできないように法律と条令で縛っている。安易にこれを崩す前例をつくるべきではない。
従い、赤レンガと野鳥観察舎も、財調を取り崩さない前提で保存・継続を検討すべき。どんなに工夫してもそれが出来ないのなら、廃止も止むを得ないです。
村越市長が結構お金がかかりそうな政策を強気に打ち出している背景ですが「財政調整基金」という、余ったお金があった年に積み立てる市の貯金のようなものがあり、市川市は現在170億円ちょっとあります。これを市民のためになる案件に「ご相談の上ですが、使っていきたい」としています。
「公民館の使用料を値上げするなどして、果たして市民の暮らしは豊かになったのか?余ってるお金があるなら市民のために使うか、あるいは減税して市民に還元すべき」が、村越市長の選挙中の主張でした。それは、部分的にはその通りです。
いっぽう法的に財政調整基金は、そう自由に使えるようにはなっていないんです。
まずは、地方自治法。読むのが面倒な人は、青い部分だけ見てください。
『第241条 普通地方公共団体は、条例の定めるところにより、特定の目的のために財産を維持し、資金を積み立て、又は定額の資金を運用するための基金を設けることができる。
2 基金は、これを前項の条例で定める特定の目的に応じ、及び確実かつ効率的に運用しなければならない。
3 第一項の規定により特定の目的のために財産を取得し、又は資金を積み立てるための基金を設けた場合においては、当該目的のためでなければこれを処分することができない。』
そして、市川市では「市川市財政調整基金の設置、管理及び処分に関する条例」で次のように定めています。読むのが面倒な方のため、要は「経済ショック」「自然災害」のときおよび「運用・借金返済」です。それ以外に使ってはダメ。
『7条 基金は、次の各号のいずれかに該当する場合に限り、一般会計歳入歳出予算に計上してその全部又は一部を処分することができる。
(1) 経済事情の著しい変動等により財源が著しく不足する場合において当該不足額を埋めるための財源に充てるとき。
(2) 災害により生じた経費又は災害により生じた減収を埋めるための財源に充てるとき。
(3) 緊急に実施することが必要となった大規模な土木その他の建設事業の経費その他必要やむを得ない理由により生じた経費の財源に充てるとき。
(4) 長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得のための経費の財源に充てるとき。
(5) 償還期限を繰り上げて行う市債の償還の財源に充てるとき。』
ゼッタイ駄目なの?
前例があるか調べてみたところ、ひとつ、当てはまりそうな事例がありました。横浜市長選に立候補された伊藤ひろたかさんのブログ。8年ほど前ですね。横浜市が開港150周年記念事業を行うのに財調をとり崩し多額の資金を投入したのを厳しく糾弾されています。
伊藤さんが正しいかは、もう少し調べて勉強してみないと評価は難しい。「長期にわたる財源の育成のためにする財産の取得のための経費」と言えるかどうか。港は横浜のシンボルで重要産業かつ観光資源でもありますから、事業の内容によっては目的にかなっているとこじつけることが可能なのかもしれません。そうでないならば、伊藤さんの言う通り地方自治法や条例に反して使ったのかもしれない。
さて、市川市のみなさん。
横浜市長の論法では「制度上ここにしか積み立てられないからそうしてきたが、本来こうした市の事業に使われるべきお金であった。だから問題ない」と。横浜市長はこの頃から既に現在の林文子さんですね。
もし村越市長が同じように「本来市民のために使われるべきであったお金が、財調に溜まってきた。つまり大久保前市長が本来の目的のために使わなかったことこそが問題なのであり、これを市民の要望が多い案件を実施するために取り崩すことは問題ない」という立場をとったら。どう判断しますか?オッケーでしょうか?
赤レンガや野鳥観察舎を何とかすると言ってくれているから村越市長を信じて応援した人も今一度、ルールはこうなっているというのを踏まえて、考えてみてほしい。
最後に個人的意見を述べます。
市民の暮らしや心が豊かになるために無駄なく税金を使おうという方針が正しいとしても、これからそうしようというのは解りますが、過去の分をとりもどすために今ルールを破るなんてことはできない。時の政権が勝手な事をできないように法律と条令で縛っている。安易にこれを崩す前例をつくるべきではない。
従い、赤レンガと野鳥観察舎も、財調を取り崩さない前提で保存・継続を検討すべき。どんなに工夫してもそれが出来ないのなら、廃止も止むを得ないです。