将棋の大山康晴十五世名人の名言で、「一回目のチャンスは見送れ」というものがあります。「最初のチャンスは見逃せ」などとも言われますが、序盤から中盤の入り口あたりによくある場面。
互いに陣形の整備を進めている途中、相手に「おや?」というスキが出来ているように見える。突っ込めば攻めきれるように見えるが、こちらもまだ陣形が整っていないので、ちょっと失敗すると一気に逆転を食らうかもしれない。そのような場面では仕掛けるなということ。

大山十五世名人は、69歳でA級在位のまま亡くなられた方。日本将棋連盟の会長でもありましたので、例えるならば、会社の社長さんをしながら羽生さんや渡辺さんと同じランクで70歳近くまで戦い続けた。将棋界のレジェンドです。

最初のチャンスに突っ込んで、勝つ場合もあります。しかし長期にわたり高い勝率を維持するためには、じっくり構えたほうがよいということですね。

衆院選での小池百合子都知事の判断が思い出されます。

大山康晴十五世名人


民進党を丸々受け入れたらよかったのかといえば、私はそうは思わないんですけどね。むしろ懸念していたのは、都民ファーストの会との連携組織がぜんぶ民進党地方組織になってゆく展開。それでは今と同じ。各地方が、小池さんに頼らず自分たちでやらなければならない。そして、横に手をつなぐ。理想論かもしれませんが。民進党・連合と組み、自前の候補も突っ込んで楔を打ち込みながらやってゆくのが現実的だったのだと言われたら、敢えて反論はしません。

個人的には、助かったと思っています。これでは何も変わらないと憂鬱な気分で年末を迎えるよりは、よかった。

そして、同じく大山十五世名人の名言・・・「終盤は二度ある」。
勝ちだと思っても、急ぐと足をすくわれる。負けていても、決め手を与えず粘っているうちに形勢がわからなくなりチャンスが来る。
まさに市川市長選。まだまだ、ここから。