私がスルーするわけにはいきませんね(笑)。明日(17日)の新聞の論説を読む前に書きます。日露首脳会談の評価。

外交的成果として評価されれば衆院解散へのひとつの材料になることもあり、日本中が固唾をのんで見守りました。果たしてその結果は?

まず、外務省、現地大使館、そして関係企業のみなさま、お疲れさまでした。プレッシャーのかかる大変なイベントだったことと思います。大健闘を心から称えたいです。

択捉島


さて領土問題についてですが、実質的な進展は、ないですね。
ビザなし渡航の拡充で、島に泊まったりお墓まで行けたりできるようになるかもしれないというのが、元島民の方々にとり少し明るい材料かもしれない。と、いったところ。またビザの発給要件も緩和されるようです。

「共同経済活動」のための「特別な制度」を協議することとなり、これが「平和条約締結に向けた重要な一歩」であることを両首脳が確認した・・・というのを、安倍首相が各局のニュース番組で強調していました。

一方、自民党の二階幹事長は「国民の皆さんの大半はがっかりしている」と厳しい評価。
ただし、これはロシア側に対する「満足してないぞ」というメッセージと、あまり浮かれると国民が怒るから引き締めてバランスをとったのだと思います。

個人的には、プーチン大統領が、
「ロシアは経済協力にしか興味がなく平和条約締結は後回しなのだと思っている人が居るとすれば、それは間違いだ。あくまで平和条約締結が第一」
と言っていて、ここに注目しました。ロシア首脳の公式発言としては、かなり踏み込んでいるのではないか。踏み込んだ発言を引き出せたのではないか。

そして、みなさんここですよーっ!ここにご注目ください。

数多くの経済文書が調印され、プーチン大統領は「これら文書に基づき投資環境を整えるよう関係各機関に指示した」と発言。
つまり日本は「投資」というカードを握りました。「投資が欲しければ日本の言うことも聞いてくださいね」というかけ引きを、今後してゆくことになります。そのスタートラインには、立った。「そんなの前からやってるじゃん」と言われるかもしれませんが、以前のロシアの投資環境はひどいものでしたから。より国際標準にして、スムーズに投資が伸びるような要求をしているはずです。

感覚的には、北方四島、あるいは二島における共同経済活動くらいまでは現実味を帯びてきた雰囲気は出せていると思います。

私は日本側スタッフの皆さんの苦労を思ってしまうのでちょっと甘いかもしれませんが、有意義な会談であったと前向きに評価します。
自民党や安倍総理が嫌いな人は私がこう書くと面白くないかもしれませんが、外交って、チームでやるんですよ。日本代表チーム、よくやったと思います。