(本記事をアップした後で新たな情報があり陳腐化した部分もありますが、そのまま残します。末尾に青文字で新情報追記しています(9月2日))
(9月3日千葉日報の情報をもとにさらに赤文字部分を追記しました)

千葉ではこの件も市民の怒り心頭。
「印西花火大会」当日会場で突然の中止事件。

印西花火大会市制20周年を記念し15年ぶりに復活を予定していた印西市主催の花火大会。8800発の花火が盛大に打ちあがるということで、当日は多くの市民が楽しみにして(数万人来場見込みであった)会場へ足を運び待っていました。

しかし、予定時刻の7時半になっても花火は開始されず、8時10分に突然中止のアナウンスがあった。その後の市の説明では、業者の準備の遅れおよび天候悪化の懸念と交通規制(10時まで)などから苦渋の決断をしたというもの。

一方、同日同時間帯に隣の八千代市では予定通り花火大会が開催されており、少し離れた夜空に遠く輝く花火を見るにつけ、来場者たちの不満はいっそう高まった。

事業予算は4000万円。うち、花火の業者さんとの契約は1500万円(その他は広告費諸々)。印西市の発表は、「花火打ち揚げ業者の作業の遅延」を原因としている文章に読めます。報道発表によれば、業者に顛末書の提出を求めさらに詳細が判明したら明らかにするとしています。


検証してみましょう。時系列的には、次の通り:

前日朝〜: 設置作業始まる。ぬかるみでトラックが入れず、業者は50〜100mを歩いて最大25kgもある花火を運ぶ。

前日夜22時: 1000個設置予定であったが、3割程度しか設置できなかった。

当日朝5時: 業者はスタッフ増員して作業開始。

当日18時過ぎ : 業者から「点火装置に異常が見つかった」と報告があった。(原因は不明だが、運搬時にトラックがぬかるみにはまったときに何かあったか、あるいは風でシートが飛ばされ雨の影響を受けたか。そのようなことが考えられる。)
(点火装置は誤報。異常はなかった。業者が定刻開催は無理と市に訴える。市は定刻を譲らず。)

18時半 : 業者から「1時間開始時刻を遅らせてほしい(20時半開始とさせてほしい)」との依頼。(9月1日付毎日新聞地方版)

19時半 : 花火大会開始時刻。点火装置はいまだ復旧せず。
(上記の通り点火装置の異常は誤報。打ち上げへ向け作業を進めていた。)

19時50分: 設置完了。配線などの最終点検にかかる。

〜20時10分 : 予定では20時半に花火が終了し22時までには来場者がはけることを見込み、22時まで交通規制の体制をとっていた。しかしこの時間にもはや間に合わなくなる。また、東京地方では強風大雨警報も出ているなど、天候も不安であったことから、20時10分に中止の決断をした。
(20時15分から打ち上げ可能であった。中止が決定されるにあたり、市から業者への相談はなかった)


難しいですね・・・

コンディションの悪さが点火装置にアクシデントを与えたのが主因とされていますが、復旧が遅れたとしても花火打ち上げが実行されていれば、来場者も納得したことでしょう。

6時過ぎには業者から報告があり、6時半には「開始時刻を8時半に」と依頼されている。この時点で市が「その時刻に始めるのなら、もう中止だ」と決断する選択肢もあったはず。決断しなかったということは、天候さえもてば、最悪その時刻開始でもやろうとしたのではないか。

交通規制について、印西警察署に電話して聞いてみたところ、現場の判断で延長することはできるとのこと。つまり、やろうと思えばやれた。「市のほう(判断)はわかりませ〜ん」という担当者の声には、「交通規制解除時刻を理由にするなよ。我々は必要なら延長してやるよ」という雰囲気も感じました。

つまり、点火装置の不良に加え天候悪化リスクも主因のひとつであったのでしょう。市の職員さんがこまめに端末でチェックしていたとのことで、やれればやりたかったんだと思います。

これ、業者さんの100%責任と言い切れますかね? 業者さんからすれば、点火装置のアクシデントは確かに二の手三の手を用意しておく必要があったかもしれないが、それでも時間さえくれたら出来たという思いはあるでしょう。そして時間が許さなかったのは天候のせいで、それは不可抗力だと。

さらには、天候は結果的にはさほど崩れなかった。市の責任者が、
「自分が全責任を負う。決行しよう。警察に交通規制の延長を頼んでくれ」
と腹をくくっていれば、1時間遅れで素晴らしい花火大会が、たぶん出来たんですよ。実際は。

そしてその市の判断、「市民を安全に帰す」という判断も、決して間違ってはいない。天気がその後に崩れなかったのは結果論で、ひどい風雨になっていたら市民を危険にさらすことになっていた。

市としては責任の所在を明らかにしなければならないので、「業者の作業の遅れ」と言いつつも歯切れ悪くならざるを得ない。業者さんも可哀想で、決断さえしてくれたらやれたんだと思いながらも、市の悪口を言う訳にはゆかない。


どうでしょうね、印西市および当日見に行かれたのみなさん。4000万円の市予算・寄付と当日の労力・落胆はもちろん腹がたったことでしょう。残念なことですが、「ここで育ってよかった。暮らせてよかった」という思い出をつくろうと、がんばって花火大会を企画されたのだと思います。不幸にしてアクシデントにみまわれましたが、失敗は成功のもとということで。予算の収支と幾ら繰り越せるかだけはしっかり公開してもらい、来年の再チャレンジに期待しては。「お客さん」の立場を超えて、自分たちや子供たちのためのイベントを一緒に育てるという意識で本件は納得されてはどうかと考えます。


(9月2日11:25 追記)
ツイッター情報では業者さんのコメントがあった模様。悪天候で足場がひどく開催自体無理と電話で市担当者に訴えたが、「とにかくやってくれ」と言われ進めていた。しかし結局中止と判断された。ということのようです。もしそれが事実だとすると、開催に望みをつなぎたいという市の要望で業者さんに基本的に無理な作業をお願いしていたことになりますので、最終的に実現しなかったとしても業者さんの責任を問うことはできないでしょうね。