本日5月9日(月)はマイナビ女子オープン5番勝負第3局が六本木ヒルズのYouTubeスタジオで行われていました。この対局はYouTubeでライブ中継され、将棋のタイトル戦としては初めての試みで注目を集めました。

YouTube中継は会員制ではないので、誰でも見ることができます。海外の将棋ファンなどにはまさに待望の企画だったことでしょう。また国内でも、ニコ動は将棋のためだけにプレミアム会員になることを躊躇されるご家庭も多いことでしょうから、YouTubeは子供にとってはありがたいのではと思います。



対局のほうは先手室谷由紀女流二段の向かい飛車、後手加藤桃子女王が居飛車の対抗形となりました。
加藤女王が自陣に竜を引き付けたあたりから「どうしたらよいのかわからなくなった」と室谷女流がコメントされていますが、ソフト解析によればそこからもずっと先手が優勢〜勝勢を示しています。

色々と見所があり勉強になったのですが、ひとつだけ最後に勝敗を分けた局面を紹介させていただきます。下の局面で室谷女流は▲3三歩と竜筋を止めたのですが△同桂で桂馬が働き逆転となりました。

ラストチャンス


上の局面でコンピューターによれば▲2三香成として先手勝ちへ向かうようです。
△同玉なら▲2六香△2四歩▲同香△同玉▲5一馬△3三香▲2五銀△1三玉▲3四歩△2八銀▲2九桂が一例。
△同竜なら▲2六香△2四歩▲4一竜でこれが詰めろ。

結果としては加藤女王が勝ち、2勝1敗として防衛に王手をかけました。
白を基調としたYouTubeスタジオにお二人の着物姿が美しく映え、将棋を世界に紹介できる新しい可能性を印象付けたシンボリックなイベントだったと感じました。

マイナビ女子オープン


解説の野月浩貴七段が「チャンネル登録をお願いします」としきりに強調されていました。(日本将棋連盟チャンネル
たぶん、チャンネル登録者数が多いチャンネルはYouTubeからの評価が高くなり色々な展開がしやすくなるのだと思います。
YouTubeはアカウントがなくても閲覧できるのでわざわざ設定の必要性がないため、普通の将棋ファンはアカウント持っていない人が多いと思うのですが、将棋普及員としても将棋の可能性を広げるためご協力いただけたらありがたいです。

マイナビ女子オープン解説室


日本将棋連盟チャンネルにアップされている野月浩貴七段と西尾明六段による戦形別の「めざせ初段」シリーズ講座は子供たちにおすすめです。四間飛車や中飛車など戦形ごとに整理されていますので、自分が使う戦法の動画を見るとよいです。棋書を読むより、目で見て音で聴いてというほうが体に入りやすいですよね。