相中飛車裏定跡序盤市川市民大会の昼の時間、Aクラスに出ていた中学生が
「こんなのに出くわしました」
という訳で、お弁当を食べながら対策。

へぇ〜、色んなのがあるもんだ。

負担を大きくするためこちらが後手番として解説します。
便宜上先後逆で初手から、△3四歩▲5六歩△5四歩▲5八飛△5二飛で第1図

第1図
相中飛車裏定跡1


5五の地点にこちらが数が少ないので▲7六歩と突くのは普通の感覚でしょうが、そうすると△8八角成▲同銀に△4五角と打ってくる。
「なにそれ?簡単に受かるじゃん」
と▲3八銀と上がると、そこで△5五歩。第2図。

第2図
相中飛車裏定跡2


「なんじゃそりゃっ?」
と目を丸くするも、けっこうメンドクサイ。「この歩をとられちゃ話にならん」と▲5五同歩ととると△6七角成から力戦型になるんですが、
「もーこの将棋いやっ」
てな感じで、戦意喪失。

相手の方曰く、
「相中飛車の裏定跡なんですよ」
だったそうです。Aクラスですから、有段者でもやられると面倒な作戦ということになります。

対策ですが、まず第1図に出くわしたとき。角道を開けるのではなく、▲4八玉と玉の囲いを急ぐ。△5五歩▲同歩△同角とやってきたら、▲6八銀が無難。第3図。

第3図
相中飛車裏定跡3

(追記:持駒の歩の数は先手後手ともに1枚ずつ)

▲6八銀ではなく▲3八玉でもいいんですが、その場合は△5七歩に注意! 第4図

第4図
相中飛車裏定跡4

(追記:持駒の歩の数は先手表記側に1枚)

▲同飛ととると△3七角成▲同桂(玉)△5七飛成の強襲があります。第4図では、じっと▲5九飛と引いて、後で△6八銀からこの歩をとりに行きましょう。

もうひとつ、バックアップ用の対策。
序盤うっかり普通に進めて、下図(第5図)までいってしまった場合。

第5図
相中飛車裏定跡序盤


「あっ、原先生が気をつけろって言ってたヤツだ。しまったっ!」
というとき。
これはもう、ケンカを受けて立つしかありませんが、どうケンカするか。

一例ですが、▲3六角と合わせる。こんなことをする人は△同角▲同歩にもう一度△4五角と打ってくるでしょうが、そこでまずは▲6八金。△3六角に▲3八金。

ここで、せまい角を避難する△1四角のような手なら、▲6五角△7二金▲5五歩。相手がやろうとしていたことをやり返す(第6図)。

第6図
相中飛車裏定跡6


△7二金とか、先に受けてきたら▲1六歩(第7図)。

第7図
相中飛車裏定跡7


次に▲3七金から角をとってしまおうという手ですが、この角を助けようとすると後手は相当形が乱れます。こちらは角を手持ちにしているので、実戦ではチャンスが生まれやすいはず。スキができたらすかさず打ち込む。
「角金交換でよし」と△3五歩としてくる相手は相当強いです。もぅ、そのときはそのときですね(笑)。