最近、将棋界を震撼させた出来事がありまして、GSCのみなさまにもわかりやすく。

3月21日に行われた電王戦第2局(Selene vs 永瀬拓矢六段)終盤での出来事。

下図がその局面。後手永瀬六段が▲2七歩を△同角不成とナラズでとった手(黄色)に対し、先手コンピューターSeleneが▲2二銀(赤)と指してしまい、王手放置による反則負けとなりました。

不成を認識できず


なんと、Seleneには角が成るところを「不成」と指した場合にその駒を認識できなくなる不具合があったとのこと。ほかに飛車と歩も同様とのことです。それで王手されていることを認識できない状態になり、受けずに別の手を指してしまった。

永瀬六段は事前にSeleneと練習対局をたくさんしていて、これを発見して知っていたとのこと。
「どちらでもいい局面なら、やろうと思っていた」
とインタビューで答えられていました。(△2七角は、成でも不成でも正常な思考なら▲同玉ととるところ)

ゾワッとさせられるのは、永瀬六段の勝負に対する辛さ。
上図の黄色の手、△2七角成として▲同玉と指させても勝ちであると読み切っていることが、その後のご本人の解説でわかりました。
「ほぼ、勝ちだろう」と読み切っているのであれば普通に指すところですが、「ソフトの不具合が直っていない可能性」という要素もそれに上乗せして、さらに勝ちを確実なものにするという容赦のなさ。

どうまとめたらいいのかワカラナイのでまとめません(笑)。そんな出来事がありましたということで。