第3回電王戦第2局「佐藤紳哉六段vsやねうら王」は、コンピューターソフトやねうら王の勝利となりました。
終局後のインタビューでかなりご自身を責めるようなことを言われていた佐藤六段ですが、気迫みなぎる姿に多くの将棋ファンが感動したと思います。いったん差が開き始めたら逆転はむずかしい対コンピューター将棋ですが、苦しいところから差を詰めあわやという場面も見せてくれました。拍手を送りたいです。
53手目▲6四歩に△同歩ととった手をしきりに悔やまれていました。△同銀であったと。▲6五歩の継ぎ歩を△同歩ととった後の△6四歩をうっかりしたとのこと。
しかし私程度の棋力のものでは自然に△同歩も△同銀もありそうに見えて、それがどれほど大きいミスだったのかはわからないです。
むしろ下図、やねうら王が△6四歩を▲同角ととってしまい△6三香(72手目)と打たれてしまった場面。
やねうら王はこの手には飛車を捨てて▲3一角成で決めにいく読みでいたようですが、△同銀で後手に角が入りますので△2八角が生じておりアブナイ。▲2五飛でまだ難しくはあるのですが、苦しい展開。
何より、絵的にいかにも初心者にもわかりやすい串刺しの図。「コンピューターもミスするんだなぁ」と、多くの視聴者が驚いたことでしょう。
しかし、普通の人間なら相当に動揺し冷静さを失うところでしょうが、そこがコンピューターの強いところです。上図から▲2五飛。角を渡しても冷静に局面を分析すればまだまだ互角。何の未練もなくそこからの最善手を捜してゆきます。
そこは、見習いたいものですね。ミスした後でも最善手を淡々と考えられる無の境地に至りたいものです。
木村一基八段の解説は、指し手の話しかしないのにオモシロくて引き込まれるのにはいつも驚きます。アマ有段者は手の見えの素晴らしさに感動するでしょうし、初心者もその話術を楽しんで聴くことでしょう。例えば「ナナメの駒を渡さなければよし。飛車はとられても大丈夫」という説明をするところを、「飛車が百枚あっても詰みませんね」とクルので、プッと笑わせてくれます。
同じく解説の飯島栄治七段が対局中にとってくださった視聴者アンケートは、我々普及員にとりとても参考になりありがたかったです。初心者以下の人々が半分ほども占めているんですね。電王戦あるいは将棋への関心の高さ・広さに改めて驚きました。年齢層なんかも、できたら知りたいです。
さて、残り3局。なぜだろう、相手が人間でないことへの違和感が次第に薄れてきているような気持ちがしています。むしろ、人間であれコンピューターであれ、新鮮な将棋の世界を見せてくれるのなら誰でも何でも歓迎したい気分。熱戦を楽しみにしています。
終局後のインタビューでかなりご自身を責めるようなことを言われていた佐藤六段ですが、気迫みなぎる姿に多くの将棋ファンが感動したと思います。いったん差が開き始めたら逆転はむずかしい対コンピューター将棋ですが、苦しいところから差を詰めあわやという場面も見せてくれました。拍手を送りたいです。
53手目▲6四歩に△同歩ととった手をしきりに悔やまれていました。△同銀であったと。▲6五歩の継ぎ歩を△同歩ととった後の△6四歩をうっかりしたとのこと。
しかし私程度の棋力のものでは自然に△同歩も△同銀もありそうに見えて、それがどれほど大きいミスだったのかはわからないです。
むしろ下図、やねうら王が△6四歩を▲同角ととってしまい△6三香(72手目)と打たれてしまった場面。
やねうら王はこの手には飛車を捨てて▲3一角成で決めにいく読みでいたようですが、△同銀で後手に角が入りますので△2八角が生じておりアブナイ。▲2五飛でまだ難しくはあるのですが、苦しい展開。
何より、絵的にいかにも初心者にもわかりやすい串刺しの図。「コンピューターもミスするんだなぁ」と、多くの視聴者が驚いたことでしょう。
しかし、普通の人間なら相当に動揺し冷静さを失うところでしょうが、そこがコンピューターの強いところです。上図から▲2五飛。角を渡しても冷静に局面を分析すればまだまだ互角。何の未練もなくそこからの最善手を捜してゆきます。
そこは、見習いたいものですね。ミスした後でも最善手を淡々と考えられる無の境地に至りたいものです。
木村一基八段の解説は、指し手の話しかしないのにオモシロくて引き込まれるのにはいつも驚きます。アマ有段者は手の見えの素晴らしさに感動するでしょうし、初心者もその話術を楽しんで聴くことでしょう。例えば「ナナメの駒を渡さなければよし。飛車はとられても大丈夫」という説明をするところを、「飛車が百枚あっても詰みませんね」とクルので、プッと笑わせてくれます。
同じく解説の飯島栄治七段が対局中にとってくださった視聴者アンケートは、我々普及員にとりとても参考になりありがたかったです。初心者以下の人々が半分ほども占めているんですね。電王戦あるいは将棋への関心の高さ・広さに改めて驚きました。年齢層なんかも、できたら知りたいです。
さて、残り3局。なぜだろう、相手が人間でないことへの違和感が次第に薄れてきているような気持ちがしています。むしろ、人間であれコンピューターであれ、新鮮な将棋の世界を見せてくれるのなら誰でも何でも歓迎したい気分。熱戦を楽しみにしています。