以前紹介した「行徳流中飛車」ですが、岡山県の福成で将棋教室のお手伝いをされている猫さんが熱心に実戦で試してくださっていまして、ブログにアップしてくれています。サイトは、こども将棋@福成キッズ将棋教室

とてもうれしいことです。行徳将棋クラブでも入門〜初級クラスの子が利用していまして、大会でも成果をあげてくれています。

玉を囲わず速効で無理攻めしてくる思考力の強い子は結構いるものですが、初級クラスで性格のおっとりした子はそういった子が相手だと、あっという間にボロボロになって何も出来ずに負けてしまいます。

具体的には、例えば出だし△1四歩〜△1三角としてくる。「あ、△5七角成を狙っているな」と見破ることは、とても難しいです。でも、初手▲5八飛としておけば、大丈夫。

また、△8四歩〜△8五歩〜8四飛として、4段目で飛車をあちこち動かして成り込む場所を探してくる子も多い。これも、全部受けきるのは大変。ですが、▲5八飛〜▲7八金〜▲4八玉〜▲3八玉で、先手でも後手でも飛車が回ってくる前に隙をなくすことができます。

「美濃囲いまでは一目散。飛車先の歩を切ってきたらいったん対応。△5四歩と△3五歩には▲5六歩(△3五歩に対しては△5五角〜△3六歩の筋を消しておく)」・・・考えなくても体が反応するよう、これを繰り返し練習。

経験上、この戦法を必要とする子は主に性格のやさしいゆっくりした子(特に女の子)ですので、終盤の競り合いをも制して高勝率をあげられるかというと難しい面はありますが、少なくとも「中盤まで互角に進めるための戦法」としてはとても有効だと考えています。そこまでゆけば、「ここでこうすれば優勢で勝ってたかもね」とアドバイスできますので。

もちろん、力がついてきたら徐々に本格的な駒組に移行するのがよいでしょう。


また、猫さんブログで知ったのですが、新井田先生も中飛車から一目散美濃囲いの駒組を普及用に紹介されていたのですね。とてもうれしく思いました。引き続き、利用してゆきたいと思います。