福島第一原発の報道を見ていて、なんともいえない気持ちで蘇ってくる自分の中の一時代があります。
1980年代後半の学生時代の数年間、サークル活動でディベート(討論)に明け暮れました。その当時、原子力発電の是非について、日本中の学生ディベーターたちが激論を交わしたものです。
原発否定派は、地震による原発のメルトダウンの危険性や放射性物質拡散を問題視しました。これに対し、肯定派の有力な反論として、「ECCS(非常用炉心冷却装置)が作動して、地震時には原子炉は緊急停止・冷却されるので大丈夫」というのがありました。
ある日、同じ部の同級生のメンバーが「ECCSは機能しない」という文献をどこかから見つけてきて、否定派の材料として使い始めました。内容を見ると、「電気の供給が得られない事態には、ECCSが作動しないだろう」というもの。
程なくして、肯定側より「緊急時用のディーゼル発電が備わっている」という材料が出されるようになりました。あとは、その緊急用の設備も動かない場合もあるだろうとか、だったら証明しろとかいう突っ張りあいだったように覚えています。
当時、私としては、競技のための机上の議論はさておき、立派な電力会社の人たちがやっているのだから、電気が無くて緊急のための装置が動かないなんてことは、実際にはないのだろうなと、薄々心の中では思っていました。
この数日、愕然としながらニュースを見ています。津波を被った緊急用ディーゼル発電が機能せず、ECCSが動かないため燃料棒を冷却できない。本当に起こったんだ、机上の空論じゃ、なかった。
ちなみにメディア的にはヘリとか放水車とかいうほうがインパクトがあるので扱いが大きいですが、現在のトラブル解決に一番頼りにすべき作業は、「東北電力からの送電線の引き込み」です。
ECCSに電力が供給され作動してくれさえしたら、大いに力強いはず。
1980年代後半の学生時代の数年間、サークル活動でディベート(討論)に明け暮れました。その当時、原子力発電の是非について、日本中の学生ディベーターたちが激論を交わしたものです。
原発否定派は、地震による原発のメルトダウンの危険性や放射性物質拡散を問題視しました。これに対し、肯定派の有力な反論として、「ECCS(非常用炉心冷却装置)が作動して、地震時には原子炉は緊急停止・冷却されるので大丈夫」というのがありました。
ある日、同じ部の同級生のメンバーが「ECCSは機能しない」という文献をどこかから見つけてきて、否定派の材料として使い始めました。内容を見ると、「電気の供給が得られない事態には、ECCSが作動しないだろう」というもの。
程なくして、肯定側より「緊急時用のディーゼル発電が備わっている」という材料が出されるようになりました。あとは、その緊急用の設備も動かない場合もあるだろうとか、だったら証明しろとかいう突っ張りあいだったように覚えています。
当時、私としては、競技のための机上の議論はさておき、立派な電力会社の人たちがやっているのだから、電気が無くて緊急のための装置が動かないなんてことは、実際にはないのだろうなと、薄々心の中では思っていました。
この数日、愕然としながらニュースを見ています。津波を被った緊急用ディーゼル発電が機能せず、ECCSが動かないため燃料棒を冷却できない。本当に起こったんだ、机上の空論じゃ、なかった。
ちなみにメディア的にはヘリとか放水車とかいうほうがインパクトがあるので扱いが大きいですが、現在のトラブル解決に一番頼りにすべき作業は、「東北電力からの送電線の引き込み」です。
ECCSに電力が供給され作動してくれさえしたら、大いに力強いはず。