大会の案内をする度、少し切なくなること。

将棋に熱心で力もあるのに、大会には出ない子が居ます。最初「惜しいなぁ、出ないの?」と聞いてしまったりしたのですが、困ったような曇った顔をした。ははぁ、ナルホドなと。入会時のやりとりからも多分そうであろうと。

「近くでタダでやってるところがあるというので子供の好きにさせているが、基本的には子供が将棋をやることを快く思っていない」という保護者の方は結構いらっしゃると思います。

何しろ、ウチがそうでしたから。子供の頃、家で弟と将棋を指していたら、親がやって来て無言で盤を引っつかんでバシャッ!と思いっきりひっくり返して床に叩きつけた。悲しかったのなんの。
誤解なきよう。親の悪口ではありません。単純に、一般的には将棋をそういうイメージで見ている人も多いというだけ。むしろ、自分の親がそうであってくれたからこそ、なんとかして来てくれている子たちのことが、わかる。

これは、どうにもできないこと。下手に働きかけようとして、
「将棋なんてオマエの道楽に子供がちょっと付き合うくらいは目をつぶってやるが、こっちにまで何か言ってくるんじゃないよ!」
なんてことになると、かえってヤバイ。

ありのままを、受け入れて、淡々と。ただ土曜の午前を、いい時間に。

20年か30年後、その子たちは、理解のある親になってくれることでしょう。