世界中の人々を敵に回す覚悟で発言。
AIGを支持します。

と、いってもちっぽけな個人が何をできるわけではないのですが、このちっぽけなコラムで、ささやかな擁護をいたします。

FRBのバーナンキ議長が、AIGを「保険会社のふりをしたヘッジファンドだ」というような言い方で、怒りを露にしていました。
彼の立場では、AIGを悪者にしてこう振舞うしかないと思います。

が、逆に、金を回して金を稼ぐだけのヘッジファンドではなく、一般の市民や企業に対し有意義な生損保商品を提供してきた、社会性のある優れたヘッジファンドと言えます。また、AIGあるいはその子会社は、スポーツや文化面において、またホームステイなど教育分野において、素晴らしいスポンサーでありました。社会への富の還元もきちんと行ってきました。ワンマン経営者の時代が長く続いたことや、CDSを売りすぎたことなど、確かにその体制に問題があったことは事実ですが、それを差し引いても、十分に世界にとり存在意義のある企業です。

マスコミの報道は、もう少し、冷静であってほしいと思います。

AIGに対する支援額を、融資枠から不良資産を切り離すための予算から何からなにまで、すべて一色単にして、1500億ドルだの1800億ドルだの、単純な足し算が記事になっています。まるでそれを丸々AIGが借りていて、借金が雪だるま式に膨れ上がっているかのような間違った印象を与えています。

3月5日FRB発表では、AIGへの融資額は419億7000万ドル。それも、アリコとAIAを差し出すことにより、かなりの部分、現物弁済に近づいている形です。
新たな300億ドル融資枠が設けられ、「また借りたのか」と早とちりを誘発するような報道がなされていますが、あくまで余力を持たせるための「枠」であって、実際に借ているのではありません。

5日のNY州保険局局長の公聴会での発言によれば、AIGのCDS保証残高は4400億ドル。一方、AIGの総資産はその約倍の8600億ドル。
「なら、早く売れるモン売って返せ!」と言いたくなるところですが、景気悪化により、妥当な金額で購入できる機関が現状ないというのが実情。従い、アリコやAIAを政府に差し入れ、政府は景気回復し買い手が現れたら売却する・・・これは、妥当な選択肢です。この難局を乗り切るために、官民一体となってやるべきことをやっているという、前向きの評価がなされるべき。

AIGが保有している生損保の保険会社や航空機リース会社は、単体ではいずれも優良企業。ビジネス全体を根本的に改革しなければならない、今のままでは生き残れないような企業とは、違います。

いささか挑発的で不快感をあおる見方かもしれませんが・・・米国政府は、現在苦しくなっている大手金融機関に資本注入することにより、将来莫大な利益を得るのでは?とすら思ってしまいます。
数年後・・・あんなにあった財政赤字が、ありゃりゃ?100年に一度の経済危機の後に、逆に小さくなっていた・・・なんてこともあり得る。

苦しいとき、人々は誰かのせいにしたくなります。悪役になり一身に批判を浴び、傷つきながらも・・・ガンバレ、AIG!