Hara Blog

千葉県市川市の行徳で弾き語り活動を行っている、フォークシンガー原の日記です。公認将棋指導員として、子供たちの将棋の話題なども。

コメント欄の運用について。様々な経緯から、次のようにさせていただいています: ブログ主およびコメント投稿者含め、互いの意見に対する反論や、ネガティブなニュアンスを感じさせるとブログ主が判断したものは、削除します。続く人はブロックし、解除しません。何卒ご了承ください。

2020年09月

美濃崩しの手筋

勝又先生より前回の指導対局から、次の一手問題をいただいていますので掲載します。

戦後逆表示で手番は手前表示の後手居飛車。美濃囲いをどう攻略すればよいか?
対抗型ではよく出てくる形で、居飛車党の子も振り飛車党の子もおさえておきましょう。答えはコメント欄。

9月26日美濃崩しの手筋

将棋教室 行徳駅前の場所

許可をいただきましたので掲載します。

将棋教室の行徳駅前の場所ですが、ちばぎんの対面に「パソコン」という看板が出ています。「行徳パソコン教室」内に将棋専用の小部屋を一室をお貸しいただけることになりました。空調の修理が若干遅れており、10月中旬から使用可になる予定です。

位置としてはすぐ駅前で最高です。中の様子はまた、準備ができたら公開します。
新たに始まるドラマを期待したいです。

行徳パソコン教室

東京湾の子宮 その良さはそのままです

将棋教室関係者でお読みいただいている方もいらっしゃるかもしれませんので、微妙な点について書いておきます。

プロ棋士の先生にありがたくご協力をいただき一部ご指導をあおぎ将棋教室を運用しておりますが、一門の出先が新設されるものではありません。あくまで上級から有段者クラスまで稽古ができる場を少しだけでも設置するという、それ以上のものではありません。棋力向上に資するのみ。

最近は「見る将」(見る将棋ファン)も増え、それが広告媒体としての将棋の価値を高めていますが、過去に幾度かあったブームがそうであったように「指す将」が定着しなければやがてしぼんでしまう。そして、これも将棋界の課題ではあると思うのですが「指す将」として将棋を指す場に残ってくれる人々は現状、有段者クラスあるいはそれを目指して稽古している人々の割合が大きい。

従い「行徳でもいい稽古をした」という思い出・愛着を持ってもらいたいという観点からの施策です。行徳でどこまで将棋の環境をこれから整備してゆけるかわかりませんが「ふらっと寄れる場」ができるとよいと思います。

ここ行徳は「三番瀬」と呼ばれる遠浅の海に面しています。ここで生まれ育った魚たちが、やがて大きな漁港や市場のブランドになる。同じように、ここで級位者から有段者への道を歩んだ棋士たちがどちらかの一門なり学生将棋部などの一員として活躍するのを楽しみに見てゆきたいと考えています。

三番瀬

棋童戦千葉県大会

中止となった倉敷王将戦の代わりとして「棋童戦」が行われるとのこと。千葉県予選は11月15日(日)のようです。代表戦のみとのことでレベルの高い大会になりそうですが、チャレンジしたい子はがんばってください。

9月26日(土)の風景 さらば行徳将棋クラブ

9月26日(土)は、最後の旧行徳将棋クラブ活動でした。

コロナ禍でも子供さんたちが着実に力をつけてきたことに、驚きと期待を感じました。どんな状況下でも子供は育ちますね。

勝又先生よりいただきました、今日の指導対局からのハイライト。最後を飾るにふさわしい素晴らしい詰み局面で感動しました。7手で詰みの局面です。答えはコメント欄。

9月26日7手詰め

9月26日(土)は最後の行徳将棋クラブオンライン

9月26日(土)は、10〜12時にSkypeと81道場にてオンライン教室を行います。ビデオ通話のURLはこれまでと同じです。

そして、私の主催で土曜日の午前に実施していました将棋の時間はこれで最後となります。長年にわたり、これまでご利用いただきました皆様、どうもありがとうございました。小学生の皆さんは七中ブロックコミュニティークラブの活動が再開されましたら月に一度そちらでお会いできればと思います。また、勝又先生ご指導のメンバーは引き続き行徳公民館で稽古を行いますので、今後ともどうぞよろしくお願いします。
(月に一度のコミュニティークラブ活動参加および月に一度の勝又先生招聘は引き続き個人的にボランティア活動として行います)

今後の予定:

9月26日(土) 10〜12時 オンライン教室(最終)

※勝又先生の指導を希望し受ける子以外は、無料です。

子供とインターネット

棋力向上にお金は要らない

将棋教室を行う者が言うことではありませんが、ご参考になればと思います。

現在、将棋YouTubeのジャンルが大変に充実している状況です。様々な将棋YouTuberさんたちの開拓精神とご努力により、驚くほどためになる動画コンテンツが無料で豊富にあります。トークも魅力的で飽きずに見られますので、オンライン授業を受けているのと変わらない効果があるはずです。

従いまして、タブレットをひとつ子供に渡して「将棋サイトならいくら見てもよし」としていただけるなら、のめり込む子は勝手に強くなってゆくはずです。放置で大丈夫。低学年の子は漢字がネックになるかもしれませんので、検索のお手伝い程度を手伝ってあげていただけたら。例えば自分が使っている戦法が中飛車なら「中飛車」と入れたらズラッと出てくるはずですから、色々見ながら「このサイトがためになる」「この人のトークが面白い」と、好きな番組や芸人さんを探すのと同じ感覚で好みを見つけると思います。

危惧されるのは、YouTubeを見たりアプリで将棋をやる姿が「テレビ見たりゲームしたりしているのと変わらない」こと。しかし目的を「将棋の上達」の一点に絞るなら、それでいい。例えば役者や音楽家を目指したい若者が好きな映画や演奏のDVDを繰り返し見ているのと同じですから。あるいはリスニング学習による英語の勉強と同じ。

「ひとりではやらない。しかし何か有意義な事を定期的に一定時間やる習慣をつけさせたい」
という場合はそれこそが「習い事」の目的ですから、教室を探すのもよいと思います。

現在の将棋界は「強くなる」ではなく「習い事として将棋という選択肢を世の中に認めていただき広げられるか」が課題と見ています。例えばピアノ教室なら、音大に合格させるまで対応している教室から街のお教室まで様々あります。ほとんどの親御さんは音楽家にさせるためでなく、一般教養としての習い事で考えておられることでしょう。

将棋教室の課題として「お金をかけているのに勝てるようにならないじゃないか」という不満を親御さんに持たれてしまうということがあります。楽器なら「所々間違えるけどずいぶん上手くなったなぁ」というのが聴いてわかりますが、将棋は一度でも大きな間違いがあると負けになってしまう。そして親御さんは「勝ち」か「負け」の二択でしか判断できないという難しさがあります。

話を戻しますと「ほっとくと将棋ばかりやってる」ような子供さんなら、お金をかけなくとも上達できる時代になっています。

研究と同一の詰み局面

将棋倶楽部24で対局していたところ、先日9月17日に投稿した研究(こちら)と同一の詰み局面が現れました。掲載した図面から2手進んで投了。下に再掲します。

実は先の投稿は「研究」などという言葉を使うのも恥ずかしい、強い人なら「こんなんありえねぇ」と鼻で笑うような想定です。しかしレベルが高くない者同士の対局ではこうして発生するのが現実。手前味噌で恐縮ですが、本に載っていない「弱い者同士が対戦したら実際何が起こり得るか」に長年脳髄を絞ってきたことについては、自信を持っています。子供たちの勝つ喜びに、少しは貢献できたと思います。

同一局面


【再掲図】
ここから△2五玉▲1七桂と進んでほぼ上図と同一。

問題2最終図


ツノ銀中飛車の思い出

もうひとつ、ノーマル振り飛車のエピソードを。
将棋をあまり知らない人のため簡単にご説明しますと、角道を止めてまずは自陣の整備をする振り飛車が昔ながらの戦法で通称「ノーマル振り飛車」。この常識を覆し、角道を開けっ放しもしくは角交換して序盤から乱戦歓迎で戦う振り飛車が平成の世に現れ隆盛となりました。

ゲーム勘のいい低学年の男の子ががんばってくれて、その年はその世代の千葉県の人材が薄かったこともあり、ある大会で好成績を収めてくれました。今となっては謝りたい気持ちですが「今年は低学年有段者が少ないらしい」と関係者の間で言われており、もしかするとと考え大会の少し前から平日に公民館で稽古しました。素直に期待に応えてくれて矢倉を主軸に綺麗な将棋に仕上がった。

親御さんがとても喜んでくれたのはよかったのですが、
「この子、才能があるんじゃないかしら」
と思いますよね。その後、将棋を指す色々な場へ連れて行くようになりました。それ自体は良いこと。色々経験することが悪かろうはずがない。

ところがやがて壁に当たって勝てなくなり、勝ってる子の将棋を横で見ては「あの戦法がいいんじゃないか」と中途半端にあれこれ手を出して、将棋が荒れてボロボロになってゆきました。親御さんのいら立ちも募っていった。手間暇をかけているのに強くならない。逆に本人は疲れていた。プレッシャーがのしかかり見るからに辛そうでした。

親子で話をさせていただけませんかとお願いして、行徳公民館で3者面談のようなことをやりました。もう少し楽に構えてよいのではないでしょうかということを含め、今その子の将棋の状態がどうなっているかを説明した。最終的に、もう一度一緒に立て直しをしましょうということにしました。

当時その子がイチバン興味を示していたのが中飛車。角道を開けたままの「ゴキゲン中飛車」と呼ばれる戦法を適当に指しては崩壊を繰り返していた。
「中飛車でいきたいか?」
クンクンと頷く。
「いまキミがやってるのはね、最近出てきた戦法でワナがたくさんあるんだ。たくさん勉強してワナをゼンブ覚えないといい戦いができない。でもどう? 勉強イヤだよね」
クンクンと頷く。
「同じ中飛車でも、昔の中飛車にしよう。まずはしっかり準備をして、それから戦いを始める。市川市にむかし松田茂役九段というプロ棋士がいてね。すごく強かった。その人が使っていた『ツノ銀中飛車』をやろう。大丈夫、これで勝てる」

その後復活して、行徳のエースとして仲間たちに良い刺激を与えてくれました。でも、時々表情に影がある印象だった。プレッシャーは拭い去れなかったのでしょう。中学に入ったのを機に、将棋からすっかり去ってゆきました。低学年の最初の大会で私が余計なことをしなければもっと長く将棋を楽しんでくれただろうか。あるいはあの日々がその後の彼の人生にとり何か有意義なものになるか。答えはないままです。せめて「楽しいこともあったな」とずっと後にでも思ってくれたなら少し救われる気はします。

DSC03837

9月19日(土)の風景 棒銀の思い出

9月19日(土)の行徳将棋クラブオンラインは、勝又先生の指導対局で居飛車の子が棒銀の練習をしていたので、私も引き継いで対振り飛車棒銀の稽古にしました。下図がよくある定跡のポイントで、ここから色々あり難しい(便宜上先後逆)。もうすぐ最後ということもあり、子供たちとたくさんやったなぁと感慨深いものがありました。

定跡


中でも印象深いエピソードをひとつ。10年くらい前、初期の頃に大会でもよく勝ってくれた子が四間飛車を使っていました。無類の負けず嫌いで地力の頭の良さがある。ところが勉強嫌いなこと甚だしい・・・という訳で駒組しやすいノーマル振り飛車を使っていたのですが、棒銀に悩まされた。負けて悔しがる姿を見ると何とかしてあげたいと思うのですが、勉強せずに勝ちたい訳ですからたちが悪い。悩んだ末に「よし、キミはこれでいこう」と勧めたのが下の図(便宜上先後逆)。あれこれ考えずに淡々と駒組を進める。で、いよいよ棒銀が攻めてきたギリギリのタイミングで角道を開け、角交換から飛車角交換して2枚角で乱戦に持ち込む。「▲6六角とか▲8三角がいい手になることが多い」くらいを頭の中に入れといて。その後めでたく勝率は上がりました。
将棋をよく知らない方も、上の図では左の金銀がやや上ずっているのを見ていただけると思います。金と銀を前線に繰り出し棒銀の攻めをブロックするのですが、ちょっと間違うと一気にボロボロになる。下の図は低い構えで金銀が連結しています。引き付けてカウンターを狙おうという訳です。

定形外


後日談があり、彼はほどなくして「角交換振り飛車」を自分で見つけて採用し始めた。ちょうど隆盛の頃。そうですよね「角を手持ちにするのが自分は指しやすい」というのに気付いた訳だから、それなら序盤早々に角交換しちゃえというのは理にかなっている。しかも自分から主導権を握りやすい。そういった作戦能力には長けていて、子供って面白いなと感心しました。悪く言えば深く掘り下げないままの移り気、良く言えば自分の能力を生かしチャッカリ勝てる作戦への開拓精神。素晴らしい個性。元気にしてるかな。ガンバって人生、ハッタリ通してくれ!

9月19日(土)は行徳将棋クラブオンライン

9月19日(土)は、10〜12時にSkypeと81道場にてオンライン教室を行います。ビデオ通話のURLはこれまでと同じです。

※この形式のオンライン練習会は9月に終了いたします。

今後の予定:

9月19日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月26日(土) 10〜12時 オンライン教室

※勝又先生の指導を希望し受ける子以外は、無料です。

子供とインターネット

おもしろきこともなき世を

新しい行徳将棋クラブの概要を将棋ブログに掲載しました(こちら)。「公民館教室ベース」という形を離れ、今後このようにやってゆきます。残念ながら、これまでご縁をいただいた多くのみなさまとしばしのお別れになると覚悟します。七中ブロックコミュニティークラブさんの活動が復活したら月に一度ぜひお会いしましょう。




理由や背景は既に書き尽くしましたが、シンプルにまとめると「とにかく何でも場があればありがたい」より「しっかり取り組みたい」ニーズが大きくなっていること、それを汲むには時間をバラして少ない人数に絞るしかないこと、やるには片手間ではできないこと等。
リンク先を見て算数していただけると解りますが、場所代などを引くと最大限に成功したとしても大した金額にはなりません。生活保護の計算ソフトで試算したらそのほうが多いくらい。生活保護をもらいながら将棋をボランティアでやったほうがマシってことですね。

さて、日中は長年慣れ親しんだ職場を引き払う片付けに追われています。「何をしようとしているんだろう」など思いつつ。当ブログはこれから、原の転落の人生を綴る日記になるだろう。フォークシンガー原の最後のエンターテインメント。
「おもしろき こともなき世をおもしろく」

撤収

次の一手問題 つづき

前の投稿の次の一手問題の続き。

問題1の図では▲3三角成というカラ成りカラ捨てがあります。△同玉の一手に▲4一竜と金をとり下図。▲4五桂〜▲3三銀からの詰みと5二の金とりを両方受ける手段がありません。

問題1最終図


問題2の初手はもちろん▲2二銀。△3二玉は▲3三角成の一手詰めなので△1二玉▲1一銀成△1三玉▲2五桂△2四玉▲3三角成で下図。
下図からは△2五玉なら▲1七桂、以下△1六玉なら▲3四馬。△3五玉なら▲3六香△4六玉▲4七金△4五玉▲5六金まで。
下図から△3五玉でも上と同じ手順で詰みとなります。

問題2最終図



この問題は対抗型の斜め棒銀からの変化。下図で▲2二飛と打って△3一玉と引かれると次に8八の根本の角をとられると終わりなので▲2一飛成といきますが、そこから攻めが続くかどうかという問題でした。結論としては「続く。打ってよし」ですね。

元図

次の一手問題

次の一手問題を、2問。対抗型の変化から。
正解はひとつとは限らないのですが、最も有力と思う変化を次の投稿に記します。

問題1: 普通に▲1一角成でもよさそうですが、明快な勝ち筋があります。

問題1


問題2: 初手は明らかですが、実は詰みです。読み切れるでしょうか?

問題2


9月12日(土)の風景 攻防の2枚角

私と生徒との対局より(便宜上戦後逆)。先手表示の振り飛車が生徒で後手居飛車が私。斜め棒銀戦法を定跡どおり進めて下図。「にて振り飛車よし」となっているものの、具体的にどう優勢を拡大するか。局面は私が▲5五角を嫌って△7九竜と入ったところ。素直に6三の地点でバラすと、苦労が多かったです。というのも、バラした後に▲5五角打つんですがその時点では後手も銀を持っているので△4四銀。▲9一角成に△8九飛と並べられ、受けに回る時間帯に突入となる。
下図から主導権を握るには、どういうのがいいでしょう?

9月12日1図


コンピューター解析したところ、▲4六角と打つそうです。竜とりなので逃げますが、うっかり8八とか9九に逃げると▲5五角を食らう。従い△8九竜ですが、それでも▲5五角しかも打。以下△4四桂▲6三歩成△同銀▲同銀成△同金▲9九角成。

で、そのときに△6九飛と打ちたくなるのが普通の人間てものですが、そこで△7九歩。取って飛車角交換は後手の陣形が飛車に弱いので先手よし。しかし放っておくと次に▲7八銀と飛車の両どりがかかる。なのでいったん△6五飛成と引き上げるんですが、▲6六歩とか(とると▲6七香)▲6四歩とか(とると△同馬から清算して飛車を持てる)振り飛車に楽しみが多い展開。
へぇ〜、ナルホドです。

9月12日2図

次の一手問題

先週の勝又先生と生徒さんとの指導対局より。次の一手問題。

綺麗に勝つ問題というより、一見攻めが切れそうに見えるところから紙一重つないで盛り返すにはどうするかというのがテーマの問題みたいですね。私の見解はコメント欄。

9月5日次の1手

9月12(土)は行徳将棋クラブオンライン

9月12日(土)は、10〜12時にSkypeと81道場にてオンライン教室を行います。ビデオ通話のURLはこれまでと同じです。

※この形式のオンライン練習会は9月に終了いたします。

今後の予定:

9月12日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月19日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月26日(土) 10〜12時 オンライン教室

※勝又先生の指導を希望し受ける子以外は、無料です。

子供とインターネット

棋譜利用のガイドラインについて

日本将棋連盟より先日、下リンクの「棋譜利用のガイドライン」が公表されています。現在行われている王座戦に関して。今後、各棋戦ごとに設定が行われるのかもしれません。



これ以前は昨年の下のリンクで商用目的でない私的利用の範囲ならOKととれたのですが、より窮屈になった。対局日から3か月以内は3図10手まで。しかも動画の場合は3か月以降でも申し込みが必要。



調べたところ背景には3月にこのような訴えがあったようです。しかも同じ市内、本八幡の法律事務所の弁護士さんですね。おぉ。



難しい問題ですが、個人的見解を述べます。

日本将棋連盟が設定するガイドラインなるもはたぶん、法的根拠は薄いと思います。お願いベースあるいは「これを越えたら連盟としては迷惑行為と見なしますよ」というラインを設定したということかと。

棋譜が「著作物」であるかどうかは裁判で争われたことがなく判例がない。不明とされていますが、私は著作物にはあたらないと考えます。でないと大会で「その順は〇〇先生の著作物だ」とイキナリ警察に通報され現行犯で逮捕されたとか、あり得る話になってしまう。音楽でワンフレーズでも似ていると著作権の話になる場合がある・・・のと同じになるとは思えない。

棋戦契約当事者(日本将棋連盟、スポンサー、放送・配信・掲載権を持つメディア)の利益が保護されるべきであり、それを損なう行為は認められない・・・という理屈がどうか。

スポーツ観戦におけるスマホ撮影などがどういう扱いになっているかですが、ざっと調べたところ野球やサッサーでは私的利用については禁止行為とされていないのが一般的みたい。まぁ、そんなにガッツリ機材を設置して撮影する人なんていないだろうし、いたところでクオリティはTVや専用の配信に比べ格段に劣るだろうし。将棋は棋譜を再生できてしまうのが難しいところ。それは選手のプレーそのもの。
「撮影禁止」とされているアイドルのイベント会場等ではどうか・・・「法的に罪に問われるというより出入り禁止等の主催者からの制裁になる」と、ある弁護士さんが言っている。

今これが問題になっているのは、将棋系YouTuberさんたちの存在があるようです。棋戦を語る動画で収益を得る行為がどうか。
プロスポーツを語るYouTuberが動画収入を得て問題になったという話は聞かないし、経済系も同様。誰かの商業行為・経済活動について語るのを動画コンテンツとして収益化することが他ジャンルでは当たり前に行われている。ただ将棋の場合は、放映権・撮影権を持つメディアの映像・写真と同格に近い役割を棋譜がしてしまう。そしてその棋譜は、法的に保護される根拠が曖昧。う〜ん。

疑問を感じた人が日本将棋連盟と協議して互いに納得行くラインを設定してゆくしかないというのが、個人的な結論です。

余談ですが、将棋系YouTuberさんたちの立場から見てみます。
「日本将棋連盟はじめ棋戦の契約当事者が自らの利益の保護を主張するならば、我々も同様の主張をさせてください」
という気持ちは、持つかもしれません。
「将棋実況ほか将棋をコンテンツとしYouTube視聴者を獲得する努力をしてきました。ようやく市場が育ってきたところへ、オイシイと見るや知名度のある連盟所属棋士が入ってくるのは困ります」
ということですね。議論沸騰するでしょうが、主張することはできると思います。

詰み局面 問題

前回の勝又先生による生徒さんたちとの指導対局より、詰み局面です。答えはコメント欄。

指導員としても、出来ませんがとても参考になります。左辺を綺麗にさばき合い、さぁお城の中の王様にどう迫ろうかという局面の演出が見事です。

9月5日詰将棋

9月5日(土)の風景 勝ち切るのは難しい

初段近い子になってくると正直、どうすれば勝てたかすぐに指摘してあげることが難しいこと多々。一緒に手を探しつつ、時間内に結論が出ないこともあります。

今日困ったのは下図。先手振り飛車が生徒で後手居飛車が私。

課題局面その1


コンピューター解析したところ確かに子供(先手)有利で、上の局面では有力手が2つあります。

1つ目は、▲4一飛成△同金▲5三馬の二枚替え(下図)。人間的にはこれでいいと思う。というのも、下図となれば馬が怖くて後手は△4二銀と弾く可能性が高い。そこで▲6三馬としておけば、相手にはカナ駒がなく(銀を使わせた)飛車2枚あるものの寄せづらい。先手の▲5二桂成のほうが早い。
課題局面その2


ところが「コンピューターは怖がらない」という訳で、上図で△5八とがある。こうなるといい勝負。


2つ目は、いちばん上の図で▲9一飛成。香車を手にして次に▲3五香と打つ。後手は6六の馬をそらしては、あるいは銀を使っては攻め味がなくなるという訳で数手進めると下記図になります。▲3四桂が見事に詰めろで刺さります。
課題局面その3


勝ってる将棋を最後まで勝ち切るって、むずかしいですね。

9月5日(土)は行徳将棋クラブオンライン

9月5日(土)は、10〜12時にSkypeと81道場にてオンライン教室を行います。ビデオ通話のURLはこれまでと同じです。

※この形式のオンライン練習会は9月に終了いたします。

今後の予定:

9月 5日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月12日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月19日(土) 10〜12時 オンライン教室
9月26日(土) 10〜12時 オンライン教室

※勝又先生の指導を希望し受ける子以外は、無料です。

子供とインターネット

「落穂拾い」の役人さん

もうひとつだけ、マイセンの記事を。

マイセンにはフランソワ・ミレーの「晩鐘」と「落穂拾い」のレプリカが置いてありました。生前、一度だけマイセンライブに今は亡き父が来てくれたことがありまして、
「落穂拾いに、遠くの方で馬に乗ってこっちを見とる男ん人がおるじゃろ」
と言う。よく見ると、確かに騎乗の人が小さく描かれている。
「農民たちを監視しとると。向こうに旅行に行ったときにガイドさんがそう言うとった」
落穂の一本さえも盗まぬようにと。

へぇ〜
老後の数年間、夫婦でよく海外へも旅行に行っていた。パリのオルセー美術館ですね。真偽のほどはわかりませんが、そのような説明を受けたのでしょう。

マイセンの話はひとまずここまで。

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おちぼひろいの役人さん

悩まされた「プロ棋士になりたい」

これは苦い思い出。

おとなしめだけど熱心で6年生で3級くらいまでがんばってくれた男の子がありました。最後の年にテーブルマーク杯(当時はまだJT杯こども大会)に教室のみんなと一緒に参加した。最後のプロ棋戦JT杯決勝壇上対局にすっごく感動して母親に言った言葉が
「お母さんボク、プロ棋士になりたい!」

今では将棋界のニュースも多く、活躍している棋士たちが小学校の頃にどうだったかというのは一般の人々も何となく知っています。しかし10年前はそうではなかった。その道が開けるかどうか小学生か中学生の前半で結論が出る世界があるなんて、想像できない。

プロ棋士になるにはどうしたらいいのでしょうか?・・・という質問をお母さんから受けて、説明するのに骨が折れたんですよね〜 女親は息子が可愛い。わが子が初めて目を輝かせ抱いた夢を、何とかしてあげたい。
当然「相当難しいですが可能性ゼロとはいえないのでプロの先生のところへ行ってください」と伝えましたが、中学では入りたい部活もありそれは考えていないと。お手上げですが、でも当時の一般認識としてそんなものです。こうなってましてああなってましてと私が言えばいう程お母さんは釈然としなさが募っていった。

その後も時々繰り返し思い出しては「どうすればよかったかなぁ」と自問自答しました。結論は出ずですが、そのうちに将棋ブームがやって来て情報も行き渡りその答えが必要はなくなった。

実はトラウマになりその後の一時期、センスよさそうな子が「プロ棋士になりたい」と言うとビビるようになった。親御さんにもどれくらいの年齢でどれくらいの棋力がないといけないかクドクド言うようになってしまったのですが、それもマズかったと思います。プレッシャーを与えるより将棋を楽しんでもらったほうがいい。苦い思い出として残すのはよくない。

で、上記の子はどうしたかというと
「将棋の相手をしてあげることだけはできます」
ということで、中学に入って暫く練習相手をしていました。それもマイセンだったという(笑)。マスターにお願いして。音が立たないように布版にしてやりました。
「8時までは居るから、部活終わったらおいで」
2〜3か月くらいだったか、息せき切って部活の後にやって来ていましたが、次第に自然消滅してゆきました。

晩鐘


輝ける日々

「あっ、先生。原先生じゃないですか!」
イオンシネマ市川妙典の売店でポップコーンを救っていた販売員の若者が、カウンター越しに弾んだ声を投げかけて来る。一瞬はて?と思ったが
「あー〇〇くんか!」

公民館サークルとして活動を始めて最初に入ってきてくれた代の子。大学生になったか。元気そうで何より。

彼のことでよく覚えているのは、とにかく楽しそうに指していた。あまり強くはならなかったが、将棋が好きなことにかけては誰にも負けなかったかもしれない。
驚いたのはある時、修学旅行のお土産といってお菓子を持って来てくれた。小学生の修学旅行なんてお小遣いが限られていて他人様に何か買うなんて普通はしないだろうに。それだけ公民館のあの場とお友だちが大好きだったのだろう。泣ける話。

「千駄ヶ谷でこの間、2級になったんです!」
中学以降は部活などで忙しくなったか来ることはなかったが、暇を見つけては少しずつ将棋を続けていたのだろう。千駄ヶ谷の2級といえば立派なものです。おめでとう。

写真はマイセンから公民館へ移った当時2009年のもの。画像が粗いですが、色んなものが新しく見えます。

2009年

さらば 行徳将棋クラブ発祥の地

8月31日は行徳駅高架下「喫茶マイセン」の最終日。
夕方に寄ったら満員。弊店時刻まで名残を惜しむ人が次から次でした。

色々な風景が蘇ります。もちろんライブもですがそれは随分と書いたので今日は将棋の話を。

将棋の会は息子が小学生の時に、学校の友達と3人で始めたのがきっかけ。最初はその3人を車に乗せて、市内のコミュニティークラブを回っていました。真間小や八中。今もやっているのかな。お世話になりました。

そのうちに校内で友達の輪が広がってしまい、車に乗せられる人数ではなくなった。で、困ってマイセンに泣きついたのでした。子供たちと土曜の午前に将棋をさせてはくれませんかと。するとマスターがいいよと言ってくれて、1ドリンクオーダーで2時間ほど指させてくれました。それが行徳将棋クラブの始まりです。

がんばっている子供たちを見てマスターがお菓子や焼き芋なんかをふるまってくれたりしました。子供たちにとり贅沢な時間だった。マイセンのジュースは濃厚で美味しいですから。オレンジジュースやカルピスがこんなに美味しいのかと驚くほど。

ところが難しくなった。グラスを落として割ってしまったり、話し声や駒音を嫌がるお客さんがいたり。このままマイセンで継続はできないと考えました。

公民館でサークル登録するときには勇気がいりました。公民館サークルになるということは「将棋がやりたいです」と言って来る全然知らない子たちを受け入れないといけなくなる。それまで「息子とそのお友だち」だった場が、不特定多数対象になってしまう。手に負えるのか? ずいぶん悩んだ。

ここにそんな風景がありました。

マイセン最終日
Twitterアカウント
千葉県市川市の行徳将棋クラブを運営している原伸一です。ブログの更新情報をお届けしてゆきます。2020年11月米大統領選より関連情報の収集・発信に注力しています。
ライブスケジュール
毎週日曜日23時〜23時半 YouTubeライブ。
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GSG5(行徳将棋ガールズ)
GSG(Gyotoku Shogi Girls)は、行徳将棋クラブの女子のこと。音楽も大好きで、2013年女子アマ団体戦で歌を歌ってベストパフォーマンス賞をいただきました。
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ハラ

フォークシンガー原
(原 伸一)

1967年生。千葉県市川市の南部、行徳・妙典でアコースティックライブの主催等の活動を行っています。また、将棋教室を開いています。

将棋教室の情報は以下サイトにて。

http://gyotoku.livedoor.biz
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