
引き続き、コソボ北部での治安部隊と住民との衝突の件。5月27日の記事でお伝えした通り、米国はコソボの行動を非難しています。また、下のリバールの記事によると、欧州議会もコソボ警察の撤収を求めているとのこと。
セルビアのブチッチ大統領は「コソボの首相は新しいゼレンスキーになろうとしている」と、アルビン・クルティ首相を批判しています。つまり、コソボからすれば「欧米のみなさんは我々を国家と認めてくれているではありませんか。そして我々の国の北部をセルビアが実行支配している。皆さんはウクライナがドンバスを取り戻すことをあんなに助けてあげているじゃないですか。我々も助けてください」という訳だろうと。
さて、米国とEUは本気でコソボを自制させようとしているのでしょうか? あるいは、それは表向きだけで裏では後押しているのでしょうか? 注意深く見て行く必要があります。
以下、リバールの動画と動画のナレーション内容をテキストにした記事です。
(ブログ埋め込み用資料映像:コソボの状況。内容はブログにて) pic.twitter.com/GO4sEAqWqj
— 原伸一・Shinichi Hara (@GyotokuShogi) May 29, 2023
コソボ北部情勢の悪化
コソボでは緊張が続いています。未承認国家の北部では数千人のセルビア人が4つの自治体の建物前に集まり、「コソボ警察」とKFORの即時撤退、および地方自治体の長の辞任を要求しました。
最も困難な状況はズベカンで、ジェフリー・ホベニア駐プリシュティナ米国大使との会談後、執務室に戻ろうとしていたアルバニア人「市長」イリル・ペシの行く手を集会が妨げました。
装甲車両を備えたコソボ特殊部隊ROSUとNATO平和維持部隊(KFOR)の部隊が騒乱の場所に詰めています。同時に、セルビア軍は厳戒態勢で行政境界線付近に留まり続けています。
さらに激化すれば、交戦当事者間で新たな武力紛争が発生する可能性が高い。いっぽう、欧州議会の反セルビア人外交官ヴィオラ・フォン・クラモンさえも、アルバニア人が地域北部から特殊部隊を撤退させるよう要求しました。
出典:https://t.me/rybar/47733