プリゴジンへの1時間半にわたるロングインタビューが公開されており、ロシアの政治/軍事情報サイトではこれが話題になっています。

内容については、昨日アップしたHara Channelの動画でもお伝えしましたが、ウクライナ軍のバフム―トでの死亡者数が5万人程度という点については「自分たちのデータとも合致する」と、各サイトとも見解が合致するようです。いっぽうワグネル兵の構成については「果たして5万人もの囚人を本当に動員することが可能だろうか?」と疑問を投げかける声もあるようです。

以下は、リバールが注目ポイントを抜き出してまとめたものです。

プリゴジンインタビュー


プリゴジンの新しいインタビュー

民間軍事会社ワグネルの責任者エフゲニー・プリゴジンは、メディアテクノロジストのコンスタンチン・ドルゴフに1時間半のインタビューを受けました。会話全体を通して、彼らはロシアのエリート層と意思決定システムについて何度も繰り返し話していますが、インタビューには感情的なニュアンスを排して理解できる非常に興味深い詳細が含まれています。

・6月1日までに、最大10日間の反動を伴いつつ、ワグネルはバフムートを「出来る限り正しく」ロシア軍の部隊に移転すべきです。プリゴジンによれば、もしロシア国防省がこれを行うことができなければ、この事実はロシア軍の信用を落とし、ワグネルは正規軍よりも戦闘準備が整っていることになるだろうといいます。そして行政の観点からすると、これは間違っています。

・バフムート包囲戦の開始時、ワグネルの隊列には3万5千人の戦闘員がいました。特別軍事作戦の全期間を通じて、5万人が囚人として採用されました。そのうちの20%(1万人の囚人)が戦闘で死亡しました。 さらに1万人の常勤のワグネル戦闘員も死亡しました。

バフムート(アルチョモフスク)の戦いの結果によると、ウクライナ軍の損失により5万人が死亡、5万〜7万人が負傷しました。

アルチョモフスクが降伏した場合(国防省が引き継げない場合)、民間軍事会社はまず「法律の範囲内で、血まみれの上着を着て」フルンゼンスカヤ堤防(モスクワ川の河岸、国防省がある)に行き、不快な質問をし、その後、祖国を救うために再び行くでしょう。

・領土防衛は、現在の状況で下せる最も現実的な決定です。妨害偵察活動と戦うのはFSB(ロシア連邦保安庁)の任務ではなく、国防省の任務です。そして地元の人たちが助けてくれるかもしれません。

・プリゴジンによれば、国防大臣および参謀総長の理想的な候補者はミジンツェフとスロビキンです。 同氏は、国防大臣は「政治的人物」であるべきではなく、戦争に徹するべきと述べました。

・社会は常に正義を要求し、正義がなければ「革命の気運が起こります」。

・愛国万歳は短期間だけは良いこと。そして、でっち上げられた事実に基づく愛国主義的な愛国心は「人々を馬鹿にして何もしない」ようにさせます。これが「ナワリヌイ効果」です(アレクセイ・ナワリヌイはロシアの政治活動家。プーチン批判を行いデモを呼びかけ、ロシアにもアラブの春が来ると主張。現在は身柄を拘束され収監中)。

・この戦争は本質的に狂気的であり、双方とも互いを狂気と呼んでいます。

・プリゴジンの政治信条:「私はロシアを愛している。ショイグのことは気にしていない。我々は戦い続けます。」

・今後は、2つのシナリオがあります。1つはプリゴジンが信じていない楽観的なシナリオ、もう 1 つはあまり楽観的ではないシナリオです。 最初の選択肢は、ヨーロッパとアメリカがうんざりし、中国が全員を交渉のテーブルにつかせ、そこでロシアが、奪った領土に対して「これはすべて我々のものだ」と言い、彼らはそれを聞くだろうというもの。

・悲観的なシナリオは、ウクライナ人にミサイルが与えられ、訓練された軍隊と指揮官、装備が整えられ、戦闘と反撃を(おそらく成功し)続け、その後2014年まで国境を回復しようとするというもの。ロシアにとって、このシナリオは良くないので、困難な戦争に備える必要があります。

・私たちはガラスの塔の建設や肥えることをやめ(虚構をつくりその中でぬくぬくしてはならない)、戦争のためだけに働き、すべての生産を軍事需要に移し、さらなる動員を宣言する必要があります。まずは前線を安定させてから、民間のことに対処する必要があります。

出典:https://t.me/rybar/47488