(本日アップした動画の文字テキストです。一部ブログ向けに修正)

南ウクライナ原発燃料倉庫爆発南ウクライナ原子力発電所の敷地をロシア軍が砲撃したことが世界中で大きく報じられています。日本を含め西側では「許されない蛮行」という報道一色となっています。

まずは本件に関してのリバールの記事を朗読します。https://t.me/rybar/39028
皮肉を込めた辛口の文章です。:

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南ウクライナ原発燃料倉庫

夜、ロシア軍は南ウクライナの原子力発電所の敷地にミサイル攻撃を実施しました。

ヨーロッパに核の大惨事の脅威をもたらすというロシアについての物語が、ウクライナのメディアにすぐに現れました。これまで行われて来た核施設に対するロシアの一貫した「攻撃」の一種の「証拠」として、ザポリージャ原発の「自作自演砲撃」という架空の事実を、これに引きずり込んできました。

確かなことは、冷却塔も変電所も損傷を受けていません。したがって、ウクライナのメディアは、
ロシア軍は原子力発電所全体を「攻撃することさえできなかった」という事実で(的を外している)嘲笑することもできました。

実際には、まったくそれどころではないのです。 ロシア軍による正確な攻撃により、南ウクライナ原発の輸送積み替え所の領域にある燃料と潤滑油の倉庫が無力化されました。

原子力発電所の後ろに隠れて、ウクライナの編隊はそこに積み替え基地を設置しました。そこでは、二コラエフ〜クリボイ・ログ方向(へルソン方面)のウクライナ軍グループに供給するために燃料が搬入されていました。

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記事は、以上です。私の方で少し補足させていただきます。

下の図は、9月13日のHara Blogで「今後この図面が重要になります」ということでシェアしたウクライナの発電所と電力網です。

南ウクライナ原発の位置

黒い丸印が、原子力発電所です。
南ウクライナ原発は中央のやや下にあります。

へルソン州とオレンジ色で示した文字の上の辺り、楕円の赤丸の部分が、「南部ケルソン州奪還へ向けた戦闘」として盛んに報じられている部分です。ここに居るウクライナ軍に燃料を供給するための後方基地として、南ウクライナ原発の積み替え倉庫が使われていたという訳です。

最期に、私の個人的な印象を述べます。

ZNPPと兵士ザポリージャ原子力発電所訪問後のIAEAの調査報告書は、砲撃に関する記述は一切なく、ロシアに軍装備を原発および周辺エリアから撤去することを求めるものでした。ロシア側としては、そこにあるものは原発にもウクライナ軍にも脅威を与えるものではなく、原発を守るための人員や装備、それらを運ぶ車両などです。しかし、IAEAの要求はまるで、それすら正当な攻撃対象であり、攻撃する側ではなく置いている側が悪いと言わんばかりでした。
「そう来るのでしたら、こちらはこうしましょう」・・・南ウクライナ原発敷地のウクライナ軍燃料倉庫の破壊は、そう言っているかのような印象を受けました。前線の戦闘に送るための燃料を供給する基地ですから、IAEAの理屈なら、破壊して悪いはずがありません。