ヨーロッパの火薬庫、バルカン半島セルビア/コソボで緊張が続いています。

8月2日の動画およびブログ記事【ウクライナ紛争が飛び火 コソボ領内のセルビア人居住者へ抑圧 悪夢再びか】をご参照ください。コソボが領内のセルビア人に導入しようとしている措置は2つ:
1.車のナンバーをコソボ発行のものに付け替えること(セルビアナンバーは認めない)。
2.セルビア発行の身分証明書は認めない。領内のセルビア人には移民パスポートを発行。
これに対し、コソボ北部に住むセルビア人住民は激しく抵抗しています。

7月末に一触即発となり、いったんおさめはしましたが、上記2つの措置の導入を一か月先送りしただけで問題解決はしていませんでした。その一か月が過ぎようとしており、再び緊張が走っています。

先ごろ、米国の国務次官補が「コソボがセルビアであることを忘れましょう」と発言し、これが象徴的なフレーズとして賛否を呼んでいます。以下、状況を伝えるタス通信の記事と、ロシア外務省マリア・ザハロワのテレグラム投稿。

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(8月27日04:48 タス通信)
米国務省、コソボがセルビアであることを忘れるように忠告

ガブリエル・エスコバル欧州・ユーラシア問題担当国務次官補はセルビア人に、コソボがセルビアであることを忘れるよう忠告した。金曜日にN1チャンネルとのインタビューで、彼はこれを述べました.

「私は(会談に)出席し、コソボとセルビアの間の紛争を解決するプロセスが、ユーロ・アトランティック・コミュニティにとって非常に重要であるという合図を送りました。こう申し上げたい:今後については、楽観的な土壌がありますと。私たちが今話し合っていることは、実際には全体的な交渉プラットフォーム内の小さな問題だと思います。コソボがセルビアであるという物語を忘れ、コソボとセルビアはヨーロッパであるという物語へ向かいましょう」と外交官は語りました。

エスコバルとEU西バルカン特別代表ミロスラフ・ライチャクは、ベオグラードで2回の会談を行いました。1 回目は木曜日の夜、2 回目は金曜の夜ですが、失敗に終わりました。これに先立ち、ライチャクとエスコバルは、承認されていないコソボの当局と、コソボ・メトヒヤ(KiM)のセルビア人の代表と会談を行いました。

7月31日の夕方、承認されていない警察がセルビアとの行政ラインの検問所を閉鎖した後、コスメットの状況は急激にエスカレートし、8月1日からその地域に住むセルビア人に移住カードを導入することを意図し、彼らの車の再登録を要求しました。コソボ北部のセルビア人は、幹線道路を封鎖してデモを行いました。

国際的な努力の結果、プリシュティナ(コソボ)は移民カードの導入とセルビアのナンバープレートの禁止を9月1日まで延期する決定を下しました。


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ロシア外務省マリア・ザハロワ 8月27日テレグラム投稿:

【米国務省は、コソボがセルビアであることを忘れる時が来たと述べました。
 決して忘れない。】

マリア・ザハロワ