9月19日(土)の行徳将棋クラブオンラインは、勝又先生の指導対局で居飛車の子が棒銀の練習をしていたので、私も引き継いで対振り飛車棒銀の稽古にしました。下図がよくある定跡のポイントで、ここから色々あり難しい(便宜上先後逆)。もうすぐ最後ということもあり、子供たちとたくさんやったなぁと感慨深いものがありました。

定跡


中でも印象深いエピソードをひとつ。10年くらい前、初期の頃に大会でもよく勝ってくれた子が四間飛車を使っていました。無類の負けず嫌いで地力の頭の良さがある。ところが勉強嫌いなこと甚だしい・・・という訳で駒組しやすいノーマル振り飛車を使っていたのですが、棒銀に悩まされた。負けて悔しがる姿を見ると何とかしてあげたいと思うのですが、勉強せずに勝ちたい訳ですからたちが悪い。悩んだ末に「よし、キミはこれでいこう」と勧めたのが下の図(便宜上先後逆)。あれこれ考えずに淡々と駒組を進める。で、いよいよ棒銀が攻めてきたギリギリのタイミングで角道を開け、角交換から飛車角交換して2枚角で乱戦に持ち込む。「▲6六角とか▲8三角がいい手になることが多い」くらいを頭の中に入れといて。その後めでたく勝率は上がりました。
将棋をよく知らない方も、上の図では左の金銀がやや上ずっているのを見ていただけると思います。金と銀を前線に繰り出し棒銀の攻めをブロックするのですが、ちょっと間違うと一気にボロボロになる。下の図は低い構えで金銀が連結しています。引き付けてカウンターを狙おうという訳です。

定形外


後日談があり、彼はほどなくして「角交換振り飛車」を自分で見つけて採用し始めた。ちょうど隆盛の頃。そうですよね「角を手持ちにするのが自分は指しやすい」というのに気付いた訳だから、それなら序盤早々に角交換しちゃえというのは理にかなっている。しかも自分から主導権を握りやすい。そういった作戦能力には長けていて、子供って面白いなと感心しました。悪く言えば深く掘り下げないままの移り気、良く言えば自分の能力を生かしチャッカリ勝てる作戦への開拓精神。素晴らしい個性。元気にしてるかな。ガンバって人生、ハッタリ通してくれ!