8時に館山の本部に集合、受付を行い8時半から朝礼。その時点で80名ほどのボランティアが集まっていたのですが、状況説明や注意事項、作業項目・現場の説明・割り振りなど、代表の方の仕切りが見事でした。マイクなど使わず地声ですが注目を引きつける迫力があり、セミプロ級の歴戦の勇士たちから様々の質問が飛んできても、それはああですこうですとテキパキさばいてゆきます。
 
よほど経験豊富で慣れていないと、そのようにはいかない。自治体では主に社会福祉協議会がボランティアセンターの設立・運営を担当しますが、職員さんたちが災害時の対応を知識としては持っていても、いきなりは難しいだろうと感じました。
 
私は屋根を吹き飛ばされたあるお年寄りご夫婦のお宅のがれき搬出・運搬の作業班で作業を行いました。まさにこのようなご家庭が困っているはずという典型的な現場。それはまた別途。
 
今回、人口の多い首都圏のすぐ近くで発生した大災害ですから史上最大数の人々が「自分も現場で役に立ちたい」と思っているはずですが、多くの自治体の社協はボランティア受け入れを「市内在住者のみ」としています。せいぜい「千葉県・近隣」。
 
まず、ホントにどれほどボランティア需要があるのかというのがひとつ。現時点では館山も市街地は電気が通り給油もできお店も営業しており、ファミレスなど飲食店は家族連れで賑わっています。他の自治体も似たような状況とするならば、高齢化が進んでいるとはいえ市内住人の助け合いでもどうにもならないほどなのか。地域の絆を深める機会でもあるはずだが。さらに前の投稿ですが、しっかり火災保険がついていれば業者に発注できる。
 
需要があるとすれば受け入れとなりますが、自治体としては表向きは社協が立ち上げるセンターが窓口となります。
ところが、です。被災者にとっては事態は深刻で、1分1秒も耐え難い状況が始まり続いている。それら人々が相当数にのぼっているであろうと判断した時点でエイヤで行政を待たずに民間のセンターが開設される必要があります。現場作業的にも、非情にハードな仕事が必要とされる期間。
そして社協や市職の人々が、経験豊富な民間ボランティアの人々のやっていることを見て学習し真似ながら慣れてゆく。
 
自然とそうなるかといえば、どうなんでしょうね? 素人の勝手な想像で書きますが、政治家なり地元の有力者が信頼・実績あるボランティア団体に
「頼む、ウチでボラセン立ち上げてくれ。指定団体になるよう根回しする」
と内々にお願いするような世界もあるかもしれません。それが出来るかどうかが災害対応の初動を大きく左右するみたいな。
 
もちろん、地元消防団などの方々もがんばってくれるでしょう。しかし、広範囲から情報を集め集約・整理し作業に落とし込んで大勢の人に割り振り動かすという運営の技術は別物なので。それの専門家が別に必要になります。

写真は本部のある被災したホテルからの風景。とてもよいところです。「行動で支援したい」と思っている方は、復興を待って観光で館山を訪問するというのもひとつの手段かもしれません。

本部より