行徳将棋クラブのいちばん最初の頃、10年くらい前ですが、とてもナイーブな男の子が居ました。

負けることが精神的に耐えられない子には詰将棋を解かせる(パズルを解くようなもので、勝負ではない)のですが、それすら「そうするとこう逃げられちゃうね」と言った瞬間「エーッ」と頭を抱えて机の下に逃げ込んでしまうほど。でも、何とかがんばって6年生の最期まで続けてくれました。その後も、不登校まではいかないものの、人間関係をうまく築くのは苦手だったようです。

高校は行徳高校の全日制へ進みました。卒業後、立派に働いています。そのような子でも自由に伸び伸びさせながらちゃんと社会人としてやっていけるようになるところまで面倒見てくれて、行徳高校は学力レベルは高くないと言われますが、いい役割を果たしてくれていると見直しました。

行徳高校


行徳高校には「定時制」があります。昔は定時制というと昼間は働いている苦学生が行く所でしたが、今はどうなっているかというと多くが、中学までに不登校になった経験がある子たちだそうです。人間関係が苦手な子たちも、落ち着いた雰囲気の中で学校生活を過ごせるようになっている。定員は1学年40名なんですが定員割れが続き少人数になっているところがまた、かえっていいんでしょうね。

ところが、です。2022年度に県立船橋高校の定時制に統合されてしまう県の方針となってしまっております。経費削減で県の施設や機能の統廃合が進められている一環でしょう。しかし行高の定時制って、ほとんど行徳や浦安の子たち。船橋まで行けと言われている訳ですが、現実問題、ここら辺でのんびり学べているからいい子たちが居場所を奪われるということではないか?

「やられたなぁ」と唇を噛む。行徳から、貴重な機能がひとつ持っていかれる。
野鳥観察舎のように市が新たに設置して運営とは、簡単にはいかない。高校の設置認可は、県の事務なので。

市川市が政令指定都市ならなぁと思う。政令市なら、県とほぼ同等の権限を持ちます。市立行徳定時制高校として存続の道も検討できたかもしれない。

市議会議員が言ったからといって政令市なんてすぐに実現はしません。途方もない作業で、かみはら昌志候補が当選してもすぐにそうなる訳ではないですが、新市川構想100の最後、100番目ですね。
「市川市のさらなる発展の方向として、将来的な政令指定都市化の検討」
そういうことも自分で決められる都市を目指してゆこうというのが、新市川構想の将来の展望と理解しています。