政治ネタ連投。個人がブログに書いてどうなるのかと思われるかもしれませんが、マスコミの記者たちも記事を書く際に世間一般にどんな意見があるのかをネットで調べることがあります。当ブログはわりと検索にかかりますので、てこの原理を期待しています。

水道管


いわゆる「水道民営化法案」、厚労省のHPよりその概要を記したページを下に転載しますが、まずは個人的な考えを。
基本的に市町村が運営管理・広域で都道府県が補完している水道事業に対して、国が手を突っ込んでくる意味は何なのかな?というのが第一感。老朽化した水道管の更新は確かに必要だし国民の健康や災害への対応と言えば確かに聞こえはいいが、そこまで国が直接関与してくるのはなぜだろう。

法案概要を読むと、まず市町村でやっているのを「広域的な連携」つまり都道府県でまとめましょうとなっている。そうしておいて、水道施設の所有権は地方公共団体が所有したまま、運営権を民間業者に設定する、とあります。
まぁ「市町村の持つ水道利権を吐き出させて民間にやらせ、国の税収を増やそう」かな? という気がします。

しかし統一地方選を前に、野党にわかりやすい争点を与えるものだと不思議。これ野党の県議や市議の選対は
「与党は外国企業に我々の命を握らせるつもりです。国で法案が可決されてしまいましたが、実際に水道事業の運営権を民間へ委託するかは我々に委ねられています。自公に投票しないでください。みなさんの生命が脅かされます」
と、街中わんわん言って回りますよね。徹底的に、水攻め。わかりやすい。

例えばですが、全国の市町村の水道事業が非常に非効率で、業者も固定されていて合理化も進まず、さらには水道局から仕事をもらっている業者が天下り先になっていてズブズブの関係にあるとか。水道料金が低く抑えられていたとしても税金で穴埋めしているのだから結局は別口で払ってるんですよとか。そういった状況に自治体は自浄能力がありますか?ないからそうなってるんじゃありませんか?・・・みたいな論調が保守系メディアから出て来るかどうかには注目したいと思います。そうでもないと、無理やり感が強すぎる。

概要にある県と市町村との「協議会」が設置されるかどうかがポイントでしょうね。設置されちゃうと、国が目指している方向性に走り始めてしまう気がします。

以下、厚労省HPの「水道法の一部を改正する法律案の概要」からの抜粋です。ご参考まで。

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1.関係者の責務の明確化
(1)国、都道府県及び市町村は水道の基盤の強化に関する施策を策定し、推進又は実施するよう努めなければならないこととする。
(2)都道府県は水道事業者等(水道事業者又は水道用水供給事業者をいう。以下同じ。)の間の広域的な連携を推進するよう努めなければならないことと する。
(3)水道事業者等はその事業の基盤の強化に努めなければならないこととする。

2.広域連携の推進
(1)国は広域連携の推進を含む水道の基盤を強化するための基本方針を定めることとする。
(2)都道府県は基本方針に基づき、関係市町村及び水道事業者等の同意を得て、水道基盤強化計画を定めることができることとする。
(3)都道府県は、広域連携を推進するため、関係市町村及び水道事業者等を構成員とする協議会を設けることができることとする。

3.適切な資産管理の推進
(1)水道事業者等は、水道施設を良好な状態に保つように、維持及び修繕をしなければならないこととする。
(2)水道事業者等は、水道施設を適切に管理するための水道施設台帳を作成し、保管しなければならないこととする。
(3)水道事業者等は、長期的な観点から、水道施設の計画的な更新に努めなければならないこととする。
(4)水道事業者等は、水道施設の更新に関する費用を含むその事業に係る収支の見通しを作成し、公表するよう努めなければならないこととする。

4.官民連携の推進 地方公共団体が、水道事業者等としての位置付けを維持しつつ、厚生労働大臣等の許可を受けて、水道施設に関する公共施設等運営権※を民間事 業者に設定できる仕組みを導入する。 ※公共施設等運営権とは、PFIの一類型で、利用料金の徴収を行う公共施設について、施設の所有権を地方公共団体が所有したまま、施設の運営権を民間事業者に設定する方式。

5.指定給水装置工事事業者制度の改善 資質の保持や実体との乖離の防止を図るため、指定給水装置工事事業者の指定※に更新制(5年)を導入する。 ※各水道事業者は給水装置(蛇口やトイレなどの給水用具・給水管)の工事を施行する者を指定でき、条例において、給水装置工事は指定給水装置工事事業者が行う旨を規定。