渋谷教育学園幕張中高の文化祭「槐(えんじゅ)祭」へ行った子から、
「2冊もらってきました。1冊先生にあげます」
と、渋幕将棋部の部誌をもらいました。先月のこと。もしかして「行徳から」と言ったら「原先生に」と余分にくれたのでしょうか。ありがとうございます。

盤上の花火


昨年が初めての試みで、今年はVol 2。「盤上の花火」というのは夏の終わりにふさわしい(毎年夏休み明けの週末に開催される)タイトル。サブタイトルの「穴熊に潜り続けて過ぎた夏」は、編集責任者であろう中学部長くんの世界観を象徴していて印象深いです。将棋に関しては天才肌という訳ではないので努力で補うべく、穴に潜るように研究に没頭したことでしょう。

著者が6人あり、ペンネームで表記されていますが3名が行徳将棋クラブ出身の生徒ですね。「へぇ〜そうなんだ」「おう、そうかそうか」みたいな感じで、久しぶりに会って話しているような気持ちで楽しんで読ませていただきました。

中学部長くんの自戦記穴熊2局はとても味わい深いです。昨年教室に来てくれたときに、中盤までスゴク上手に指すのに詰みを逃すので「もったいない。試合でそれやったら泣くに泣けないぞ」と話したんですよね。自分の終盤の弱さをカバーするための穴熊研究だったのだと思いますが、それを乗り越え終盤の強さを生かす、一手差を勝ち切るための穴熊にまで仕上げていってほしいです。ガンバレ!

新浜小先輩の「将棋用語和英辞典」、新鮮な視点で素晴らしい! 世界の人々が将棋に興味をもつようになりつつある現在、日本の将棋ファンも将棋用語の英訳を知っておこうよという呼びかけを「日本人に対して」やったのはキミが初めてかもしれない。
実は、行徳将棋クラブに何度か来てくれたこともあるヨーロッパ将棋普及で中心になっているボイチェックさんが、この夏もスーさん宅に泊まっていたんです。会わせてあげたらよかった、残念。行徳はスーさん&原の外国部学部出身ペアで、海外普及のベース基地としてはアマ棋界最強の布陣。応援するぞ。世界を目指してくれ!

中飛車くんの相中飛車ハメ手への対応、ジワッときました。市川市民大会でこの戦法に負けてしまい、終わってからお弁当の時間に話したのをよく覚えています。ちゃんと覚えていてこれを研究テーマにしてくれたのですね。
その時に検討したよりもさらに深く研究を深めてくれています。この戦局について掘り下げた資料としては、棋界でも貴重なものではないでしょうか。そして、最終的にこれが個人的には最善とキミがした順がキミらしい。そうだよね、歩損より形の良さを優先。美しい将棋を乱す奴が許せねぇ。キミはそうあってほしい。

渋幕中・高ともに千葉県代表。渋幕中東日本大会3位、渋幕高全国大会ベスト16。おめでとうございます。千葉県を代表する選手たちを、行徳将棋クラブから送り出せたことを誇りに思います。