これは私が書いとかないといけないですね。柔道黒帯のプーチン大統領らしい返し技が来ました。安倍首相苦笑い。

北方四島


2年前のHara Blogの記事「日露首脳会談の成果は?」をご参照ください。
整理しておきますと「北方領土問題と平和条約締結」・・・これがいつもニュースになる訳ですが、それは表面的な事。核心は経済。投資と企業活動です。

日本側の論理としては、
・平和条約締結には北方領土問題の解決が必要
・北方領土問題を前へ進めるため、まずは四島を特区とし「共同経済活動」のための「特別な制度」をつくろう。
2016年の会談でそうしましょうとなったものの、投資環境つくりのための法的整備はたぶんあまり進んでいないですね。
そりゃ、そうです。プーチンがロシアの企業や財閥に対し、彼らの行動に制約をかけるようなことが出来るはずがない。いっぽう日本側としては、合弁などに投資してはロシア企業にゼンブ持っていかれることが続きすぎたので、国がちゃんとしてくださいよと。そうしてくれないと投資なんて出来ませんよと。そしてその後に平和条約。

プーチンはかなりいら立っているように見えました。投資が来ない。
「まず、平和条約をやろうじゃないか」
は、なるほど正論には見えます。友好関係の確認が先。各論は後。
しかし実際問題、先に平和条約をやってしまうと「ロシアは独立した国家なのだから、ロシア国内での経済活動はロシアの法律にのっとってやってくれ」になりますね。日本からの投資はさらに後退するでしょう。しかしプーチンとしては一時的に国内へ向け
「日本から投資を呼び込む環境が整った」
と言い張って成果を誇ることができる。また、投資が進まない理由を日本に押し付けることができる。

「前提条件なしで」
というのも、苦笑してしまう。1956年の日ソ共同宣言は度々話題に上がりますが、これには平和条約締結後に「歯舞・色丹の二島返還」がなされるという、言わば「前提条件」があります。それすら棚上げしてしまおうということか。

余談ですが、昔のことを想い出します。同じ会社の先輩たちが、自ら命を絶ったり気が違ってしまったり、しました。私はまだ独身だったので身に迫っては感じなかったけれど、家族を抱え、会社の給料を前提に住宅ローンも子供たちの学校も進めている。バブル崩壊後、将来性のない部門の中堅クラス以上はリストラリストへ一直線の時代。キツイなんてものではなかっただろう。
しかし、夢や憧れや野心や裏切りや絶望や、そして命すらも、軽く飲み込んでボワッとほんわかたたずんでいる、何とも不思議な魅力を持った国ではあります。