当ブログで繰り返し指摘している、病院のお年寄りサロン化。巷の小さな病院やクリニックには馴染みの患者さん同士や看護師さんたちが会話する和やかな風景があります。が、そこには国や自治体のゴツイ金が注ぎ込まれています。趣味がないと、人恋しいお年寄りたちはそういうとこ行っちゃう。

70歳以上の高齢者医療保険制度では1割が被保険者負担ですが月の上限が8000円。お年寄りたちは8000円以上使うのがオトクとばかりに病院・薬局に通いますので、例えば1万円ちょっと分通うとすると、公的負担はお年寄り一人あたり約10万円/月。年間120万円。不謹慎で申し訳ありません。本当に治療が必要で通う分ももちろんあるでしょう。

市川市将棋愛好会連盟を構成する市民サークルのアクティブメンバー合計は150名くらいですが、見た感じ100人くらいは70歳以上の方々。つまりざっと1億2000万円分の医療費の代替価値を持っています。

さらに孤独死や自然災害時の問題ですね。「誰々さんは大丈夫じゃろか」と気にしてくれる人の存在が高齢者の場合はことのほか重要なので。何かあったときにパッと頭に浮かぶのって、日頃楽しい時間を共に過ごしてきた趣味仲間は上位にくると思う。
もし市の職員さんが週に1回くらい見回りすることによりそのセーフティーネットをつくるとしたら、その人件費。

「生きがい」という心の部分を除き、金銭に換算できる側面だけでも1億数千万円にもおよぶ価値は、各サークルの日常の公民館等での活動と目標となる年に一度の市川市民将棋大会で構成されています。その大会の運営が、子供の増え過ぎで困難になっている。
「子供を引き取ってくれんやろか」
て言われたら、うろたえると思いません?いやもう、うろたえまくってます。

冷静に現状を見るならば・・・
将棋ブームで、子供を対象とした大会は東京でも千葉でも増えているんです。大きな会社がスポンサーで運営費を負担してくれて実施されている。市川市民大会に初心者の子供が参加できなくなったとしても、子供たちが参加できる大会がなくなり困るかといえば、否。
なのでもしかすると私の役割は、それをよく市内の将棋関係者に説明し、子供を切り離し別途大会もつくらないという合意形成をすることなのかもしれない。潮流に逆らいかえって下の世代に迷惑をかけることもある。市民大会における初心者子供の参加に幕を下ろす役として、原が今この場に存在しているとも考えられます。

でも、なんか気持ち悪いですよね。すごい価値あるものからこぼれ落ちてくるものを、そう簡単に捨てていいものか。見落としはないか。
大会は、ほかに色々たくさんある。市という自治体の単位で、やるとすればその価値は?
わからないんですよ。わからないまま、とりあえずやれるように進めています。