昨年の市川市長選で高橋亮平氏支持を当ブログにて公言した立場ですので、この話をしなければなりません。4月6日の記者会見で、同氏が「坂下氏を支持し、自身は立候補の意向を取り下げる」ことを表明しました。

先日の記事で、その少し前までの情勢を書きました。どの政党の後ろ盾もなく市議の支援もない、つまり全くしがらみのない市政を理想に掲げ戦ってきた高橋氏でしたが、投票率の低い市川市で、このまま選挙へ単独で突入しては勝ちはほぼない図式となった。

同氏に残された選択肢は、前へ進むとするならば2つとなりました。
1.立候補し負け試合でも最後まで精一杯戦い抜く
2.坂下茂樹立候補予定者との一本化

1の場合、同氏がどうしても看過できない事があったとのこと。それは、政務活動費問題で追及を受けた市議・元市議たちが集まっている陣営、つまり田中甲氏が当選する可能性が極めて高くなる。彼らの行い(市議・元市議たちの大量切手購入)を、市川市が正当化することになってしまうと。

従い、坂下候補が高橋氏の「新市川構想100の政策」をすべて受け入れる形で政策協定を結ぶことに合意したことから、2を高橋氏は選択することに決めました。立候補するのは坂下氏。そして記者会見で坂下氏は「政策を実現するために能力のある方が能力のあるポジションに居なければ動かない」と述べ、高橋氏に然るべき役職に就いてもらうとしました。具体的な明言は避けましたが「地方は大統領制と同じ。あとは想像におまかせします」との発言。私的には副大統領つまり「副市長」ということになるかと想像します。

率直な意見を述べさせていただきますと、たいへん残念です。政党政治からの脱却を願い政策立案力の高い高橋氏にかけた2万人の市民がきっとそうであるように。「投票先がなくなってしまった」「なぁんだつまらん。見損なった」・・・思いは様々でしょう。しかし、2万人分の思いを受け止め一番悔しがっているのは高橋氏本人のはず。
もし高橋副市長が誕生し政策実行の舵取りを行うならば、これまでの政権与党による政治よりははるかに市の問題点の解決が進むと期待します。

よって私は、今回の高橋亮平氏の決断を支持します。

いっぽう、客観的な視点も書き加えておきます。
前回選挙での高橋氏の2万票は、他の候補とはまったく質を異にします。つまり、組織票が一切ない無党派層を中心とする浮動票。高橋氏が苦渋の決断に至った理由および坂下氏の支援に回っているという情報が、残り少ない日数でどれだけ有権者に届くかどうか。そして、理解が得られるか。
2万票の無党派票が浮いたわけですから、野党連合が推す村越祐民氏にもチャンスが出てきたと言えます。そして、公明党はどのような立場をとるのか。勝負の行方はまだわかりません。