9月17日(日)15時、行徳公民館第2和室にて、ゲストに高橋亮平さんを招いて「私たちの暮らしについて」座談会を行いました。行徳将棋クラブの親子を中心に約20名ほどの参加者でした。各テーマに関するやりとりのまとめを以下ご紹介させていただきます。
予めご了解いただきたいのですが、詳細なメモをとっていたわけではなく、私の記憶に残っている事柄を再構築し文章化したものです。従い、特にゲストの高橋亮平さんに関しましては11月に行われる市川市長選に立候補を表明されており、以下はご本人の意図が正しく伝わっていない個所があるといけませんので、高橋さんの政策やビジョンにつきましてはこれとは別にご本人の発信を基に理解を深めていただけますようお願いいたします。

1.待機児童問題

各ご家庭に、保育園に入れることができたか幼稚園だったか、お話しを聞いてみました。「たまたま抽選に当たり」保育園に入れた方もあったようでした。奥様が専業主婦に近い形で幼稚園でもさほど不自由を感じなかったご家庭もあり、いっぽう職場の同僚(女性)でとても困っている方が居る話などもありました。
また、数百名の待機児童の受け皿をつくるために1000人枠を増やしたが相変わらず数百人の待機児童がいるのはなぜ?という疑問も上がりました。
高橋氏より、人口は減っているが保育需要が変化しているという解説がありました。これまで保育園にを必要としなかった層の需要が上がっている。また、年齢としては足りないのは0〜2歳児で、4〜5歳児の受け皿をつくっても待機児童は減らないと。地域的には足りないのは駅前で、園庭の要らない0〜2歳児の駅前保育、あるいは場所が少ないのであれば他地区に大きな保育園をつくり、駅前で預けてバスで送迎という方法もある。また大野小学校で空き教室を保育園にしており、この方式で他校でもできるところがあるはずとのことでした。
子どもの方から「公園がたくさんあるから、いくつか保育園にしたら」という意見も出されました。実際に可能かは別として、いい発想だと思います。
子どもを預けたい人が預けられないことがない保育の体制を、ぜひ実現したいものです。

2.教育費問題

大学進学を前提とすればそれなりの高校へ行かねばならず、中学からは塾通いが必須となります。保護者の方より、受験の年は夏期講習や冬期講習の費用も含めると年間100万円くらいはかかっており、3人兄弟なので大学・高校受験が被る年はどうなるのだろうと途方に暮れている様子をお話しいただきました。それを負担できなければ大学教育を受けられないとすれば子供たちにとっては格差であり、憂うべきこと。あるお母さんより、中学校の三者面談で進路の相談をしたところ「塾では何と言っていますか?」と聞かれて愕然としたエピソードを語ってくれました。そうなると中高一貫の有名私立のほうがいいのではということで塾が小学生まで降りてきます。また、このあたりだと仲のいいお友達と一緒の公立中学に行くのが自然になってしまうので中学受験する子が多い都内の地区に引っ越すご家族すら出てきています。
高橋氏より、公立中が塾を前提とした存在になってしまっているとコメントありました。公立中とは何なのかを考え直さなければならない。公立の授業ではついて来れない生徒が少なくなるよう学力が下のレベルに合わせがちだが、私立ではこぼれる子が出てもレベルの高い授業をし、こぼれた子をフォローする。それが公立で出来ないか。例えば現在行われているまなびクラブを充実させ、上位の高校へ行くための勉強の仕方や教材のアドバイスといったところまで出来たらいい。また、韓国の江南区ではインターネット塾を提供しており一流の先生の授業を無料に近い形でネット受講できるといった事例も紹介されました。
いい先生の授業ならインターネットでもいい?という点について、子供たちに聞いてみました。「塾が楽しい」という声があり、大人たちなるほどと頷きました。保護者からフォローあり、塾の先生の方が知的好奇心を引き出すような話をしてくれるそうです。また、学校と違い気の合うお友達と一緒に塾を選んで少人数でそういった授業を受けることができる場にもなっていると。公立中がそんな場であってほしいねということで、みなさん共感したように感じました。
高校選びで市川市の高校に行きたいと思っても行徳からは交通が不便という意見が保護者から出されました。他市へ行かねばならないが、「東葉高速線沿いは行ってくれるな」というある保護者の声に、会場は笑いと溜息。「市川市で高校まで完結できればよいのだけど」という声も。高橋氏より、都営新宿線や行徳駅前通りの延長線上に計画されていた橋がどうして今のようになったり頓挫したりしたかという経緯について解説がありました。南北交通を何とかしなければなりませんねとお話しがありました。
また、まなびくらぶの充実については、先生の業務がたいへんで、今の状況では新規の負担を学校に上乗せするのは難しくはないかという疑問もあがりました。そこで、次項。

3.学校のあり方

七中将棋部問題について、話しました。当ブログの過去の記事に経緯がありますので詳細は割愛しますが、部活動は学校の正規の業務ではなく先生たちの好意によって支えられているものだが、空いている先生もおらず管理ができない、また現在の部活すら維持が困難な中で新規は難しいということで、将棋部をつくろうとがんばった新入生たちが衝撃と喪失感を感じたもの。
ある中学でPTA会長を経験された方より、校長によってかなり状況が変わるので校長が変わったときに再チャレンジしてはというアドバイスがありました。名義だけで良いから貸してほしい、外部指導員で部活指導行うという条件で、新規部活が設立された例があると。外部指導員を認めない校長も居ると。
高橋氏は、何がほんとうの原因だったんだろうねと。忙しいのが理由なら外部指導員方式でどうだっただろうと思うし(保護者からは、将棋部はほとんど先生の手がかからないこと説明したと)、先生側の意見も聞いてみないと解らない。問題なのは、そのようなことがあると「どうせ大人は願いを聞いてくれない」と思ってしまう。そうすると大人になって、物事を変えようとしない人間になってしまうよねと。制度面としては先生たちの状況として、大変細かな書類の作業を抱えている。書類をやる事務スタッフを学校に置いて先生を楽にしてあげるなど考慮すべきかもしれないと解説いただきました。
ある小学生の保護者より、些細かもしれないが給食費を手集ではなく引き落としにすればいいのにと提案ありました。この作業も先生にとっては悩ましそうで、口座引き落としなら先生たちが少しでも楽ではないかと。
私から、小学校の先生も忙しそうという話をしました。ひとつの例として、飼育小屋から動物たちが減っている。これも教員の負担減の一環らしいと。子供たちに聞いて、各学校のうさぎや亀がどんどん減っている状況が確認されました。つまり、子供たちが生き物と触れ合う機会がどんどん失われて行っている。コスト対効果の効果を表しにくい子供の情操教育の部分を注視する必要があるのではないでしょうか。そこで、次のテーマ。

4.野鳥の楽園・行徳野鳥観察舎の今後

行徳将棋クラブで昨年、野鳥観察舎保存のための署名活動をしました。今回、野鳥観察舎の関係者の方にもご出席いただきました。
関係者の方によると、野鳥観察舎は残念ながら取り壊しが決定され、来年度には解体されることになっているそうです。いっぽうで友の会では、もはや市に対し同じような施設を建ててほしいとはお願いしていないとのこと。1クラスくらいの子供たちを集めて話をできるスペースをつくってほしい。さほど高いものではないはずだが、市では中々話を聞いてくれないと。野鳥の楽園は、みなさん入れないと認識しているでしょうが年間100日くらい入れる日があり、絶滅危惧種に挙げられているような貴重な生物も居て、とても良い体験・自然学習が出来るそうです。市川市の北部の小学校が来てくれているのだが行徳の学校は使ってもらっておらず残念。立派な建物を希望している訳ではなく、とにかく使ってほしいとお話しありました。
高橋氏からは、市のとらえかたとしては「これまで県の施設であり、県がやってくれないからといって市に持ってこられても、金額が小さくても市としての優先順位の上位に入るのかどうか」という考え方になるのではとの解説。従い、あのエリアの価値が何なのかを考え直さなければならないと。例えば、宮内庁管轄の鴨場がある。宮内庁の土地がある自治体なんて、日本にはそんなにない。また、貴重な生物も見られる。エリア内を整備し人がもっと散策しやすくすれば、価値が高まるかもしれない。そうすれば県内の他地域や都内、あるいは日本中から人が集まるスポットにできるかもしれない。それは市にとってメリットになる。持っていき方として「少額の小さなスペースでよいので」ではなくもっと大きく「これだけ費用をかけ整備すれば大きな価値を持つ場になる」というほうがいいのではないでしょうかとお話しありました。
関係者の方からは、エリアの改善案なども市に持って行くのだが中々話を聞いてくれないと状況を明かしてくださりました。

個人的感想ですが、上記野鳥の楽園エリアの価値についての考え方は、ゲストの高橋亮平さんの特徴がよく現れていると感じました。その後、市川塩浜地区の整備についても話が及んだのですが、デズニーランドには世界中から人が集まっており、隣接の市川塩浜はもっと高い価値を持てるはずと。例えばデズニーリゾートにあるホテルとは違うコンセプトの大きなホテルを建てれば、ある層のお客さんをたくさん呼び込めるのではないか。そして、三番瀬。埋め立てがなくなり、行徳三番瀬を残すという選択がされた。それならば、あの自然を残すことによる価値が何なのかという方向性で政策を考えていかなければならない。それは、古くなった護岸に鉄柵を打ちっ放しにしておくことではないでしょうとのことでした。

行徳将棋クラブの親子のみなさん、行徳野鳥観察舎友の会関係者の方々、ゲストの高橋亮平さん、どうもありがとうございました。とても良い会でした。参加した保護者の方々からも、「参加してよかった」「勉強になりました」とお声をいただきました。このような対話の場は、とても貴重だと思います。市川市をよい街にすることに皆様が関心をもっていただくきっかけとなれば幸いです。