10月30日(日)、東京都豊島区東池袋の帝京平成大学にて、「希望の塾」の開塾式が行われました。

申し込みは4800名に上ったとのこと。そのうち受け入れられ受講料を支払い今日を迎えたのは、2900名ほどであったようです。
久しぶりに学生気分を味わうことが出来て、新鮮でした。

会場


会場キャパは1000人。午前中に1回と午後に3回、4回に分けて式は行われました。私が参加したのは2回目(午後一番の回)。会場入り口には報道各社のクルーが出張っています。捕まらないように、長縄跳びに入るようにタイミングを見計らって(笑)、「よし今だ!」と、速足で頭を下げてそそくさと中へ。

正門


私立大学は綺麗ですね。受付を済ませ柔らかなシートに座り、開始を待つ間しばしうたた寝。
プログラムはシンプルで以下:
1.開会の辞
2.塾長ご挨拶・記念講演
3.ご講演
4.閉会の辞

13時に司会の方より開会の言葉と注意事項の説明があり、小池百合子都知事が紹介されました。

小池百合子都知事


小池知事が会場に呼びかけ、いちばん若い方、いちばん先輩の方、いちばん遠くから来た方などを探します。塾全体では下は18歳から上は82歳までとのこと。また、この回には「ハワイから来ました」という方がいらっしゃいました。男女比は59%強が男性で40%強が女性とのこと。

以下、小池都知事のお話:

「 昨日自宅で昔からの色々な資料の整理をしていたら、自民党が野党に転じた時にしばらく女性問題専門に取り組んでいたときのものが出てきた。現在安倍政権が行っているウーマノミクスは、当時私が安倍現首相に進言していたもの。政策に移されるまでにとても時間がかかっている。

女性の活躍を示す「ジェンダーギャップ指数」という指数がある。日本は世界101で先進国の中ではいちばん低かったのだが、今年はさらに落ちて111位になった。もっとスピード感を持って進めなければならない。

今日は一番若い方が18歳。自分が18歳の時に何をしていたかというと、カイロ留学を決めた。みんながやることをやっていたら、標準的な人間になる。自分は何をしたらいいのか、自己マーケティングをした。英語はみんなやる。これから伸びるのは、アラビア語だと思った。後にキャスターになった時に、湾岸戦争などでアラビア語を生かすことができた。

テレビ局時代は6年間、竹村健一さんに鍛えられた。物事の本質は何なのか。そしてそれは、全体の中でどういった意味を持つのか、わかりやすく簡潔に視聴者に伝えること。

バブルの時代、金融緩和で株価がどんどん上がっていた。しかし頭打ちになり、少し下がって来たところで金融引き締めをやったらたいへんなことになった。株価が上がっているときに実施しなければならない政策を、時期を間違えて行った。政策はタイミングよく打たなければダメ。同じ政策が、悪政になってしまう。

経済企画庁時代には、IT推進など行った。端末の買い切り制度を実施したら、携帯が爆発的に広まった。そして、クールビズはみなさん覚えていらっしゃるでしょう。胸元を開けると、体感温度が2℃下がる。そしたら、今26℃の冷房を28℃にすることができる。日本は暑い国なのに、ヨーロッパのジェントルマンのような恰好をしていないと仕事ができないやつになってしまうのはどうしてなのか。私はいつも、大儀と共感を大切にしている。地球温暖化対策という大義。地球温暖化は、私たちの生活からきている、私たちからまず始めましょう。それに共感が得られたからこそ、10年たち定着している。

虫の眼、鳥の眼、魚の眼を持ちましょう。最後のは、「さかなのめ」と読みます。「うおのめ」はタイヘンです(会場笑い)。何が起きているのか、全体はどうなっているのか、そして潮の流れはどうなのか。

国力の計算式は、
国力=(人口+経済+国防)X(戦略+意思)
である。人口、経済は右肩下がり。これを、戦略と強い意思により補わなければいけない。

私が掲げた、セーフシティ、ダイバーシティ、スマートシティ。無電柱化・・・首都直下地震は高い確率で起こる(セーフシティ)。女性が輝く社会・・・女性が輝けば男性も輝くんです(ダイバーシティ)。森ビルが出している世界都市ランキングで、東京が3位になった。私はこれを1にしたい(スマートシティ)。
東京の競争力を高める。それが、日本を引っ張ってゆく。東京には、人・モノ・カネが十分にある。しかしそれが、生かされていない。
希望のある街。「今日よりも明日がいい」という希望が持てる街を、みなさんつくっていきましょう。 」


小池都知事の記念講演の後、高野之夫豊島区長の講義がありました。内容的にはこの日のメインはこちらのほうです。20年前、豊島区は財政破綻寸前の瀕死の状態にありました。そこからの復活劇。徹底した行財政改革や、220億円の新庁舎を市の予算をまったく使わずに建設したこと。ワンルームマンション税(法定外普通税)や放置自転車等対策推進税(法定外目的税)を使い税収を上げながら街を整備し景観をよくしていったこと。

よく勉強されいる方にとっては「こんなの普通」なのかもしれませんが、その中に1つでも2つでも「これは面白いな」というものがあれば収穫だろうと思います。新庁舎を分譲マンションと一体化し市の予算を全く使わなかった話は面白かったです。その手があるのかと。市川市役所の新庁舎200億は既に予算に計上され進んでしまっているので戻れませんが。


個人的に一番反応したのは、これ。当ブログで提唱してきた、文化政策により自治体の財政負担を減らす策を既に豊島区では実践し実際そうなっている。心強いエビデンスを得ることが出来ました。
本の紹介文から一説引用させていただきます:
「・・・手助けをするボランティア団体やNPO団体のほとんどは行政とのつながりがなく、それぞれバラバラに非効率な活動をしているようにも思えた。そのため彼は国に働きをかけ・・・」
これですよね。市川市にも反映させたいものです。



14時半頃に開塾式と講義は終了となりました。
次の回がまたすぐ始まりますので、受講した塾生たちはすぐにハケなければいけません。速やかに退場、また大学の前の歩道も大人数で歩くには狭いので、渋滞しないようにとにかく歩く歩く(笑)。マッタリと溜まる場がありませんので、人と知り合って名刺交換してというような感じにはこの日はなりませんでした。

実はFBでは、活動的な方々が「希望の塾」参加者のコミュを立ち上げているのですが、複数ありそれぞれ人数少ない(笑)。これちょっと、まとめたほうがいいかもしれないですね。塾生どうしのつながりを作りたい人は、塾が何かしてくれるのを待っていないでFBでも活用してやってゆくべしかもしれない。

ぶっちゃけ、「講義も人脈もいらねぇ。内容なんて関係ねぇ」なんて人も居るでしょうね(笑)。「はよぉ小池新党つくって公認くれぃ」なんて議員浪人も居るかも。でも、そんなに簡単にいかないと思う。

しかし、単純ミーハーから事情を抱えた人たちまであり(虫の眼)、それを見ている政治関係者ほか様々な人々があり(鳥の眼)、色んな思惑が渦巻く中で潮がどう流れるかはかっている人々が居る(魚の眼)。注目が集まっているということは、面白いということ。
小池劇場第二章の幕開けです。