全国ニュースでも取り上げられてしまい、将棋界や三浦九段のマイナスイメージが広がっていること、あるいや逆に追及が甘いことに対し、SNS上では怒りや悲しみの声が数多く見られます。

色々な人が色々なことを言っており、その中のひとつになってはしまいますが私としては、日本将棋連盟の措置は最善策と考えており、心を静めて見守りましょうと呼びかけたいです。
つまり、「はっきりさせない」ということを、よしとしましょうと。

まず、事実が判明していないのに処分が下されているという不満の声があります。
しかしこの処分は、態度を明らかにせず棋戦運営に支障をきたしたことに対するもの。連盟としては、休場する意向を口頭で告げられたものの休場届が提出されないでは困りますので、やむを得なかったと思います。

三浦九段としては、休場せざるを得ないような状況を一方的につくっておいて休場届を出せと言われても、納得して手続きできないでしょう。
しかしもし連盟がその状況を忖度し「訴えた棋士たちは我々が納得させますので、竜王戦にはやはり三浦先生が出てください」ということで進めたとします。ただ、出てくれるかどうかわかりませんし、日はすぐ目の前に迫っている。

筋として正しいのは、丸山九段の言う通り現時点で挑戦者の変更するのはおかしく、時間が足りないのなら一戦目は三浦九段の不戦敗。並行して三浦九段を説得するなり調査を進め明らかにする、ということになるかもしれません。
しかし実際問題、できるでしょうか。竜王戦において、スマホ使用疑惑でこじれているため挑戦者不戦敗なんて。

三浦九段が出てくれたとして、調査を要望した棋士たちから「納得できない。現在行われている竜王戦は不当なものである」という不満が、漏れ伝わり広がってしまうリスクがあります。これはもう、将棋界の危機です。

また、「より明確な説明」を連盟に求める声もあります。将棋ファンをすっきりさせてくれるような。
具体的にそれをするなら、指し手の一致率でソフト使用が断定できるかどうかを司法の手にゆだねるしかありません。ネット将棋の世界では一致率が高い場合にソフト指しと認定しアカウントを停止するのがルール化されていますが、実際に裁判でどうなるかは不明。どんなに確率が限りなく100%に近かったとしても、状況証拠に過ぎないのですから。

どっちに転ぶかわからないのですよ。
真実のとおりに判決が出るとは限らないのです。

ソフト指し認定の判決が出た場合、「やってない、本当だ」と悲観に暮れる三浦九段の姿があることでしょう。
無罪の判決が出た場合、当然、名誉棄損および休場中の対局料、さらに竜王を取れていたかもしれない訳ですから、どういう計算になるかわかりませんが大きな賠償金を請求し、三浦九段が連盟と調査要求した棋士たちを提訴といった事件に発展するやもしれない。

いずれにしても、白黒をはっきりさせにゆくことで霧が晴れるどころか泥沼に入ってゆく。

檜舞台に立つ機会を逃し、はからずも大きく報道され気の毒なことに社会的制裁を受けたような形になりましたので、調査を要望した棋士の先生方には矛をおさめてもらって。また三浦九段にも「李下に冠を正さず」という点もご配慮いただきたかったということにして。

すっきりしないという将棋ファンも多いことでしょうが、ここらで納得して、じっと見守りませんか。いかがでしょうか。