2015年度の医療費総額が41.5兆円で過去最高にのぼったと厚生労働省の発表がありました。高齢化が大きな要因とのこと。そして、千葉県の医療費の伸びが5.0%で全国トップ。

75歳以上の年間医療費の一人あたり平均は、94.8万円。
これが何を意味するかというと、所得が多くなければ75歳以上の方の自己負担は1割で月限度額が8000円なので(自己負担が8000円以上になったら超えた部分は戻って来る)、ほぼフル活用している人が多いということ(8万円x12ヵ月=96万円)

高齢者はなぜ病院に行くのでしょうか?
もちろん病気になり治療が必要で行くのだろうと思いきや、必ずしも行かなくてよいのに足を運ぶ人々がメチャメチャ多い。

かかりつけの病院へ行くと知った顔があり、世間話ができる。順番が来ると看護師さんもついてくれて、お医者さんの先生がマンツーマンで自分を診てくれ色々お話ししてくださる。高齢者にとり病院は、素晴らしいサロンと化しています。毎月8000円以上は使わなきゃくらいの勢いで、高齢者のみなさんは気に入った病院をいくつか回るのが日課になってしまっている。

と、いうことはですね。国や自治体の医療費を抑えるためには、医療制度の改革や健康促進だけではダメということです。健康になると、ますます病院に行っちゃうかもしれない(笑)。
彼らが求めているものは、社交場ですね。そして、親身になって自分を見てくださるコンサルタント。社会の中に、そのような場を設置してあげなければならない。

囲碁や将棋は、サロンとしての病院の役割を代替できると思います。仲間がいて、先生が居て。
楽器などもいいかも。実は近所のご高齢の女性が趣味でオカリナを習っていて、近くのサークルに通われています。良い先生がいるそうで、その先生を慕って熱心に練習している。70歳を超えてから始められたと思うのですが、数年でもう、立派に曲を吹けるようになっています。

問題は、そのような高齢者向けサロンが、お客さん(高齢者)からお代をいただくような形では採算が成り立たないこと。
当然です。病院だって成り立ってない。医療費のほとんどを公的な制度で支えているから成立している。
病院が今請け負っている高齢者サロンの役割を、趣味やお稽古事がやれる。でも、病院サロンにお金は出るけど趣味・お稽古事サロンには出ない。趣味・お稽古事は病院よりはコストかからないので、シフトさせれば国・自治体の医療費はずいぶん減るだろうに。

棋士を「無くていい商売」(※注)と升田幸三先生が昔言いましたが、高齢化が進む現代においては社会需要としては医師と同等に「無くてはならない仕事」になっている。しかし制度はそうなっていない。

さらに言うと、高齢になってから全くやったことがないことをゼロから始めるのはバーが高いので、小さい頃から生涯楽しめるような趣味を持たせる教育が、重要度を増している。

どげんかせんといかんね。
どげんすっとね?(笑)


(※注)「棋士というのは『無くてもいい商売』だ。だからプロはファンにとって猝滅鬚ぞ棋瓩鮖悗控遡海ある。」
(升田幸三)