文部科学大臣杯小中学生団体戦(26日)について、念のため。

千葉では一昨年までは代表選出を「地区大会」と「県大会」の2段階に分けて行っていました。これを昨年から千葉県大会に一本化した経緯があります。

従いまして、
「強そうな子と一緒に出たら勝てるんじゃないか、入賞してその上の大会に行けるかもしれない」
というイメージですが、確かに一昨年まではGSCからも西部地区予選で入賞して県大会に進むチームがありそのような期待も非現実的ではなかったのですが、現在は最初から県大会でその上はもう東日本大会ですので、さすがにそう簡単ではありません。

普及に携わる者としては、勝敗は別として、一緒のチームで戦うことにより同じ学校のお友達や保護者間の親交が深まる・・・それが前向きな気持ちにつながるといった効果を見ているのですが、「勝てるんじゃないか」と強い期待を抱いてしまう親御さんもいらっしゃいます。ほかの子の実力が見えないこともあり、「強いチームかも」という個人戦にはない妙な夢が発生してしまう。そして、現実を知り「なぁんだ」とがっかりする。そんな風景が毎年のように繰り返されます。

「勝負は、やってみなければわからない」というチャレンジ精神をもって子供たちが大会にのぞむのは良いことです。しかし親御さんのほうがあまり期待しすぎると、宝くじを買ってハズレたような喪失感が残るだけになります。

ご参考まで、この文科杯が創設された当初は、日本将棋連盟が「この大会にイチバン力を入れる。将棋の甲子園のような大会にしてゆく」と宣言しており、現実的には難しい面もありながらも、どうすればそうなるのかを知恵を絞って考えようという方向性がありました。その時代には、
「ひとりでは弱くても、3人なら勝てるチャンスがあります」
という米長前会長の言葉をうたい文句に、多少無理ぎみに人数をそろえてチームを組んでいました。ある意味、夢を見てもらっていました。壮大な計画があったので、現場のほうも上記のようなマイナス面もひっくるめて請け負いました。
しかし米長前会長が亡くなられてからはそういった目標も無くなり、現在では普通の年間行事のひとつとして運営されています。

私も当ブログで色々と述べましたが、そのようになったということを受け入れて、当面は肩の力を抜いて行動してゆきたいと考えています。
「当面は」というのは、学童将棋の投稿で述べたように「町の先生の教室」がどんどん出来てくる時代がくれば、そこが母体になり当初の理想に近づくことも可能かもしれないと思うので。ただそれは、今バタバタしてもし方がない。

そのような訳で今年は無理せず、土曜教室に来てくれているメンバーで自然と3人そろう学校にだけ、お声をかけさせていただいています。学校で子供たちが、「今度の大会、がんばろうな」と声をかけあうような風景が生まれることや、保護者どうし学校のことで情報交換できるような人脈ができること(特に上級生から下級生へ)は、十分に意味のあることだと思います。そういったことをメインの目的として文科杯をとらえていただけますよう、どうかお願いします。