本日5月12日は、名人戦第3局(2日制の1日目)と女流王位戦第1局が行われていました。

里見香奈女流王位に岩根忍女流三段が挑戦する五番勝負第1局は、96手で里見女流王位の勝ちとなりました。
各4時間の持ち時間ですが、先手の岩根女流三段が駒組みに苦労し、中盤までに時間を多く使う展開となりました。

下図がポイントの局面。小競り合いの過程で後手里見女流王位の持ち歩が三枚になってしまっているため、放っておくと後手からは△1五歩から香車を吊り上げ△3四角というわかりやすい攻めがあります。
何か動かざるを得ないこの局面で先手の持ち時間は30分を切っており、後手には2時間近く残っている。エイと▲8六歩と突き出しますが・・・

女流王位戦第1局


上図ですかさず△8七歩と打たれました。▲同飛なら△7八角成、▲同角なら△8六飛です。岩根女流は▲6八飛としましたが、やはり△8六飛から飛車先を突破され、後手優勢となりました。

岩根女流の石田流に対し、定跡化されていない変則的な駒組みを採用した里見女流王位の日頃の研究量の豊富さが光った対局と感じました。