支援物資が倉庫に大量に溜まっていて、仕分けが出来ないでいる映像。何をもらったのか把握することからしてタイヘンだし、人もぜんぜん足りないという。

一方、物資が届かなくて困っている避難所へ、2t トラックに水などをドカッと積んで乗り付けるオジサンの映像。たいへんに感謝され、片手を上げて去ってゆく白シャツと作業ズボン姿のカッコいいこと。まったくの個人のボランティアで、香川とかから来たという。こんな人がいるなんてやはり、日本って素晴らしい国です。
「友人に」とか「親戚に」ということで、福岡や佐賀から生活必需品を持って駆けつける人たちもたくさん居るようです。

立派なことですが、あまり多くの人が「なにかしないと」と個別に動きすぎることは弊害も生む。タイヘンな渋滞で、支援物資を積んだ大きなトラックも動けなくなる。

やはりベースは行政。さて、行政の対応がそんなに瞬時にスムーズにいかないのはある程度止むを得ないですが、今後の改善を議論してゆく必要はあるでしょうね。

災害対策というと、「救助」「医療」「物資」の供給体制を備えておくというのが従来の考え方だったと思うのですが、加えて「物流」が非常に重要であるということが今回、課題になったように見えます。
指定避難所に加えて、小さな公民館や施設等で避難所として使われているあらゆる箇所の全貌を把握して、各々に窓口を設定し、そちらに何が足りない、こちらに何があるという情報の共有システムをグァーッと素早く立ち上げる必要がある。
これ、県庁や市役所の公務員には酷なんじゃないだろうか?普段から受身仕事なので、「自主避難所は連絡がなければ把握できません」ということになっちゃう。大手企業の物流担当者のように、何ともならないものを何とかする仕事です。

日本人は勤勉でやさしいので、「いま、これが必要なんだ。これをやってくれ」と指示があればそれを一生懸命にやってくれる職員さんやボランティアの方々はたくさん居るし現れると思う。しかし、何が何だか訳のワカラナイ、誰も何も教えてくれない混沌の中でとっかかりをつくりシステムを組んでいくのって、特殊技術。

一案としては、そういった物流に関する仕事の経験者で「現役は引退したがいざとなったら動けるぜ」というような元気なご年配の方に緊急時のための登録をしておいてもらうとか。

医療の分野では「エコノミー症候群」が問題になっていますね。血流が滞るのが問題とのこと。流れをつくるのが重要という点では、物流と同じかも。物資配給も、エコノミー症候群に陥らないようにしないといけません。