先日の将棋教室名人戦の投稿にて掲載した局面を再掲します。この図では、手番は後手。△5五歩▲同歩△6五歩と攻められました。

急戦矢倉


矢倉の大家、森下卓九段の名著「森下の矢倉」を読み返し並べていたら、これとほぼ同じ局面がありました。角の位置が6八ではなく6九で、先手の手番です。下図は昭和63年、森内俊之当時四段(現九段)との王将戦での対局だそうです。

森下森内戦


手順はちがうかもしれませんが理屈としては、ここで▲6八角と上がったところで相手が△5五歩▲同歩△6五歩と攻めてきたことになります。

森下九段の指し手は、おとなしく単に▲6八角とあがるのではなく、▲2四歩△同歩▲同角△2三歩▲1五角。定跡といっていいほどプロの実戦も多いそうです。
こうしておくと、相手が中央から△5五歩や△6五歩と攻めてきたらそのとき歩が入りますので、▲2四歩△同歩▲2三歩という攻めが生じます。それをきらい△1四歩なら▲2六角で、6八に居るより相手にとってはイヤな角のラインとなります。
また、3七にいる銀は4六に出て▲3七桂と遊んでいる桂も使ってゆくのがいいそうです。
勉強になりました(笑)。森下九段に感謝。